EP:27☆モヤモヤ解消おやつっ!
ギル様とレオ様の仲直り大作戦から数日がすぎた。
あの二人はいつも通り仲良し兄弟に戻り、様子のおかしかったアル様も次の日にはケロッとしていた。
あれから数日、すごく楽しく平和に過ごしていたんだけど……
私は今、とてもモヤモヤしているっ!!!
だってだってだって……!!!
ここ最近ギル様は、クリスタル様からのお茶会の誘いが増えている……っ!
そして、今日も綺麗な格好をしてキラキラとしたギル様はお茶会に出かけていった。
なによっ!!あんなお洒落しちゃってさ?!
ギル様を複雑な気持ちで見送り、私は自室に戻る。
そして、ベッドに思いっ切りダイブをすると、枕に顔を埋めてジタバタとしながらモヤモヤを大爆発させて苦しんでいた。
「うわぁぁぁあ!!なんなのよぉぉお!!モヤモヤするぅぅ!!恋ってこんなに苦しいのぉぉ?!?!」
部屋でジタバタ苦しんでいると突然、部屋の扉が勢いよく開いた。
───ガチャンッ!!
「リオー!!!って、お前……何してんだよ?」
レオ様の声に顔をあげると、呆れたような顔をして扉の前に立っていた。
「見れば分かりませんかっ?!今とっても苦しんでるんですぅぅ!!!」
「はー?お前って相変わらず意味がわからないよな……そう言えば兄上は?今日は仕事ないのか?」
ギル様のことを耳にした瞬間、私のモヤモが限界を突破した。
「ギル様の話をしないでくださーいっ!!!また今日も……お茶会ですよぉ……うわぁぁぁあん!!!」
耐えきれなくなった私は、ベッドから飛び起きるとレオ様に思いっ切り抱きついた。
「ちょ!!お前っ!!は、離れろっ!」
驚いた顔をしたレオ様は、一生懸命私を引き剥がそうとする。
「な、なんでそんな酷いことを言うんですかぁぁ!!レオ様まで私を見捨てるんですねぇぇ?!」
「あぁもう!泣くなよっ!!わ、わかったから……ほら!おやつでも食べに行くぞ!」
「……おやつ?」
「ふはっ……お前……本当にしょうがないやつだな」
レオ様は笑うと、私の手を掴み厨房へと私を引っ張っていった。
厨房に着くと私に「ちょっと待ってろ」と言ったレオ様が、ロキさんに話をする。
「あいつ落ち込んでるから何か作ってやってよ」
それを聞いたロキさんは、私が落ち込んでいる理由が分かっているかのように
「あぁ……なるほどねぇ」
と、呟き私の方に近寄ってくるとロキさんは、今日も美しい顔で色っぽく微笑んだ。
「リオくん、俺がとびきり笑顔になるようなの作ってあげるから庭園で待っててくれるかな?」
「え?ありがとうございます」
何を作ってくれるんだろう?と、少しだけ楽しみな気持ちとモヤモヤで複雑な気分のままレオ様と二人で綺麗な庭園に移動すると、先に席に座って待つことにした。
庭園の綺麗な花たちを見ていると、ギル様がプレゼントしてくれた部屋にある花たちを思い出し胸がきゅっとなった。
しばらく二人で待っていると、淡いアメジストの髪の毛を揺らしながら、極上の笑顔でワゴンを引いて歩いてきたロキさん。
「待たせたねぇ〜、リオくんのためにスペシャルなおやつのセットにしてみたんだけど、どうかな?」
にっこりと笑うロキさんの持ってきたワゴンには、焼きたてのクッキーやマフィン、フルーツたっぷりのタルトやケーキ。
どれを見てもすごく美味しそうで宝石のようにキラキラと輝いていた。
とっても美味しそうな匂いに、さっきまでのモヤモヤはどこかへ吹き飛んでいく。
宝石のようなお菓子たちに単純な私はみるみる元気になる。
「ロキさんっ!!天才ですっ!!なにこれすごいですっ!!美味しそう〜!!!いっただっきまぁぁす!!」
私は美味しそうなお菓子たちを手に取ると、あれこれと口に放り込んでいった。
「んぅー!!!どれも美味しすぎますっ!!」
そんな私を見て頬杖をつきながら満足そうに笑うロキさん。
そして、レオ様は呆れながらため息を吐いていた。
「さっきまであんなに落ち込んでたくせに、本当に単純なやつ……」
「ロキさんのおやつは、魔法みたいに元気になれるんですよっ!!」
「あーはいはい……」
呆れるレオ様を横目に、次のおやつに手を伸ばそうとした、その時
ロキさんの手が私の口元にすっと伸びてきて、綺麗な指が私の唇を撫でた。
離れていく指先にはクリームが着いていた。
「ふふっ……そんなに喜んでもらえるなんて、作ったかいがあったよ」
にっこりと笑いながらそう言うと、クリームの着いた指をぺろっと舐めて、色っぽく笑った。
「ちょ……っ?!」
驚く私の顔を見てくすっと笑うロキさんは、再び頬杖を着きながらじっと見つめてくる。
「ねぇ、リオくん。そんなに毎日お茶会のことで思い悩むくらいなら、いっそ俺のところに来ちゃう?」
「なっ……何を言って……」
「何って俺が忘れさせてあげるよ?」
ロキさんのあまりの色っぽさに食べようとしていたクッキーを落としそうになる。
で……でたっ!!色気むんむん攻撃だ!
本気にしちゃいけないやつ!
またいつものロキさんの意地悪だってわかってるんだからっ!
すると、隣からガタンッ!!と椅子の音が響く。
音の方を見ると、勢いよく立ち上がったレオ様がロキさんを睨んでいた。
「……ロキ!!お前、まさか……!!リオはだめだからなっ!!!こいつに変なことしたら許さないからなっ!!!」
「くすっ……レオ様がどうしてそんなに怒っているのかな?」
ロキさんはレオ様の言葉に動じることなく、むしろ楽しそうにクスクスと笑っていた。
「べ、別になんだっていいだろう!!」
「へぇ……もしかしてレオ様ってリオくんのことが好きなの?」
ロキさんはレオ様の顔をじっと見つめると、意地悪く首を傾げていた。
「はぁ?!な、何言ってんだよ!!!」
ロキさんの意地悪がレオ様に向いたようだ。
レオ様……、がんばってください。
と、心の中で呟きながら目の前の美味しそうなお菓子たちに手を伸ばし頬張る。
そんな私の横でロキさんと言い合うレオ様の顔が真っ赤に染まる。
「あーっ!!!もう!!と、とにかくロキにリオはやらないからなっ!!!」
「ふふっ、俺のライバルは、こんなに顔を真っ赤にさせる可愛い子なんだねぇ?」
そう言って笑うロキさんに私も大賛成だ。
「わかりますわかります!!レオ様はとっても可愛いんですよ!!ねっ!レオ様!」
お菓子を頬張りながらにっこりと笑うと、顔を赤くしたままレオ様が睨んできた。
「お前なぁー!!もっと危機感もてよ!バカ!帰るぞっ!!」
「えぇ?!ま、まだおやつが……」
真っ赤な顔をするレオ様は私の手をがっちり掴むと屋敷の方に引きずっていく。
あぁ……お菓子!!!!
そんな私たちをニコニコと見つめるロキさんは
「リオくん、また美味しいおやつ作ってあげるから食べたくなったらいつでもおいで、またねっ」
そう言って色っぽく笑うと私たちに手を振るロキさんが小さくなっていくのだった。




