現在の問題点洗い出し
引き続きタケルの部屋のテーブルで、ユウナギ、クレア、タケルが情報を共有していた。
「王都中央広場の専門店の進捗があまり良くないんだよ」
「え?どういうことですの?」
「一番の問題は、王女様との話の進みが悪くて・・・」
「そんなことがありえますの?」
「どういうことですか?」
「アルテーシア様は相手の意向を汲み取って円滑に話を進められるので有名な方です。話が進まないなんてことが・・・」
「タケル、あんた無茶言ったりしてるんじゃないの!?」
「僕はYESかNOで答えられるようにしてから話は持ち込むようにしてるんだけど・・・」
「では、それはわたくしが同席して問題を見つけて見せます」
「お願いします」
「その他はないの」
「その・・・リアの問題だけど・・・」
「リア・・・さん?」
「ああ、孤児院の子供で、僕と結婚するんだって・・・」
「そんな話がありましたっけ?」
クレアが凄みのある笑顔で答えた。
「先日、タザーさんがフラグをバッキバキに追ってくれた上に、同じ孤児院のジュウがフォローしてくれていたし、解決だと思います。これは報告ですけど・・・」
「よかったです」
すがすがしい笑顔でクレアが答えた。
「タケルえらかったのよ、結婚相手は2人だけで十分だって言って、変に情けをかけたりしなかったし」
「まあ、以前のタケルさんだったら流されているところですね」
「色々あったし・・・ね」
「問題ってこれくらい?
「ああ、タザーさんの市場の売上アップの話だけど・・・学校がうまく行ったら給食を担当してもらうから、解決する予定」
「そういう意味でも失敗できないわね」
「学校では料理を習った生徒は、タザーさんの市場でお店を出せる権利を獲得できるようになったのよね」
「そうそう」
「学校で計算なんかを習った生徒は、貴族のところで会計士なんかで雇われる予定よね」
「そう」
「これも学校をうまくいかせる必要がある訳ね」
「そこなんだよ。今の問題の全てが『学校プロジェクト』がうまくいかないと共倒れなんだよ」
「何が成功で、何が失敗か、目標を明確にしておくのはいかがでしょうか?」
「そうだね。事前にアルフレットさんにも伝えておかないと、うやむやになるとまずいよね」
「では、書面にしてお父様にサインをいただきましょう」
「完璧ですね」
「学校の要素として、第一弾の1教室は出来つつあるので心配いりません。今後の拡張の費用を貴族から調達予定です」
「その貴族を何人巻き込めて、いくら調達できるかよね」
「シャル、メモしておいて」
「かしこまりました」
「拡張ができる程度を最低ラインとしよう」
「つまり、教室が1つから2つになるってことね」
「貴族は、ちゃんとお金を出してくれるなら1件でも大丈夫よね。最初はアルフレット様が出してくださったくらいだし」
「ユウナギ様、それはちょっと・・・お父様はああ見えてかなり裕福な方です。他の貴族が同様のお金を出すとしたら、3件~5件は最低でも必要と思います」
「う・・・意外なところで私、プレッシャーを感じているわ。すごく買っていただいているのね・・・」
「後は、生徒の確保。最低30人は欲しいな」
「30人・・・と」
「そして、最後の問題が先生だね」
「先生・・・と」
「それは、最悪私が、休学するか、退学してでも務めるからいいわ」
「いや、ユウナギが学校辞めて先生をやったら、生徒たちが辞めたいって言った時何も言葉がないでしょ」
「た、たしかに・・・」
「それに、知識とかはしっかり得て、教える方にならないと。先生も育てないといけないのに」
「ううう・・・タケルのくせに正論を・・・」
「そうです!先生は、生徒から優秀な人を先生にスカウトしたらいかがでしょう?」
「なるほど、そこまで考えなかった」
「そうか、候補はたくさんいたんだ」
「卒業後の進路は多い方が、生徒にとっては学校に通いたくなります」
「そういう意味でも、最初の先生がすぐに手配できないのは痛いなぁ・・・」
「タケル、いっそのこと時間を遡ったら!?もう一回やり直すのよ!」
「ごめん、それは無理だと思う」
「なんでよ!?あんた、ご都合主義のズルがあるでしょズルが!」
「『ズル』って言わないでもらっていいかな。『チート』にしておいてよ」
「ズルでしょ!?一人だけさぁ」
「もう、色々台無しだよ」
「で、ホントにできないの?」
「僕の魔法は基本的に『家電』を『魔法』に置き換えただけだから、アイロンはできるけど、タイムマシンは出来ないんだよ・・・」
「なんだ、つまんない」
「そう言わないでよ」
「時間が遡れたら、そっこー先生育てるし!」
「まあね。僕もクルーガクを事前に止められるのに・・・」
「まあ、出来ないことは想像してもしょうがありませんわ。とりあえず、出来ることから始めしょう」
「さすがクレアちゃん!前向き!」
『どうしようもない問題』が浮き彫りになった会になってしまったのだった。




