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ギルド長タザーの不満

「タケル、俺は不満だ!」


タケルは久々に商業ギルドのギルド長、タザーがいる建物に来ていた。

タザーは強面なので、面と向かってそんなことを言われたら普通の人なら固まってしまう。


タケルもタザーと会った最初の頃ならば固まっていたかもしれない。

ただ、これまでに色々なメニューを共に開発してきた経緯もあるし、毎週毎週大量の食材を収めているビジネス仲間でもある。


木の机の上にぐてーと寝ているタザーの前には試作品の料理がいくつか並べられている。


「なにがそんなに不満なんですか?」


「市場のメニューはいくつかなのに、王都中央広場の方は新しい店が3軒も建ってるらしいじゃないか!」


「あれは王様が勝手にどんどん建物を建てるので、中身が間に合わないとまずいだろうということで周囲の人たちがすごく頑張ってくれているので・・・」


「店3軒だぞ、屋台3台じゃないからな?」


「ほんとですね。さすが王様、お金持ちですよね」


「そして、お前はそこに1枚も2枚も噛んでるんだろ?敵かお前は!?」


「ちょっと王様と会う機会があって、料理の話になったもので・・・」


「どこの誰なら『ちょっと』国王と会う機会があって『料理の話』みたいな雑談するっていうんだよ」


タザー・エリアの屋台は商業ギルドの管轄でその上にはアルフレット(クレアパパ)がいるが、王都中央広場は王城管轄なので、上に国王が控えている。

どちらも『マティアス』なので、どこでも栄えることは基本的に歓迎されるが、極端に差が出ると周囲が忖度をし始める。


一時は屋台が繁盛しすぎて王都中央広場の客を取り始めたということで、王都中央広場付近に食べ放題の店『バイキング』がオープンされた経緯がある。

ここもタケルのアイデアで、ターゲットとなる客を少し変え、料理の内容も変え、なんとかバランスを保っていた。


ここにきて、王都中央広場付近に『焼肉の店』『パスタの店』『総合レストラン』と3店舗が着々と準備されつつある。

本当は2店舗の予定だったはずが、いつの間にか3店舗になっていた。

打ち合わせのたびに、タケルは王城に行く必要があり、マティアスの本物のお姫様と言える王女アルテーシアと会わないといけない。


2店舗でも打ち合わせに行く回数が多かったのに、3店舗目となると更に長期間通う必要があってタケルは大変だと思っていた。


「おい、どうした?顔色が良くないぞ?」


「色々と忙しくて・・・」


「タケルも気をつけろよ、騎士様」


「もう、ほんとそれやめてください。剣とかちゃんと使えないし、冒険に出るとトラブルばかりで・・・僕は騎士は向いていないです」


「おお・・・そうか、なんか、色々ありそうだな」


「はい・・・」


「ところで、そんなにバンバン店を建てて客はどこから来るんだよ」


「珍しいこともあって、家で食べるんじゃなくて、お店で食べる人がいるみたいです」


「夕飯を店で・・・貴族様みたいだな」


「少し前畑を広げたりしたので、お金持ちが増えてきているみたいです」


「まさか、そこにもお前・・・」


「駆り出されて、魔法で開墾してきました・・・」


「手広くやってんな、死ぬなタケル」


「ありがとうございます・・・」


「そんな中、これだけメニューを考えてくれたけど、もっとバシッと売り上げを上げる方法を考えてほしいんだ」


「新メニュー以外にですか?」


「できればな。新メニューは好調だが、数に限りはある。そして、いつかは飽きられて売り上げは落ちてくるだろう」


「確かに・・・5年後、10年後も同じって訳にはいかないですよね」


「そうなんだよ」


「うーん、考えてみます」


「頼むよ!神様!タケル様!」


「僕、普通の学生ですから・・・」


「馬鹿野郎、ちょっと王様に会える普通のやつがいるもんか。妙な魔法もたくさん使えるし・・・しかも、騎士の称号を持ってるって・・・」


そのほとんどがチート能力によるものだとタケルは考えていた。

自分では何もしていないのに、勝手に周囲が驚いてくれる感じ。

この力が無くなった瞬間自分に価値が無くなってしまう恐怖と常に背中合わせなのだ。


疲れていたが、ユウナギにも呼ばれていた。

新しく建て始めた『学校』についてらしい。


アルフレット(クレアパパ)曰く、タケルがサポートするのを条件に融資をするということだった。

こまめに連絡をとって、起こりうる問題を解決して円滑に学校がスタートできるようにしないといけない。


学校と行っても、まずは教室1室分くらいの比較的小さな建物での運用からスタートだ。

目指すは30人。

対象は平民の子供。


授業は朝8時から昼の3時ごろまで。

当然ユウナギは教師として学校にいることができない時間だ。

そのため、午後の時間を使って、先に教師を育てる必要があった。


ここで問題となってくるのが『集客』だ。

学費はアルフレットが出資してくれるので無料でいいのだが、それをどれくらいの人が信じてくれるか・・・

あとは、朝から昼まで学校に来れる子供がどれくらいいるか。

マティアスでは基本的に子供は家の仕事を手伝っている。

学校に通うような暇な子供はいないのだ。


それを学校に通わせて、授業を受けさせて、勉強させる・・・

こんな無理難題がいきなり突きつけられた。


ユウナギのパフォーマンスはストリートでは有効だが、建物内では不利だ。


「タケル!いきなりピンチ!どうしよう!学校が建つ前に対策を考えておかないとっっ!」


珍しくユウナギが焦っている。

何だか問題解決屋になりつつあるタケル。

しかも、1個1個ならばまだしも、2つも3つも次々難問が目の前に現れる。


一つ良いことは、夕食の話題はユウナギとタケル、アルフレットで学校の進捗を話したり、問題点を話したりすることができることだ。

話題に事欠かない。


『教師候補』も見つけないといけない。

問題は山積みだ。


何か急にいっぱい書いて1週間分くらいストックができました。

この調子でいけば、1日2話とか公開できるかも!?


評価とブックマークで応援してください♪

明日の更新も朝6時です。

よろしくお願いします。

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