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ユウナギの反撃

最近のタケルはちょっと困る。

なにより外見が変わってきた。

あれが困る。


「ユウナギ・・・」あの声がヤバい。

名前を呼ばれるたびに下腹の奥からキューっとなってしまう。


身体が引き締まってきている。

この間ちょっと触らせてもらったら、明らかにぜい肉が減っている。

そして、筋肉は確実に増えている。


ボディビルダーの様にゴリゴリのマッチョというわけではなく、本当に使う筋肉が発達して締まっている感じ。

細マッチョというのだろうか。


自分が筋肉好きだったとは知らなかった。

あと、少し前までおどおどしていたのに、最近は落ち着きがすごい。

きっとマティアスで色々な人と会ったり、一緒に仕事をしたりして、心も鍛えられたのだろう。


おどおどしているのもかわいくて好きだった。

でも、今の落ち着いた感じも好き。

もう、タケルだったらなんでもいいのか私は。

自分にツッコんでしまう。


目がまたヤバい。

あんな目で見つめられたら平気で堕ちる。

私の心を射抜くための目と言ってもいい。

抗う自信はない。


私を見る目が・・・

あの目、守られているのを感じる。

本当は、あの全てを他の誰にも見せたくない。

学校の誰もタケルの魅力に気づかなかったらいいのに・・・


最近では、一緒に歩いていても女の子の視線がタケルに向いているのに気付く。

振り返ることもあるくらい。


タケルをずっと自分の部屋に閉じ込めておきたい。

あ、いけない、いけない。

この思考が突っ走るときっと私の心がタケルを壊してしまう。

私とタケルだけだったらきっと私は壊れてしまう。


ストーカー気質なのか、ヤンデレ気質なのか、詳しくは分からない。

でも、タケルが好き。

私の全部を上げる、だから、タケルの全部が欲しくなってしまう。


そういう意味では、クレアちゃんには助けられている。

彼女の存在が行き過ぎてしまう私の心にブレーキをかけてくれる。

本当はタケルと2人きりがいいのだけれど、幸せは長くは続かない。

何となく予想できる。


ペットを構いすぎて弱らせるのに似ているのだろうか。


『手に入らないけれど、手に入れたい』『手に入ったけれど、自分だけのものにならない』この微妙なバランスがきっと私には最高のバランス。


それが、クレアちゃんとの重婚じゃないかと考えている。

クレアちゃんはすごいライバル。

でも、クレアちゃんも好き。


そして、彼女がいるから私とタケルの『最高のバランス』が維持できている。

それでも、タケルのそばにいたい。

その顔を、その目を、その仕草をずっと見ていたい。

タケルが望むなら何でもあげる。

何でもしてあげる。


きっとDNAに何か書き込まれているのだろう。


「どうしたの?ユウナギ、ぼーっとして」


「え?ううん、ちょっと考えごと」


放課後、タケルとユウナギは一緒に帰っていた。


「ユウナギ、今日食堂に行くんでしょ?」


「ん、せっかくお許しが出たし、私の雇い主さんでもあるし・・・挨拶も兼ねて、ね」


「行くとき、一緒に行こう」


「ん!?」


「ん?」


見つめあってしまう刹那。


「あー、クレアちゃんね!?タケル、クレアちゃんになんか言われたでしょ!?」


「え?いや・・・イワレテナイヨ?」


「あーもぉ、絶対だ!」


「えー?ってことはクレアちゃんと何かあった!?」


「え?いや・・・ナニモナイヨ?」


「もしかして、いただいちゃったの・・・?」


「いやいやいやいや!何にもないよ!ちょっと抱きしめただけで・・・あ」


「あー、いやらしい・・・」


ユウナギが横目で軽蔑のまなざしを向けてくる。


「いや、そういうんじゃなくて、クレアさんが・・・」


「あー、女の子のせいにしてるー!タケルかっこわるーい」


ユウナギがタケルを両手で押した・・・と思ったら、襟をつかんでぐっと引き寄せ・・・


ちゅ・・・と唇を重ねてきた。


ユウナギがクルっと背中を向け、少しだけこちらを見て言った。


「クレアちゃんに負けないくらいタケルを夢中にさせて見せるからね!」


流し目がこれ以上ないというくらい決まっている。

タケルの心がきゅーんと悲鳴を上げた。


『ユウナギさんかっこいい』とタケルの中では心が言っている。


どうしてタケルの周りの女の子は愛情メーターのカンストを目指すのか。

既にカンストしているメーターでさらに上を目指すとどこか壊すれてしまわないだろうか。


下校途中だったので、その一部始終を見てしまった生徒がざわざわと騒いでいる。


「ちょっとみた!ユウナギちゃんの方からキスしたよ!」


「やっぱりキス!?一瞬だったから違うかと思った」


色々な声が聞こえてきて、これはまずいとさすがに2人は思った。


「タケル!手出して!」


言われるがままに手を出すタケル。


ユウナギがタケルの手を握ると、「走るわよ!」と大声で言うと、タケルを引っ張るように走り出してしまった。

タケルも何とか追いつくように追いかけるように走る。

ただ、2人の顔は笑っていたので、後に思い出になるとしたら『いい思い出』の方に分類されることだろう。


活躍してほしいキャラがいたらコメントで教えてください♪

ブックマークもしてイインダヨ?


明日の更新も朝6時です。

よろしくお願いします。

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