クレアとシャルの反省会
クレア様の専属である私、シャルがその知らせを聞いたときは血の気が引いた。
お嬢様が倒れたというのだ。
慌ててタケル様の部屋に行くと・・・
「クレアさん、もうすぐシャルさんが来てくれるから。そしたら部屋に連れて行くからね」
「タケルさん意地悪です!顔が笑ってます!」
「いや、クレアさんがかわいいな、と思って」
「もう!知りません!」
ベッドの上に座ったままプイっと横を向いてしまった。
・・・何ですか、この甘々空間は。
雰囲気も、臭いも甘々で私は別の意味で頭がくらくらしました。
何かしら進展があったようですが、お嬢様は立ち上がれないご様子・・・
一体何が・・・
*
クレアはタケルのお姫様抱っこで自室に戻っていた。
タケルがやさしくベッドに寝かせた。
「ありがとうございます」
「いえ、これくらいなんでも」
「クレアさんをお姫様抱っこできて、貴重な体験でした」
「タケルさん、意地悪で言ってるでしょう!」
「もちろん、違いますよ」
「もう~、顔が笑ってます」
「そりゃあ、クレアさんの前だから・・・」
シャルは2人の間に何があったのか全く見当がつかなかった。
*
「お嬢様、反省会です」
「・・・はい」
クレアが小さくなっている。
タケルはクレアには勝てないと思っているのと同様に、クレアはシャルには勝てないと思っていた。
それは、小さい時から教育係も兼任していた。
講師は別にちゃんといるので、『先輩』というのがより正確だろうか。
年齢的にも少し上で、シャルは庶民ということもあり、世の中の知識と経験はクレアよりも勝っていたのだ。
「まずは、何があったのか洗いざらい話してください」
「はい・・・」
シャルは全部話し始めた。
*
「それで、変な声が出てしまって・・・恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・」
(ボンっ)とシャルは自分の頭の上から煙が噴き出したかと思った。
クレアお嬢様がそんな大胆なことをされるなんて・・・
しかも、負けた・・・完全に先を追い越された。
私が『恋愛の先生』としてドヤ顔で語れるのは、修業時代のちょっとした恋愛があったからだ。
それも、何度かデートをして、手をつないで・・・それだけだ。
仕事も忙しくなるタイミングだったし、自然消滅してしまった。
たったそれだけでも、これまでのお嬢様ならば、赤子の手をひねるが如くマウントを取ることができた。
ところが、今回はどうでしょう。
完全に追い越されています。
それどころか、遥か遠くに行ってしまっています。
話を聞いていたらもう『肉体関係』じゃないですか!
この恋愛初心者に何かを言うことなんてできません!
それにしても、タケル様、私のかわいいクレアお嬢様になんてことをしてくださいますか。
胸を触っただけで、お嬢様を腰砕けにさせるなんて・・・タケル様、ベッドでも最強ですか。
明日はローレットに言って、お茶請けのお菓子を1個減らしてやりましょうか。
と、頭の中では激おこのシャルなのだが、見た目にはいつもの無表情。
少し眠たそうな目もそのまま。
誰もこんなことを考えているとは予想もつかないのだった。
「あと、下着が・・・」クレアが続けた。
「下着!?下着がどうされましたか!?」
「あ、いえ、何でもないの。忘れてちょうだい・・・」
「・・・はい」シャルはそれ以上聞けなかった。
「シャル、タケルさんはがっかりしていないからしら?」
「何をおっしゃいますか!クレアお嬢様ががっかりされることなどあり得ません!」
「シャルはそう言ってくれるけれど、殿方は・・・」
「お嬢様は誰が何と言おうと、そのままが一番おかわいいです」
「そう言ってくれるのだけれどねぇ・・・」
*
元を正せば、クレアは勘違いをしていた。
いくらクレアが庶民派だと言っても、根っからのお嬢様なのだ。
下世話な情報はほとんど入ってこない。
そのため、『男女の交わり』がどのようなものかなど知る由もないのだ。
声が出ることは自然なことだとしても、それを知る術がない。
当然アダルトビデオなどないので、他人の『営み』に触れる機会などない。
『先生』であるシャルですらそんなこと教えることができるわけがない。
予備知識なしで無邪気に突進してしまったので、クレアは『恥ずかしいこと』と認識してしまったようだった。
そして、残念ながら、それを察してあげることができる人も、情報もなかった。
クレアはベッドの上で、タオルで顔を半分隠して真っ赤になっている。
「シャル、明日からタケルさんとどんな顔して会ったらいいの!?」
そんな顔して会ったら益々好かれますよと伝えたいシャルだったが、見た目的にはいつもの無表情なのだった。
あ、文字数が少なかった!
今日はもう1話公開します!!
ブックマークも評価も増えてました!
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最近停滞していたので、本当に嬉しいです。
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