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クレアパパへの報告

「・・・以上の様に報告いたします。」


クレアの屋敷の談話室でタケルが一人立っている。

テーブルにある椅子にはアルフレット(クレアパパ)、マリア(クレアママ)、クレアが座っていて、ゲスト的にユウナギが座っている。


「・・・」


「・・・」


「・・・」


誰も何も言わない沈黙の時間が続いた。


「はっはっはっはっはっはっ。女神を探し求めていたが、元々我が屋敷にいたか!これは面白い!舞踏会での話題にもなる!」


アルフレット(クレアパパ)が大きな声で言った。


タケルはクレアの方をちらりと見た。


「新たにお嫁さん候補を連れて来たわけではないのでセーフです」


さわやかな笑顔でにっこりしていた。

タケルは許されたのかと少し気を緩め始めた瞬間。


「でも、タケルさんとは後で少しお話をしないといけませんね♪今日はお部屋から出ないでくださいね♪」


先ほどとは別の意味でにっこりしていたので、タケルは心の中で観念した。

彼女はタケルがどう頑張っても勝てない人の一人なのだ。

ここでどうあがこうが、所詮は彼女の手の上で踊らされているようなものだ。


タケルの頭の中では、大きなクレアの掌の上で、何故かひょっとこのお面を頭にかぶり、阿波踊りを踊っている自分の姿が思い浮かんでいた。


アルフレットが立ち上げり、ユウナギに宣言した。


「ユウナギ、君に投資しよう。建物を準備して人を雇い、人を育てて子供たちに教育をしてくれ」


「え!?いいんですか!?でも、私どこの誰かも分からない平民ですよ!?」


突然の申し出にユウナギがすごく驚いている。

彼女にしては珍しく取り乱していた。


「既に『知恵の女神』と名前が通っているのだから、その名声は高めたい。子供たちのためにも、マティアスの将来のためにも、私の晩餐会のためにも」


一石三鳥ならば多少の欲望が入ってもOKだろう。

すごいな、ユウナギ。たった一人で侯爵家の貴族に認められてしまった。


「そして、サポートしてタケル、手伝ってあげなさい。もちろん、クレアも」


「ええ!?僕!?僕ですか!?」


「そりゃあ、そうだろう!どうせ既に一枚噛んでいるんだろ?」


「ははは・・・でも、最初だけですよ?すべてはユウナギが一人で考えて、一人で動いて成し遂げたことなので」


「なおのこと素晴らしい!ユウナギ、君は私の晩餐会に参加して炎の軌跡を実演してくれるかな?」


「はい、喜んで。私で良ければ」


「じゃあ、決まりだ」


「あの・・・」


「どうした?タケル?」


「その話って僕にメリットが・・・王様のお店も立ち上げないといけないし、市場のメニューも増やさないといけないのに・・・」


「ユウナギが『知恵の女神』として活躍してくれるのならば、我が家は『女神の住む屋敷』として他の貴族たちにも鼻が高い。ユウナギも我が家の食事に一緒に参加することを許そう」


タケルはこれまでユウナギと一緒にご飯が食べられないからという理由で、クレアの屋敷での夕食を辞退したりしていた。

部屋で食べたりしていたので、クレアと会う機会も減っていたのだ。


ユウナギはアルフレットからしてみたら単なる平民で、一緒に食事を摂ると外に向けての威厳が崩れてしまうということだった。


ただ、ユウナギがこれからもっと有名になり、ユウナギが望む『先生』になることができるのならば、一緒に食事を摂ることができる。


ユウナギの方を見ると、両掌で顔を覆っている。

もう、泣いているのかもしれない。

多分、ユウナギにとって人生の中でもそう何度もあるチャンスではないだろう。

これをものにするのとそうでないのとでは5年後、10年後に大きく差が出るだろう。


もしかしたら、死ぬ瞬間の走馬灯の中で『あの時ああしておけばよかった』と思い出すかもしれない事柄だとまで思った。


「分かりました。よろしくお願いします」


タケルはアルフレットに頭を下げた。

アルフレット(クレアパパ)はタケルの横に来て、肩をバンバン叩いてくる。


「そうかしこまるな!将来の我が息子よ!」


「ありがとうございます・・・(けほ)」


考えてみたら、タケルは良く肩を叩かれる。

それだけ好かれているということかもしれない。


「タケル!私頑張る!もっともっとたくさんの子供に色々教えて立派に成長させる!」


もう就職先が決まったようなものだ。

そして、ユウナギの夢がかなう方向に道が開けてきたのだ。

大学なんて行っている暇はないかもしれない。


そもそも大学とはより高度な知識を得るための場だ。

ほとんどの人がその知識をもとにより高度な仕事ができるようにと通う物ともいえる。


目の前に既にそこに直結する道があるのだ。

わざわざ遠回りをする手はないだろう。


より高度に教育をしようと考えれば、その時に改めて大学に通うのもいいだろう。

『選択肢』がユウナギの前に増えたのだ。

素直に喜ばしいことだとタケルは嬉しくなった。


「僕もできる限り手伝うよ!良いものにしよう!」


「うん!」


ユウナギがタケルの首に抱き着いた。

目には涙が光っているが、嬉し泣きの涙とはどうしてこうも心が動くのか。

タケルも自分のことの様に嬉しくなっていた。


クレアも拍手をして喜んでくれている。

ここはとてもやさしい世界だとタケルは心の底から感じた。




こうなると分かっていた方はブックマークを

今後どうなるんだよという方は評価を入れて知らせて下さい♪


もちろん、コメントでもいいのだけれど、

まだ1件も無くて・・・(涙)


昨日総アクセス数が1万5千超えました!

1日アクセスも1000PVくらい行きました(どきどき)

ありがとうございます。


「奴隷」は9話で終わったのですが、

アクセスが好調です。

https://ncode.syosetu.com/n7049hg/

1日に5000アクセス位いただいています。

まあ、数日だけとは思いますが・・・


登場人物たった2人、引きこもりと奴隷しか出てこない

陰の者同士のお話です。

よかったら読んでいただければ幸いです。


あと、誤字の報告いただきました!

読んでくださっているんだなぁと嬉しくなりますね。

こちらもありがとうございます(|ヮ|)/


明日の更新も朝6時です。

よろしくお願いします。

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