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女神の追跡調査・異世界転移

ユウナギの自宅の部屋にはクレアの屋敷のユウナギの部屋につながる『常設ドアツードア』がある。

そのため、タケルがいなくてもユウナギは自由に異世界に移動して、好きに活動ができる。


最近タケルは遠征に出ていたり、城に行ったり、色々と忙しい。

遊んでもらえないユウナギは少し拗ねていたのもあったし、次に会ったときにタケルをびっくりさせるという気持ちから『先生業務(?)』に精を出していた。


放課後はタケルとユウナギは歩いてそれぞれの家に帰り、そこからそれぞれマティアスに移動した。


ユウナギはいつものように広場に着いた。

着替える時間ももったいないので、いつも制服のままだ。

紺のセーラー服なのだが、マティアスの人にとっては黒い服に見えるみたいで、『黒髪に黒い服』という印象らしい。


当然だが、マティアスにはスマホもスピーカーもない。

音楽と言えば楽器で奏でるものだ。


そんな中、ユウナギはスマホと充電式のポータブルスピーカーだけで音楽を奏でる。

これもまた人の目を引いた。

初めての人は、音がどこからしているのかきょろきょろして探す仕草が見られる。


ユウナギは広い広場を縦横無尽に走って踊る。

普通に運動靴を履いてきているのだが、マティアスの人々にとって履物と言えばブーツだ。

自称適応力が高いクレアですらタケルの前でブーツを脱ぐのにしばらく時間がかかった。


マティアスの人々にとっては、少しセクシー要素もあるのがスニーカーなのだ。

そこで行われているのがいかがわしいことだったら、広場で受け入れられることはなかっただろう。


日々ユウナギは歌って、踊って文字を伝え、計算を伝えてきた。

マティアスの人にとって大きな魔法力は憧れの象徴でもあるので、火を自由に操って時として上空に届くほどの火柱を上げることができるユウナギは尊敬の対象となっていた。


パフォーマンス前後には、赤ちゃんを連れてくるお母さんもいて、ユウナギに抱っこしてもらうことで、強い魔法力と知恵を授かろうというおまじないのようなものが習慣化していた。


曲のレパートリーはそれほど多くない。

同じ曲を何度も何度もやることで群衆はその歌を覚える。


逆に言うと、同じ曲では飽きられてしまうので、歌とダンスを組み合わせて、人々の憧れの魔法を織り交ぜることで何度も何度も見たいと思えるパフォーマンスに成長させていた。


文字を覚えるための歌は、1文字1文字ゆっくり書き順なども覚えられるように、空間に炎で文字を浮かび上がらせる。

現代の日本で言えば新体操のリボン競技のような動きなのだが、これに類するようなものがマティアスにはないので、人々は興味津々なのだ。


特に子供たちは目を輝かせて、その動きを歌も歌いながら覚えるので知らず知らずのうちに文字が読めるようになっていくのだ。


ユウナギが広場に着く頃には、孤児院からリアが来ていて、曲の変更やパフォーマンス後のお母さんの赤ちゃんを抱っこする順番の管理などを手伝っている。


日によっては、炎で文字を浮かび上がらせて、その文字が何と読むものかの『クイズ大会』をすることもあるらしい。


この日はタケルも来ていて、ユウナギのパフォーマンスを見て見惚れていた。

完璧超人は日本でもマティアスでも人の目を引くし、人の心を惹きつける。

誰に教えられるものでもなく、自分で編み出して、自分で作り上げてしまう。

ユウナギは天才だ。

天才とはこんな人のことを言うのだろう。

そんなことを考えていた。


30分ほど、歌とダンス、そして、合間のトークで群衆を盛り上げた。

その後は、『抱っこタイム』が終わると孤児院に行って授業だ。


授業と言っても常時いるのは10人ほどなので『塾』という感じだろうか。

ユウナギはどこか『分校』みたいな小規模の児童の先生に憧れていたので、今の体制が気に入っていた。


自分がいないときは、大画面に映る動画を見て授業を受けている。

その後、『今日の問題』が張り出されてそれぞれもらっているノートに答えを書き込む。

ユウナギはそれを添削するのだ。


時々みんな聞いた方が良いことはみんなに声をかけて前のホワイトボードに書いて説明したりもする。

この方法だと授業についてこれない子や、早すぎる子が出てきてしまう。

もちろん、孤児院長や職員も手伝ってくれるのだが、彼ら・彼女らにも仕事がある。


そのため、授業を受けたら『免許皆伝』の試験を受けることができ、合格するとそこまでのことを他の子に教えることができる制度を作っていた。


それでも子供同士。

分からないことも出てくる。

その時はユウナギ先生が登場というわけだ。


個別にも教えているし、理解が早い子供は特別にタブレットを貸し出し、どんどん先の動画をみて授業を進めることもできるようになっている。


子供たちは慣れるのが早い。

最初は『絵が変わる板』と呼んでいたが最近ではちゃんと『タブレット』と呼ぶし、使い方も分かっている。

ただ、『言語』の中に「マティアス共通語」はないので、感覚で操作している感じだ。

動画を見て、問題を開く程度ならば全く問題ない。



ここでの授業を見ても、ユウナギは巷で噂の『知恵の女神』だと実感させられてしまう。

タケルは、アルフレット(クレアパパ)にありのままを報告するよう、腹をくくった。


クレアには『街で話題の女神と婚約するな』と言われているのに、『見つけた時は既に婚約者でした』と伝えないといけないのだ。


そして、『タケルの嫁』を自称していた『女神の弟子』は、以前一方的にタケルに求婚していった「リア」だった。

これもある意味、心配されていた通りだ。

クレアに後ろめたい気持ちもあり、気が重いと思いながらクレアの屋敷に向かうのだった。


一昨日別に書いていたのが終わりました。

全9回なので、サクサクっと読み終わります。

ぜひトライしてください。


現代の奴隷は我が家の天使で神様は全力で幸せにする

https://ncode.syosetu.com/n7049hg/


明日も更新も朝6時です。

よろしくお願いします。

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