シロさんならばなんとかしてくれるはず
「私が勉強して、賢くなったら、タケルケッコンしてくれる?」
「・・・は?」
なんだか流れが変な方向に?
リアはお金をガンガン稼ぎたいから、それ以外は一切したくない子じゃ・・・
「最近タケルがお店に来ないから・・・私がお店でいっぱい売ってたの」
「ああ、そうか最近学園祭で忙しかったから・・・」
「ううん、大丈夫。タケルは忙しいのは知ってるから!私が小さい子たちを食べさせるの!
」
「それはすごい心がけだけど、リアが倒れたらやっぱりいやだなぁ・・・」
「タケルは私が倒れたら困る?」
「そりゃあ、困るって言うか、心配になるし」
「そっか、心配になるか!じゃあ、仕事減らす!そして、勉強する!」
「そっか、そりゃあ偉いぞ!」
「いっぱい勉強して、いっぱい稼いで、お金持ちになるから!」
「うん、まあ、野心があるのは良いことだ」
「そして、タケルをしっかり食べさせるから!でかい家も買ってさ!」
「ん?」
「幸せにするね?」
「んん?」
「よーし!やるぞー!そうと決まれば、すぐに寝て、明日も朝から働かないと!」
(だーーーーー)
リアは走って行ってしまった。
気のせいか、変なことになってはいなかっただろうか・・・タケルは背中に冷たい汗を感じながらも、とりあえず、リアが授業を受けると言ってくれたことを喜ぶことにした。
まあ、相手は10歳の女の子だ。
一時の気の迷いと言うこともあるし・・・
タケルは何とか言って自分を説得するのだった。
*
次の日からのリアは動きがすごく変わった。
朝はいつも通り早く起きて、仕込みをして、商品づくり、そして店に立ち、小さい子供たちの面倒を見つつ、立派な店員になれるよう教育もした。
タケルからは1日働いていいのは6時間までと言われていたので、昼までの一番忙しい時間を働き、その後孤児院の掃除などを行った後、ユウナギの授業を受けた。
挨拶も完ぺきだった。
「先生よろしくお願いします!」
「あ、リアちゃん!今日は授業受けてくれるの?」
ユウナギが笑顔で聞いた。
「はい!いっぱい稼いでお金持ちにならないといけないので!」
「それは頑張らないとねっっ!」
「はいっ!」
ノートは全部書いてしまったら、新しいものが支給されるようになっていた。
全部書いたかはユウナギかタケルに見せる。
性格は出るもので、少ない文字しか書いていない子やびっちり文字を書いて見せる子など色々いる。
それでも、申請されたらノートは渡していた。
リアはノートを受け取ると、その日習った文字を1冊まるまる練習して、翌日には新しいノートを申請した。
子供にありがちだが3日坊主と言うこともある。
ところが、リアは毎日復習も含めて勉強し続けた。
1週間もしたころ、タケルはまたシロに呼び出された。
「ありがとうございます!タケルさん!リアが勉強をするようになりました!仕事も少し控えるようになって、顔色もよくなりました!」
「あ、いえ、ども」
歯切れが悪いタケル。
シロは手を合わせて喜んでいた。
「いったいどんな魔法を使ったんですか?あんなに頑ななリアが・・・たった1回話をしただけで翌日からすごく勉強する子になっちゃって!」
「あ、いえ、別にちょっと話を聞いただけで・・・」
「そういえば、リアはタケルさんに憧れていましたからね!タケルさんの言葉ならばすんなり受け入れることができたのかもしれませんね!」
「いえ、あの、実は・・・」
タケルはいたたまれなくなって、会話の内容をシロに伝えた。
「・・・タケルさん・・・リアはまだ10歳、未成年ですよ」
「はあ、そうですね・・・」
「あと2年待って、12歳になったら改めてプロポーズしてあげてください」
「いえ、そうでなくて!」
「将来リアを働かせて大きな家に住むという・・・」
「あれ?何か伝え方を間違えたかな?僕にはもう婚約者が2人もいますので・・・」
「はあ、それで・・・?」
そうだったのだ。
この国では重婚OKどころか、富める者にとっては普通なので、『婚約者がいる』は断り文句にはならないのだ。
「タケルさんはリアが嫌いですか?」
「とんでもない、一生懸命だし、素直だし、いい子だと思っています」
「じゃあ、あの子にそう言ってあげてください。結婚云々はまだ先でいいんです。とりあえずでいいので、婚約者くらいにしてあげてください」
「・・・」
「あの子に限らず、孤児院の子たちは家族の愛に飢えているんです。好きな相手が出来たら全力で幸せにすると思います」
「・・・なんかだましているみたいで・・・」
「もちろん、2年かけて全力でタケルさんを落としに来ると思いますよ?」
「僕はそんな大それた人間ではありませんよ・・・」
「何を言うんですか!この辺の孤児院はみんなタケルさんに助けられました。孤児院だけじゃありません、市場もすごく活気づいていて。子供たちにも慕われているんですよ?」
「それはたまたまで・・・」
「中には神様だと思っている子もいるくらいですから」
「それはいきすぎじゃ・・・」
「みんな大好きですよ?タケルさん」
「ありがとうございます。僕もリアを見るようにします・・・」
「あ、そういう意味では、私も見るようにしてくれると嬉しいです」
「シロさん・・・」
どこまで本気なのか、分からない大人のジョークでタケルはなんだか狐につままれるような気分だった。
「(このままでいいのだろうか・・・)」
おかげさまでついに50話です!
これまでで最長かも。
それでも書きたいことはまだまだあります。
アクセスは総8000を超えました。
励みになっています。
ありがとうございます。
次回から伏線回収が始まります(^^)
明日の更新も朝6時です。
よろしくお願いします。




