↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
31/98

変わりゆく日常1

タケルはちゃんと学校にも通っている。


買い出しをユウナギ、クレアと3人体制にしたので、これまでよりも負担は減っていた。

もっとも、最近では、注文がタブレットで済ませられていた。


タケルの家のプレハブ冷蔵庫に商品は入っている。

それをストレージに入れて、タザー・エリアの市場に商品を配達したり、『バイキング』に配達したりするのが仕事だ。


ユウナギは部活があるので配達は週1回程度、クレアも1回、タケルが2回という割り振りだ。

これで2日に1度の配達なのでお店としても困らない。

ビジネスとしては安定してきていた。


安定しない・・・というよりは激変したのは学校の方だった。

この日、急に席替えが行われた。

別に新学期というわけでもないが、ホームルームの時に教師が突然言い出したのだ。

何か大人の事情があるらしいが、別に語られなかった。


生徒の方は『席替え』という突然降ってわいたビッグイベントに興奮していた。

場所は平等に(?)くじ引きだった。

タケルは真ん中の後ろから2番目という普段はスクールカースト上位の人間がいる場所だった。


ぽつんと座っていると、後ろにギャルが座った。

そして、その隣もギャル。


「わー!やったやった!仁心瑠にこる!隣の席だよ!」


「ちょーうれしい!希星きららと隣の席になれるとはね!」


ギャルらしいキラキラネーム。

名は体を表すと言うが、親がキラキラネームをつけたことで、子供は立派なギャルになったようだ。


そして、右後ろにもギャル。

心愛ここあという名前らしい。

本当にくじ引きかと疑うほどだった。


しかも、左右にはサッカー部の男子。

タケルを挟んで大きい声で会話し始めた。

更に前にはサッカー部。


タケルにとっては次の席替えまで大変な席らしかった。

気配を消そうと考えていたとき後ろのギャル仁心瑠にこるが話しかけてきた。


「あの・・・あんたユウナギちゃんの彼氏さん・・・だよね?」


「あ、うん、まあ」


「マジー!?やっぱ!?ユウナギちゃんって、うちの憧れなんだよねー」


「わかる!チョーかわいいしい、みんなに優しいよね」希星きららが会話に入ってきた。


「なんか弓道の大会で優勝しらしいじゃん」心愛ここあも参戦した。


「かっきー」


「前なんか雨の日にネコ拾ってるの見たし」


「マジヤバくね!?」


「ユウナギちゃんの彼氏さんが近くの席ってやばくない?」


「マジヤバ~」


「あの・・・今度ユウナギちゃんきたら、紹介してよ」


「まあ、いいけど」タケルは若干引き気味に答えた。

どう接していいか分からなかったというのが正しいのかもしれない。


「「「マ!?」」」


「やったー!じゃ、じゃ、うちらオトモダチになってよ!アカ教えて!」


「あ、ズル!うちも!」


「あ、あっしも!」


ユウナギとクラスで騒いで以来、何故かタケルの株が上がっていた。


「彼氏さんさぁ、なにげにテスト学年1位じゃね?」


タケルは驚異的な記憶力と理解力で成績が爆上がりしていた。

この間の実力テストで学年1位となっていた。


「マ!?彼氏さんパネェ、ガリ勉くん!?さすがユウナギちゃんの彼氏さん」


「彼氏さんって話してみるまでトッツキにくい系かと思ってたけど、ふつうじゃん」


「マジ思った。ユウナギちゃんの彼氏さんとオトモダチになったなんて、なんかエモい。ヤバ」


「山田さんさぁ、俺とも仲良くしてよ」さらに割り込んできたのは、サッカー部の川島だ。


ちなみに、『山田さん』は『山田仁心瑠やまだにこる』のことだ。


「俺も俺も!」もう一人のサッカー部、長友も参入してきた。


「ないわぁ、カワシマとかうざいだけだし」


仁心瑠にこるは川島と普段から仲がいい。

川島は山田心瑠にこるのことが好きなのかもしれない。

表情にもありありと出ている。


長友も仁心瑠にこる希星きららを狙っているのかもしれない。

こちらは単に彼女が欲しいだけか。

意外と表情や態度に出るものらしい。


タケルにとっては周囲の人間が多すぎて、会話についていけなくなっていた。

ついでに、前の席のバスケ部渡辺まで参入してきて、わちゃわちゃになっていた。


普段静かに過ごしているタケルにとってはキャパオーバー気味だった。

ただ、久々にクラスの人間と関われてそれほど悪い気はしていなかった。


話しにくいと思っていた人たちも、マティアスのタザーと比べれば全然強面でもないし、日本語も通じる。

市場の人たちの様に生活もかかっていないので、話す内容に責任もない。


考えてみればタケルにとって気軽に話していい相手だった。

そう考えると、少し気が楽になった。

ただ、一つ問題は周囲にタケルの席の周囲が騒がしくなったことだ。


放課後、タケルが帰ろうとしていると、ドアが静かにカラカラと音がして開いた。

ユウナギがちょこんと顔をして教室の中をのぞいている。


「タケルー、いるー?」


控え目に、でも通る声で中を見て言った。

それに山田心瑠にこるが気付いた。


「きゃー!ユウナギちゃんー!ちょっと、ちょっと、ちょっと!彼氏さん!ユウナギちゃん来たよ!」


心瑠にこるがタケルの肩をバシバシ叩いている。


「痛い痛い痛い」


心瑠にこるの取り巻きである希星きらら心愛ここあがドアのところに行って、ユウナギの手を引っ張ってタケルの席まで連れてきた。


「ユウナギちゃん、彼氏さんのところに来たんでしょ?こっちこっち」


「あれ?席替えしたの?」


「そうなの!チョーうけるでしょ」


「うん、チョーうけるね(?)」


ユウナギでも押され気味だ。

ギャル強し。


「うちらユウナギちゃんの彼氏さんの席の近くになったん」


「そー、そー、だからオトモダチになったよ!」


「ユウナギちゃんに紹介してもらおうと思って」


全部ギャル3人で言ってしまったら、『タケルの紹介』とは?

タケルの心配をよそに、ギャル3人は本当にユウナギのことが好きみたいだった。


「彼氏さんとは婚約したってマ!?」


「うん、本当だよ」


「チョーうける!エッモー!」


「なんかトリハダ」


「あと、彼氏さんめっちゃ頭良くね?」


「そうなの、私も負けない様にしないと私捨てられちゃう」


「ユウナギちゃんはかわいいから捨てないっしょ!?もし捨てられたらうちが拾うし!」


「あははー」


終始好意的で、川島や長友、渡辺まで絡んできて混とんとしているが、ユウナギはうまく話

している。


タケルは「さすがユウナギ。リア充中のリア充」と思った。



帰り道ユウナギはいつも以上に雄弁だった。


「タケルってばチョー人気者になってた!」


『チョー』のあたりギャルたちの言葉がユウナギにもうつっていた。


「僕は元々ぼっちだからみんなが周りにいると逆に落ち着かないよ。疲れたし」


「でも、マティアスではいつも周りに誰かいるじゃない」


「あ、そうかも」


「嫌じゃないんでしょ?」


「そういえば」


「単に慣れてないだけじゃない?慣れたら好きになるかもよ?」


「そうかも」


「それにしても、タケルはあんなギャルがお好み~?私もギャルっぽくした方が良い?」


「いやいやいや、ユウナギはそのままでお願いします」


「んふふ」


ユウナギは嬉しそうにしていた。


「タケルがクラスに馴染んでいくのはなんだか嬉しいわ」


「親か」


「私はお姉ちゃんの役も兼ねてるからね」


「僕の方が1か月早く生まれてるし『妹』じゃないの?」


「『姉の包容力』と『妹の可愛さ』を兼ね備えているのよ」


「自分で言っちゃうんだ・・・」タケルは苦笑いだった。


「いいの、いいの」


「でも、『お姉ちゃん』としては、タケルがちゃんと学校に来るようになって嬉しいわ」


「お陰様で時間が出来ました」


「んふふ、素直でよろしい」


運び屋稼業も何かトラブルがあっても『スイッチ』で入れ替わることもできるのでほぼ問題は起きていない。

支払いの問題もタブレット注文にしたので、オンライン決済できるようになった。


「あ、今日はクレアちゃんと食事の日だっけ?」


「そう、そう」


ユウナギも婚約者となったことから、時々クレアの父アルフレットと会う機会を作ってコミュニケーションを円滑にする目的だ。

企画はクレアなのでクレアとユウナギの関係は円満らしい。


筆ならぬ、キーボードが走って既に8話先まで書き上げています(^^)

ネタはまだまだあって、書く時間がないのが悩みです。

ブックマーク登録と評価をお願いします。

励みになります♪


次回更新も朝6時です。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。