ネコミミ令息
あのデタラメ記事を読んでプンスカしていた私だが
気になることがあったのでオリオン様の屋敷を訪ねた
あの、精霊を捕まえて解剖するといった学生の言葉だ
精霊に詳しいオリオン様なら何か聞けるかと思ったのだが
「やあ!とうとう私のお嫁さんになってくれる気になったのかい?」
NO!ロリコン!!
「父上のことは放っておけ
それより○△□、今日はどうしたんだ?」
アルはスルーを手に入れた!
「実は……精霊を捕まえて解剖すれば力が手に入るって言ってる奴らに会ったんだけど……」
どうして会ったとか……夜の悪役のことは黙っておく
「精霊を解剖!?
それは穏やかじゃないね
でも、いい機会だ
アル、○△□ちゃんが会ったという彼等のような主張が最近増えているんだ
テラスで話をしようか?」
テラスに座って、オリオン様の説明を聞く
「我々の使っている魔法は精霊の力を借りているものだっていうのは前に話したね
精霊は私たちが生まれるずっと前から存在していて、
力を貸してくれる友人のような存在なんだ
しかし、最近その精霊を害そうという動きがあるようなんだ
学校の授業でさえ精霊を解剖出来ればなんて物騒なことを言う教授がいるらしいし
嘆かわしいことだね」
「……?結局……どういうことなんだアル?」
「フン、○△□は分からなかったのか?
オレ様は分かったぞ!
精霊は友達で精霊を虐めようとする奴がいるってことだ」
いや、それは私でも分かったんだよ
「なんで精霊を害そうとするんだ?
害は……」
テイルが載っているので頭は重いし……クロは物騒だし……ハチスケはすぐ首を締めてくるし……
そう考えると害ばかりではないか!!
「害はなくはないかもしれないけど……
でも、精霊を虐めようとは思わないけどな」
「オレも……なんで精霊を虐めるんだ?」
「いい質問だね
それは精霊がもたらす恩恵がとてつもないものだからだよ」
……アル、今テイルを見たよな?
ネコミミ精霊のどこが凄い?って目してたよな?
「その恩恵を手に入れられる人間と手に入れられない人間、何が違うと思う?」
「……魔力?」
「……運だろ?運が悪いのが精霊に捕まる」
「……アルのいう魔力も1つだね
魔力が多ければ多いほど精霊から好かれやすい
でも、所詮精霊の気分次第なんだ
それをよく思わない人間がいるってことさ」
「そういう人間は精霊の持つ力を手に入れるためにどうすればいいか考えたんだよ
それが、精霊を捕まえて精霊の生態を知れば自分たちも力を手に入れられる
そう考えたんだよ
愚かにもね」
『本当に愚かだよね
ニンゲン如きに捕まって本性を明かす精霊なんていないのにね』
「昔からそういう思想はあったんだ
でも、表立って活動することはなかった
それがどういう訳か最近は表立って活動してきてるみたいだね
でも、これは由々しき事態だな
この思想は危険すぎる
一歩間違えれば精霊との全面戦争にもなりかねない
……兄上とも話してみよう」
表立ってかどうか分からないけれど
動物虐待の思想は確かに危ないよな
「父上、オレには精霊が見えるけれど
○△□には見えないのも何か理由があるのか?」
そういえばオリオン様は精霊と動物を見分けれたしアルも精霊を見れる……
え?みんな見れるものなの!?
「いや、普通は見れないものだよ
王家に連なる者には……うん、いい機会だし
これも話しておこう
この国の成り立ちについて2人とも勉強したことはあるかい?」
「ない!」
「……ない」
「○△□ちゃん、胸を張って言うことじゃないよ
このウィンダム王国はね
初代の王が精霊の力を借りて作った国なんだ
王は精霊を友と呼び、精霊もまた彼を友と呼んだ
そうして、彼は精霊と人間が共にあれる国をとウィンダム王国を作ったんだよ
初代、王の魔力は尋常な量ではなかったらしく、彼は精霊眼を持っていたと云われている
精霊眼というのはその名の通り精霊を見ることの出来る力だよ
そして、王家に連なる者には偶に精霊眼を持って生まれる子がいるんだ
私がそうだし、アルもそうだね
アルの場合はオフィーリアが精霊に愛されていたことも大きいかもしれないが……」
オフィーリア様を思い出して泣きだすオリオン様
アルがハンカチを貸してあげている
未だにオフィーリア様一筋なくせに何故に私に求婚してくるのか?このお兄さんは?
『そんないいものじゃ……なかったよ……アイツはね……』
……とりあえず、見えなくても問題はないんだな
……よかった……1人だけ見えないとかだと……恥ずかしいし
今日はオリオン様の家で遊ぶことになった
久しぶりにアルと2人きりである
「さっきの話さ
初代の王は○△□みたいに魔力が多かったんだよな」
「え?そうなの?」
「……お前、何聞いてたんだよ?」
「精霊が見えなくても普通って話だったじゃん!」
「そこだけかよ!ちゃんと聞けよ!父上が話してくれたんだぞ!」
いや、聞いてたさ
ただ、あんまり建国の話とか興味ないんだよな
「あーあ、オレも○△□みたいに魔力が多ければ
精霊達と契約できるのに」
「え?アル契約したいの?ネコミミ付けたいの?」
「……悪い、ネコミミはいらない」
「シャー!!」
いらない子扱いされたテイルが怒って鳴くと
アルの頭にネコミミが生えた
「うわっ!テイルやめろって!ネコミミは○△□だけで十分だろ!?」
私もいらないよ
でも、口には出さない
コレ大事!
「○△□ちゃん、晩御飯食べ……アルフォンス!?
なんだい、その可愛い姿は!?え、何?天使!?」
オリオン様、錯乱しすぎ……
オリオン様に頼まれてアルのネコミミ姿も水晶に記録されたことはいうまでもない
「絶対、叩き壊してやる!」
「絶対、守ってみせる!」
こうして親子喧嘩の火蓋がきっておとされたのだった




