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目指せ!悪役令嬢物語!  作者: 真ん中
65/85

ボスは○ョッカーを手に入れた!!

夜になるのを待って

気球に乗ってゆらゆらと

フォンデュ男爵の屋敷へとやって来た


認識の魔法を私とウィルとアンにかける

セバスチャンは気配を消せるので問題ない!

見よ!認識の魔法を使いまくっているお陰でバージョンアップしたのだ!

今なら自分だけなく周囲も認識の魔法で隠すことが出来る!

流石!私だ!


「ボス、そろそろ参りましょう!」


またテイルもといシロが窓の鍵を開け侵入する

あ……そういえばハチスケのコードネーム決めてなかったな

まあ、次の機会でいいや!


屋敷の中はそれほど暗い感じもなく臭いも時折タバコの臭いがする

そんな程度だ

使用人の様子も別に暗くはないが、態度が少し悪い使用人が何人かいる


『………………れ!………………い!………………な!』


『………い!!貴様ら!!…………!!』


1つの部屋から何か揉めているような声が聞こえて来た

使用人達は見ぬふりをしている

扉の影からそっと覗くと


「!!」


そこにはボコボコに殴られた

あの兄貴分と下っ端バルスが縄でグルグル巻きにされたまま横たわっていた


なんで、あいつらが?

その横にはでっぷりとしたお腹のおっさんと神経質そうなおっさんの2人組が立っている

あの、でっぷりとしたおっさんは

アルがあのまま太っていっていたら似た感じになっていたかもな


「お、お前らがあの脅迫状を書いたのは分かっているんだ!

あんなもの書いても無駄だということがまだ分からないのか!」


……オウ!私の脅迫状のせいで捕まったらしい

そういや、あいつらも事情知ってたんだっけ……アハ、忘れてた……


「脅迫状なんて知らねぇよ

なあ、番頭さんよ

そんなに怯えるつーことは後ろ暗い所があるからじぇねぇのか?」


「ううるさい!おお前らのようなチンピラの言うことを誰が信じると言うのだ!」


神経質そうなおっさんが兄貴分を蹴りつける

兄貴分は痛いだろうに不敵に笑ってみせる

下っ端は……ありゃ、気絶してるな


「うるさいのお!全部処分してしまえば良いだけの話だろう?

その為に先生をお呼びしたんだからのお!」


先生?


その時だ!

ウィルもといナイトとルークが私を庇うように前に出る!


カキンッ!


ナイトの爪が何かとかち合う

剣だ!


「まあこんなところにネズミがウロチョロとネェ」


「先生!?一体どうしたので?」


「ナァニ、ネズミがいるものでネェ」


先生と呼ばれた男は尚も剣を振りかざす

キメラ姿のウィルが応戦するが、体の小ささもあり防戦一方だ


バレたものは仕方ない

認識の魔法を解いて、精神を集中する

あれは剣じゃない針だ!針なら魔力で折ってしまえばいい!


でりゃあ!!


ぐにゃり!


「アリャリャ、折れちゃったネェ

なら、今度はコレでどうかネェ?」


男は拳にナックルを嵌めて襲いかかってくる


「っここは私にお任せを!ボスには指一本触れさせはしませんぞ」


ルークが拳を受け流しながら、応戦する


「アハハハ、いいネェ

強い男は好きだヨォ」


先生と呼ばれた男の相手はルークに任せよう


「ななんですか!?フォンデュ男爵!?」


「ははぁ、確かにネズミだのお

お前達、何者か?」


「通りすがりの捕食者です

お前達の闇、貰い受ける!」


クロ!また体を勝手に使ったな!


『いいじゃん!ちゃんと通りすがりって言ったでしょ!

1回言ってみたかったんだよね』


何が言って見たかっただ!


「脅迫状はお前らか!?」


「どうやって屋敷に入ったのかのお

じゃが、入ったからには出すわけにはいかんのお」


フォンデュ男爵は銃を取り出し撃つ


パン!


パァン!


魔力で盾を作る

その間にクイーンが鞭で銃を奪おうとするがなかなか奪えない


そんな時だ縛られていた兄貴分がフォンデュ男爵に突進して行ったのは!


パァン!


撃たれる兄貴分!


「兄貴ィ!!」


下っ端もいつの間にか目を覚ましている


「クイーン!今だ!」


「お任せを!」


「グッハ!」


一瞬の隙をついてクイーンが銃を奪う

その銃を私は魔力で曲げる

もう撃てないように……


「兄貴ィ!兄貴ィ!」


兄貴分から血が流れる

……少しマズいな

今すぐ治療しないと……


「うわああああああ!!」


「ふざけるなぁあああ!!」


「ボス、ここはお任せを!」


「ニャ!」


「キュー!」


「こいつは俺が!」


剣とナイフを持って突進してきた番頭とフォンデュ男爵を

フォンデュ男爵の相手をクイーンが

番頭の相手をシロとハチスケとナイトが引き受けてくれた

その間に私は兄貴分を診る

幸い、弾は抜けているようだ

でも、目が虚で危ない状況なのが分かる


ゼリー婆の言葉が蘇った

『光魔法を使うときは注意おし

これは傷や病を癒すことは出来る

でもね、なくなった体力や血を回復させるわけじゃない

それはまた高度の別の技が必要になる

それにね魔法を使えば大抵の傷も病も治せるが

使い過ぎれば逆に細胞や免疫を酷使させることに繋がって別の病を引き起こすことになるよ

光魔法は他属性の魔法とは違う

使うときは慎重に心して使うんだよ』


今は光魔法を使う時だ

人間相手は初めてだけど

精神を集中して……体内を巡る魔力を感じる……多過ぎれば返って負担をかけてしまうし

少なすぎると治療できない

適量を流して……患部に手を当てて……


「『光よ 古の女神よ 我は願い 乞う 彼の物に癒しの力を分け与え給え ヒール』」


治れ!!死ぬな!!


「ッツ、あ……」


兄貴分の目に生気が戻ってくる


「ふぅ……」


なんとかなったようだ……


「あ、兄貴ィ!!」


下っ端は涙だけでなく鼻水まで流している


「ボス、こっちは終わったぜ!」


ハチスケがグーンと伸びて番頭を締め上げている

その上にシロとナイトが乗っている


「ボス!こちらも終わりました!」


クイーンの声の方を向くとこちらもフォンデュ男爵がムチでグルグル巻きにされていた


あとはルークだけだ!


「アハハ、アーアあいつら捕まっちゃったんだァ

つまらないなァ

おじいちゃん、またあそぼーネェ」


ボンッ!先生と呼ばれた男は煙玉を投げると消えようとした


が、


「行かせませんぞ!」


我らがルークが負けるわけがない

逃げようとした男の腕を掴むと華麗な一本背負いを決めた!


流石はルーク!!


「アハハ……アーア、見誤っちゃったネェ

なあーんてネェ、バイバーイ」


そう言うと、男は霧のように消えていった


オイオイ、今のなんだよ


『アイツ……』


え?何?クロ、思わせぶりなんだけど……


『……なんでもないよ

ごはん食べていい?』


なんでもないって声じゃないけど……


クロが実体化し闇の剣が現れる

それをモゴモゴと暴れている番頭に突き刺す


「何をしてるんだ!?

止めろ、止めろー!」


そこからはいつものお食事タイムである

闇の剣から溢れ出す黒靄が番頭を覆う


「ヒッ!か、金ならいくらでもやろう!

い、命だけは!わしにはあの方が!」


何か喚いているフォンデュ男爵にも闇の剣を突き刺す


「ああ……ああ……」


黒靄がフォンデュ男爵も覆う


「あんた達何者っスか!?

兄貴、兄貴は殺させないっス!」


下っ端が縛られたまま兄貴分を庇うように前に出る

いや……別に殺さないし


「うわぁあああああ!!私はなんという過ちを!!

ご恩のある大旦那さまやお嬢様に!!うわあああああ!!」


あ、番頭が覚醒した!


「わ、わしは、なんと、いう、ことを……

あの方の命令とはいえ……何の罪もないキグナス商会を嵌めて

あまつさえ人殺しさえ依頼するなんて!!」


フォンデュ男爵も覚醒したらしい

でも……あの方って?


「え?死んだんじゃ?」


「殺しはしない

殺したって罪は消えないからね」


だ・か・ら・クロ

勝手に体を動かして話すな!

それになんだよ!?

罪は消えないから……ってあんたがご飯って言うからでしょ!?

なんでカッコつけてんのよ


『これも必要なことなんだって』


なにが必要だ?


ちょ!何をするんだよ!?


クロは勝手に体を動かして仮面を取る

オイオイオイオイ!!!


「!あんたはあの時のガキ!?」


「約束覚えてるわね

あなた達にはうちの構成員になってもらうわ」


ええ!?構成員って何!?


『雑魚な敵キャラのことだよ

君の大好きな悪役でいうなら○面ライダーの○ョッカーとかかな?』


いや、それは知ってるし!

何でって話で!


「詳しいことは明日話すわ

付いて来なさい

もうすぐ騎士団が来るわよ」


なんですと!?


『これだけの騒ぎになって使用人が通報してるに決まってるでしょ』


それを早く言え!

よし!体の自由が戻った!


「クイーン、ルーク、ナイト、シロ、ハチスケ!引き上げるぞ!」


気球にいつものメンバーと兄貴分と下っ端を乗せてフォンデュ邸から離れる


「騎士団だ!不審者がいるとの通報を受けた!!」


「おお、騎士様、お聞きください、私は何という罪を!」


「わしもです

わしも罪を犯しました!

どうか捕まえてください!」


やべー、危機一髪って感じ?


兄貴分と下っ端は眠らせてゼリー婆の診療所の前に投げておく

ゼリー婆ならあれだけ悪態をついて暴れた輩でも手当してくれるだろう


「ボス、敵を逃してしまいました

申し訳ありません」


ルーク、眉間の皺が凄いことになってるぞ


「あんな消え方されたら無理だから気に病まなくていい

次は捕まえてやろう、な?」


「はい、命に代えましても!」


いや、命に代えなくてもいいよ

命大事!


一抹の不安を感じたが、屋敷に帰り、眠った


次の日、ゼリー婆の診療所に行くと兄貴分と下っ端がベットに寝かされていた


「よお……クソガキ、昨日ぶりだな」


まだ顔色は良くないが意識ははっきりしているようだ


「あ、兄貴、助けてもらったんっスから」


「ちょっと、ツラかしな」


兄貴分について裏路地に行く


「昨日のことは礼を言う

だが、どういうことだか説明してもらおうか?」


『どういうこともこういうこともないよ

見たまんまが全てさ』


クロが実体化して黒靄になる


「ヒッ!昨日の!」


下っ端はビビっているが、兄貴分は私の方を睨みつける


『この姿では昨日ましてだね

ぼくは闇の精霊

そして、彼女はね

ぼくのご飯のためにあくせく働いているのさ』


「テメェのメシだと?」


『そう人の強い感情だね

ひときわ美味しいのが心の闇だ

ふふふ、君もいい闇を持っているね』


クロさんやい

あなた昨日ご飯食べたばかりだろ?


『さて、君たちに選択肢をあげるよ

1つは僕らの手下となり闇の情報を集めるか

もう1つはここでぼくに食われるかどっちがいい?』


それって選択肢の意味ないよな


『さあ、どうする?』


「あ、兄貴ィ、どうしやしょう!」


「怯むな!精霊如きで怯むんじゃねぇ!」


「で、でも!」


「テメェは言ったな

今回の件を片付けたら願いを聞けと

これが願いなのか?」


『ぼくもこの子も高貴なものでね

なかなか街に降りてこれないし、事件の情報も集まらない

その点、君たちなら集められるだろう?

危険を犯せとは言わない

ただ、情報を集めて提供してくれるだけでいいんだ

いい話だと思わない?』


いや、ほぼ毎日街に遊びに来てるよね

それにその話、絶対裏があるからいい話じゃないよね


「ッチ、受けてやらあ!

俺らゴーストビーストが今日から傘下に入ってやるよ

おい、ガキ名前は?」


「○△□だ」


「○△□か……フォンタナー家の娘が同じ名前だったな

それで連絡方法は?」


『君にぼくの力の欠片を与えておくよ』


クロはそう言うと黒靄の一部を引きちぎった

引きちぎられた黒靄は丸まった後、梟の形になった


くろがねだよ

ぼくの一部だ

情報がある時はこいつに情報があることを伝えてくれれば

こいつが君の居場所を教えてくれるから』


鉄かぁ、クロ本体より絶対可愛い

私もこっちがいいなー


『面倒いから嫌』


ですよねー


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