すっぽんぽんか否か
「お嬢様、問題がございます」
「なんだアン!」
「お嬢様はどちらへ乗り込むつもりですか?」
「そんなのフォンデュ男爵の所に決まっているだろう?」
「それですと番頭が残ってしまいます
ここは番頭諸共、一網打尽しなくては!」
アン……前から思ってたけど
あの衣装嫌がってた割にノリノリだよな
「帰り道にキグナス商会によって番頭を刺せばいいんじゃないか?」
「私達は番頭がどんな顔をしているのかも知りませんよ」
…………
「キグナス商会の全員もクロのご飯にしてしまうのはどうだろう!」
『別に食べてもいいけど……商人ってのは多少の闇をかかえてないと成功しない商売だよ
キグナス商会を潰したいっていうなら止めないけど』
それもダメか……
色々面倒臭いな
『ボクのごっはん!ごっはん!』
ああ、もう面倒くさい!
それに困っている人を助けるとか正義の味方っぽくて嫌だ!!
そうだ!
「セバスチャン!脅迫状の準備だ!」
「は?脅迫状!?」
「キグナス商会に脅迫状を送りつけろ
番頭の罪の証拠を握っている
バラされたくなかったら今日の夜中に墓場にて待つと
で、フォンデュ邸の帰りに墓場に行って番頭をクロに食べさせて終わり!
どうだ!なんか悪役っぽいだろう!」
「……悪役っぽいって重要か今?」
「何を言うウィル、悪役の美学を守ってこその美しさが分からないとは
ふぅ、ウィルはお子様だな」
悪役の美学が分からないとは……嘆かわしい
「5歳児にいわれたくねぇよ」
「ではお嬢様、早速脅迫状を出してまいります」
「うん、あ、脅迫状は足がつかない様にすることも忘れるな」
「勿論でございますとも!それでは行って参ります」
セバスチャンが出掛けるとウィルに前回作ったベストとパンツを渡した
「オイ、お嬢一応聞くがこりゃ何だ?」
「ウィルの悪役服だ!
自信作だぞ!」
「……なんで俺だけベストと下着だけなんだよ
こんな格好じゃ変態じゃねぇか!」
「何を言う!?
キメラモードに合わせた衣装だぞ!
それともあれかキメラモードになった時はすっぽんぽんでいたいと
そう言うわけなのか!?」
それは……変態だ……
だが……ウィルがそうしたいというなら否定するわけにも
「ちっがーうっつーの!
なんで、キメラモードなんだよ
人型でいいだろ?」
「ダメだ、それじゃ面白くない
夜についてくるつもりならキメラモードしか許さないからな」
で、ゆくゆくはウィルに乗って移動するんだ!
「アンの前ですっぽんぽんでいたいのか
そうか、そうか!だ、そうだが、アンどう思う?」
「へっ!?
いえ、その私はキメラ型の方が可愛くていいと思います」
アンはウィルのキメラモード好きだもんな
「だー!!クッソ!着ればいいんだろうが着れば!
クッソ!覚えてろよ!このクソガキお嬢!」
「はっはっは、最初から素直に着ればいいものを!
それとウィルのコードネームはナイトだから間違えるなよ」
セバスチャンが戻ると番頭の様子を報告してくれた
キグナス商会に脅迫状を貼り付けてきたらしい
番頭は「誰がこんなデタラメを!」と憤慨していた様だったが
その後、いそいそとフォンデュ男爵邸に向かって行ったとのことだった
好都合だな
「それじゃあ、今日も行きますか!」




