マイスイートハート!
自分の世界に入っていったアルは放っておいて
私は癒しともいえるマイスイートハートのところへ向かった
1歳になった双子ちゃんは悪戯盛りである
レイチェルは目を離すとすぐ何かに登っていたり口に入れていたりやんちゃ盛りだ
シリウスは私が近づくとレーダーでもあるみたいに察知してすぐ泣く
泣きたいのは私の方だ
なんで可愛い弟に泣かれにゃならんのだ!
シリウスはテイルや目を離すと庭に出ていたり、厨房に行っていたりと
これまた目を離すと危ないのである
「レイチェル!シリウス!姉様だよ」
「ねー」
「ふぎゃあああ!!」
レイチェルは姉と呼んでくれるのに……
シリウス、何故なんだ!?
「シリウス、どうしたの?
あら、○△□ちゃんアルとお庭で遊んでいたんじゃないの?」
母がシリウスの泣き声を聞いて部屋を覗き込む
シリウスを抱き上げると離せと言わんばかりに泣きわめき暴れる
流石のお姉ちゃんもめげちゃうよ
「おい、○△□!シリウスを離してやれよ」
横からアルがシリウスを抱きかかえるとピタッと泣き止むシリウス
……シリウスやい
お姉ちゃんの何がダメなんだい?
シリウスは生まれてからずっと私に懐く気配がない
……もしや、シリウスも転生者で転生者同士拒んでいるとか?
…………ないな
「ねー」
足にレイチェルが掴まって立とうと足をプルプルさせている
天使、天使がここにいる!
レイチェルは私にもよく懐いてくれている
私を見ると「ねー」と言ってくれるし
母を見ると嬉しそうに笑うし「マー」と言う
おしゃべりも上手である
この天使を映像で収められたら!
……この世界には写真や映像を記録する機械がない
魔法ならあるらしいのだが……光魔法の分野にはいるらしく使い手が少ない
『ボクが手を貸してあげようか?
勿論、お礼は貰うけどね』
よし!乗った!
天使達のこの姿を記録できるならクロの食事など些細な問題だ
『なら、水晶を買ってきてよ』
何故に水晶?
『記録したいってことは残したいんでしょ
水晶の中に映像を入れてあげるよ
そうすればいつでも見れるでしょ?
ふふ、ぼくって頭いい!』
天才だな!
早速水晶を買いに行こう
「ねー!!」
おっと、レイチェルを抱っこしたままクロと話をしていたからレイチェルが拗ねている
レイチェルにはクロの声は聞こえていないはずだが……
……あれか、抱っこする時は自分に集中してほしいという所謂嫉妬!
いやーん、どうしよう!お姉ちゃん照れる!
「だあ!」
べちん
レイチェルに突っ込まれた
アルにあやしてもらって喜んでいるシリウスの笑顔をちょっと離れた場所で見ながら
輝かんばかりの笑顔を見せてくれるレイチェルと遊ぶ
それは、天使達がお昼寝の時間になるまで続いた
「なあ、やっぱりシリウスくれよ」
「誰がやるか!
……なあ、シリウスとレイチェルの映像を保存する方法をクロが教えてくれるらしいぞ」
「マジか!?」
「マジだ!
その為に水晶がいるらしい」
「買いに行こう!今すぐに!」
即決である
セバスチャンに馬車を用意してもらって街に出掛けることにした
「はー?闇の精霊にまた何か頼んだのかよ?
毎回懲りねえなあ?」
付き添いのウィルが悪態をつく
「馬鹿め!うちの天使達の映像を残せるなら後悔はない!」
「いや、後悔するの俺達なんで……」
「なんで、クロに頼むと後悔するんだ?」
アルが不思議そうに聞く
馬鹿め!アルにはクロのご飯調達の件は内緒なのだ!
うっかり口を滑らしそうなウィルに突っ込み
「ささあ、ななんでななんだろうな?」
「……○△□、オレに何か隠してないか?」
「ない!」
嘘である
「お嬢様、アル様
行き先は雑貨屋がよろしいのでしょうか?
それとも宝飾品を扱うお店の方がよろしいですか?」
アンが話を変えてくれる
ナイスアシストだ!アン!
「水晶なら宝飾品を扱う店の方がいいかもな」
と言うわけで宝飾品を扱う店に向かった
色とりどりの宝石や指輪などの宝飾品が飾られている
「うわー、凄いな」
クロ、お目当はどれだ?
『水晶ならどれでもいいよ』
1個あたりどれくらいの時間が撮れるんだ
『映像なら10分、君のいう写真っていうやつでいいのなら100枚くらいイケるかもね』
「この店にあるだけの水晶をくれ」と言いたいが
おこずかいは限られている
今年から厨房のお手伝いだけじゃなく庭師のじいちゃんのお手伝いも始めたので
去年よりは多いが……
1cm程度の1番小さな水晶を購入した
アルは3cmの水晶を2つを購入した
くそ、大公家はやっぱり金持ちなのか!2つも!
私もおこずかいさえあれば!
『ショボッ」
ショボ言うなクロ!
早速、帰ってお昼寝中の天使達の寝顔と
お昼寝後のご機嫌な天使達の様子を水晶に記録した
『ふぃー、コレでいい?』
何回も再生可能なのか!?
『食いつくねえ、水晶が割れない限り大丈夫だよ』
「オレのも頼んでくれ」
アルのもよろしく
『えー、ちょっと今回のごはんは割増してよ』
アルの水晶にも映像を入れるクロ
「あと、同じものをこれにも」
アルはさっき買った2つ目の水晶を取り出してそう言った
「同じ映像撮らなくてもいいだろう?」
「これはオレのじゃないアインのだよ
あいつだけなかったら拗ねるだろ?アイツ」
ああ……
アインのあの容姿を利用しての駄々をこねる様子が目に浮かぶ
『なんで俺だけないんだよ!
ふざけんな!俺もシリウスとレイチェルの映像よこせ!
やだやだやだやだ!!』
とか手足バタバタさせて言いそう……
中身は私たちの中で1番年上なんだけどな……
後日、アルからアインに水晶は手渡された模様で
イアンから私に数え切れないほどの水晶が送られてきた
え?これ全部に入れろと?
特に手紙も何もついていなかったので
ありがたく頂いておいた
映像は父や母にも好評で
「闇の精霊様は凄いのね」
と感心されていた




