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目指せ!悪役令嬢物語!  作者: 真ん中
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精霊探し

それはゼリー婆とうちの庭でお茶をしていた時のことだ


「ここは空気がいいね」


「空気が良い?」


「空気が澄んでるっていうのかい?

精霊様のお力のおかげかね」


……いや、頭の上で丸くなっているのと

私を虎視眈々と食べようとしている罰ゲーム的存在が!?


「……多分、違うと思う」


絶対違うと思う

あ、いや、うちで今も加護を与えてくれている鋼の精霊は別だよ

彼?彼女?はよく働いてくれている


確かにうちの庭は普通ではないかもしれない

母が植えた花は季節関係なく咲いていることも多いし

野菜も美味しく育ってくれている

それはもう立派に!

……てっきり、調理してくれている器具に

鋼の精霊の加護がついているからだとばかり思っていたけれど

……違うのか?


「お前さんが教えてくれた石鹸だけどね

量産する目処がついたよ

これから手洗いや体を洗う習慣を伝えていくところさね」


「おお!よかった!」


うちでも石鹸は好評である

リリアナ様やアイン経由で王族でも評判がいいようなので

これは期待できるだろう

特にアルは母親を流行病で亡くしているので流行病を予防できる石鹸をとても喜んでいた

オリオン様など感激して是非!うちの嫁に!とまた恐ろしいことを言うので

父にオリオン様怖い!とチクっておいた

また暫くは我が家に出入り禁止だな


ゼリー婆が帰ると庭を探索し始めた

確かにこの庭はおかしい

ヒマワリとツバキが一緒に咲いていたり……

スイカやリンゴがなっていたりと……

てっきり異世界では何でもありなのかと思っていたのだが……


『精霊の力を感じるね』


「ナーオ!」


……また精霊か……今のところ罰ゲーム的要素しかないんだが


「よお!って何してるんだ?○△□!」


「おお!アルちょうどいいところに来た!

精霊探しをするぞ!」


遊びにきていたアルを捕まえて精霊探しに同行させる

アルは小さい頃に精霊と遊んでいたせいか精霊が見える時もあるそうだ

私は精霊が実体化していないと見えないのでメガネがわりである


「精霊ってこの屋敷、いくらでもいるだろう?」


「何を言っている?テイルとクロと鋼の精霊以外だぞ?

そんないるわけが……」


「……お前、分かってないのか?」


「何がだ?」


全くアルのくせに訳の分からんことを!


「お前、最近どこかに出掛けてたよな」


「うん?お祖父様のところに行ってきたぞ

アルにもお土産をあげたじゃないか!もう忘れたのか?」


「いや、忘れてないし

その時、何かしただろ?」


「いや、特には……?」


ちょっとばかりドラチェット邸にお邪魔したり、B級グルメ開発にいそしんだり

お祭りを開いたぐらいだよな……


「絶対、何かしてるだろ

じゃなきゃ、精霊がそんなについてくる訳がない」


「精霊が?ついてきているだと?

どこだ!?どこだ!?」


「この屋敷中にいるじゃないか

気づいてやっていたわけではないのか?」


あちこち探してみるが見つからない

……石の下からダンゴムシやナメクジは見つけたのに……


「いや、今もテイルと遊んでるし」


「何!?テイルには見えているのか!?

私にも見せるんだ!」


テイルはイヤーだよと言わんばかりに首を振ると

頭から降りて屋敷の中に入って行った

またシリウスのところだな

テイルは最近シリウスのそばにいたがる

シリウスもテイルが気に入っているようでキャッキャと喜んでいる

……相変わらず、私が近づくと泣くのに……猫耳精霊に負ける私……


「振られたな」


「断じて違う!」


「今、多分この屋敷が王都で最も精霊に祝福されている土地なんじゃないか?

あの体の弱かった父上もこの家に来るようになって大分丈夫になってきたし」


「そういえばオリオン様、出会った頃の病弱ぶりが嘘のように最近冗談も言ってくるもんな」


「……いや、あれは多分本気だ」


「……そりゃダメだろ?」


「…………」


目をそらすアル

アルもヤバイと思っているんだな

私もアルみたいな息子はいらないから安心しろ


「でも、変だな

精霊達がこんなに生き生きしてるのに○△□は気づかなかったのか?」


「全然」


「……闇の精霊の力が強すぎるせいか?

いや、他の要因の可能性も……いや、でも○△□が領地から帰ってきてから増えたしな」


考え込んでしまったアル

こうなるとなかなか帰ってこない

おーい、アルやーい!

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