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目指せ!悪役令嬢物語!  作者: 真ん中
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不幸少年のヒミツ

今朝の新聞の見出しは


『大勢の子どもの誘拐事件!?

深夜に子どもが騎士団詰所に連れてこられていた!?』


なんとも変な見出しである

なんでも、今朝、起きると子供が寝ていた場所には壊れた人形があり、子どもがいない

慌てた保護者から騎士団詰所に連絡が入ったところ

騎士団詰所には多くの子ども達が眠っていたというところらしい


「お嬢様……」


「……うん」


ヒューストン家のエイミーちゃんも今頃無事に家に帰っているだろう

あと、テオとメオとウィルも


『ねえねえ、あのウィルって子

ボク欲しいなー』


あげません


『えー?なんで?あんな不運の星に生まれた子ども助けてあげるのが人助けだよ?』


……ほんとのところは?


『あの子ども事件に愛されてるから側に置いとくと

良質のごはんがたべられそうなんだよね

今朝、キミの母親と父親が言ってたでしょ

護衛が必要だって!ねえ、欲しいなー』


却下!


「お嬢様、闇の精霊がまた何か申しておるのですか?」


「昨日会ったウィルが欲しいんだって」


「……それは生贄ということでしょうか?」


「いや、そんな物騒なものじゃなくて私の護衛に欲しいらしいよ」


セバスチャンが心配するので事件に愛されてる云々は置いておく


「お嬢様の護衛があの子どもに務まるでしょうか?」


「無理だと思います」


アン、断言するね


「ですが、昨今王都も物騒になってきております

護衛を増やすのも得策かと存じます

一度、かの少年に聞いて見るのも手かもしれませんな」


という訳で孤児院に行ってみた


「俺が侯爵家に仕えるってことか?」


意外にウィルは乗り気だった

てっきり断られると思っていたのに……


「ええ、それ相応の勉強はしてもらいますが

賃金は保障いたしましょう」


「…………行く」


『ほらね』


なんで!?


その理由は馬車の中で判明した


「あのさ、お前ら昨日みたいなこといつからしてるんだ?」


はて?昨日のこととは?


「とぼけるなよ!昨日の蜘蛛のやつだよ!」


「なんのことだ?私は良い子なのでベットでぐっすりだったとも」


え?昨日のことは夢ってことになってるし

仮面で顔は隠していたはず!?

だから、バレるはずはない……よね?


「……匂いでわかるんだよ

昨日もこの間も変な格好してたけど匂いは一緒だった」


……鳥の獣人はそこまで鼻が発達していないはずだけど……?


「俺は……俺は鳥の獣人じゃない」


「え?羽根生えてるのに!?」


『キメラだよね』


珍しく、クロが黒靄の状態で現れ口を開いた

ちょ!?今、ウィルがいるってのに!?


「……そうだよ

……俺も喰うのか?」


ええ?ちょっと話の展開についていけないよ

そもそもキメラって何さ!?


『良い感じに体に闇を抱えているよね

……でも、まだ食べ頃じゃない』


「結局、喰われるのかよ……

……でも、その方がいいのかもな

……俺もいつあんな風になるか分かんねえし……」



「アン……話についていけないのだが……どういうことなんだ?」


「お嬢様……空気を読んでください」


「いや、読んださ

シリアスな雰囲気ってことは伝わってきたけど……さ」


『ついてこれていない○△□の為に

ボクが解説してあげよう!もちろん有料ね』


おおー!クロ先生よろしく!


『彼、ウィルくんは自然の摂理に反する存在

キメラなのさ』


「先生!キメラってなんですか?」


『キメラっていうのは様々な動物が掛け合わされた存在、合成獣ってことだよ』


「ごうせいじゅう?」


「ちょっと待ってください!合成獣など存在しないはずでは!?」


アンが驚いたようにそう言った


『うん、自然の中では生まれない

誰かが人工的に作ったんだろうね

その人工的につくられた存在、それがウィルくんってわけさ』


「えーっと先生!ウィルは人造人間ってことですか?」


『そうなるね

異物で異質だから、闇に捕まりやすいのさ

で、事件を呼び寄せてくれる』


「俺は……キメラだ

だから、鼻が人の数倍効く

お前らのことも最初から気づいてた」


なんですと!?


「合成獣などおとぎ話の存在の筈では!?」


「おとぎ話なら……どれだけ良かったか……

どうすりゃ、信じるんだ?変身すりゃ、良いのか?」


ボンっ!


そこにいたのは……子犬に羽根とトカゲのような尻尾が生えた


「……可愛い」


アンがそう言うのも無理のない愛らしい存在だった


「どこがキメラだ!?」


合成獣というからもっと格好イイのを想像したのに!


「子犬に羽根と変わった尻尾が付いてるだけじゃないか!」


「犬じゃねぇ狼の顔に虎の胴体、爪と羽根は鷲、尻尾は蜥蜴だ」


「大して変わらないだろう!」


「ちげぇだろ!」


「あの、ウィル様抱っこしても構いませんか?」


「はぁ?何言って!?」


「……はぁ……可愛い」


「やめろ!撫でるな!」


アンに抱っこされている姿はどう見てもぬいぐるみだ


『今は子どもだからね

もうちょっと大きくなれば乗れるようになるよ』


マジか!?


「お前らの側にいれば俺が暴走した時に……あの剣でなんとかしてくれるんだろう?

孤児院は居心地が良かったけど……いつヴォルフやタオ達を傷つけるかと思うと……」


いや、傷つけるとかより可愛がられて終わりだろ?


「それに俺を造った奴は俺を狙ってる

アイツなら孤児院に火を放つとかしかねない……」


ちょっと待てうちならいいとでも言うのか!?


『ね?トラブルメイカーでしょ?

保護が必要でしょ?

それとも研究所に売る?儲かるよ?』


研究所の言葉にウィルが震える

この姿で震えられると罪悪感ハンパないな


「売らない

でも、護衛っていうより私達が護衛する側じゃん」


「俺強いぞ!」


嘘つけ!


とりあえず、こうしてウィルが護衛見習いになった

ウィルはセバスチャンから体術をマイヤーさんから立ち振る舞いを学んでいる

体術は筋がいいと褒められているが立ち振る舞いは私と同じく落第生だ

アルとアインはウィルと孤児院であったことがあったらしく

驚いてはいたが、すぐに馴染んでいた

母と父も驚いていたがすぐ受け入れてくれた

父はウィルの顔を見て驚いていたようだが……?


「お嬢、今日は王宮に行く日だろうが

とっとと起きろってか手間掛けさすな!」


「いやだぁ、今日は頭いたになる予定なんだよ」


「仮病宣言すんな!奥様も心配するだろうが!」


「王宮には行きたくないんだ!布団を引っ張るな!」


「我儘言ってねぇでとっとと起きろ!」


「い・や・だ!」


とても護衛と思えない口調だが、なんだかんだとウィルも我が家の1員になった


「2人とも何を騒いでいるのですか?

お嬢様は早く起きる!ウィルは朝食の準備を手伝う!」


「「はい」」


結局、2人のしてアンに怒られた……のは言うまでもない

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