NO!ホラー!
今日はエイミーちゃんがお泊りに来る日!
もう朝からソワソワだ
初めての友達との初めてのお泊まり会
もう!夜には何をしようか!
手持ち花火を開発してみたから一緒にしてみるのも楽しそうだ
枕投げは……2人じゃつまんないな
でも、ベットでトランポリンごっこしたり
箒に乗って空を飛ぶ、魔女ごっことかしたら面白いんじゃないだろうか?
魔力で実際に浮かしてしまうのも面白いかもしれない
「お嬢様、落ち着いてください
待ち遠しいのは分かりますが、今はお行儀の授業の最中ですよ」
「……そんなに私の授業はつまりませんか?○△□嬢?」
マイヤーさんの雷が落ちたのは言うまでもない
「アン、エイミーちゃんはまだかな?」
「まだ、昼にもなっておりませんよ
エイミー様がいらっしゃるのは昼過ぎでございましょう」
「アン、エイミーちゃんはまだかな?」
「……先ほど、同じ質問をされたばかりですよお嬢様」
だって、待ち遠しいんだもん!
しかし、待てども待てどもエイミーちゃんはやって来ない
「なあ、アンもう昼過ぎになったと思うんだが……」
「馬車が遅れているのかもしれませんね
ほら、動かない!エイミー様みたいな髪型にするのでしょう」
そうなのだ!私もエイミーちゃんに憧れてドリルヘアーになってみようと思ったのだ!
エイミーちゃんきっと驚くぞ!!
……………………
「アン……もう夕方だよな
エイミーちゃんに何かあったんじゃ?」
「ヒューストン家に問い合わせてみます」
アンが急ぎ出て行く
……ヒューストン家からはフォンタナー家に向かったとの報告があった
でも、うちには着いていない
もしかしたら、ヴォルフに会い孤児院に行っているのではと
アンに馬車を出してもらい孤児院にも行ったのだが
「ヴォルフ、エイミーちゃん来てなかった?」
「来てたぞ
昼前に○△□ん家に泊まりに行くって言って帰ったぞ」
「いや、うちに来てないんだけど」
「え?」
「え?」
これは……ひょっと……して
その時、洗濯物を抱えたシスターが顔を出した
「ヴォルフ、ウィルを見ませんでしたか?」
「見てないぜ
帰って来てないの?」
ウィル?
「ああ、○△□は知らないか?
最近、来たやつで鳥の獣人なんだぜ
羽がさ、スゲェカッコイイんだ」
「へぇー、そんな子いたんだ」
そういえばアインが新しく獣人の子が来ていたと言っていたな
「○△□が来てた日、丁度あいつ騎士団に行ってたんだよな
で、シスター、ウィルがどうした?」
「いえ、晩御飯のお使いを頼んだんだけど……おかしいわねぇ
そういえば最近、子どもが消えるとかって噂があったけど……まさかね」
……オイオイ、それってひょっとしなくても……
「誘拐か……?」
「マジかよ」
いや、ひょっとして何処かで遊んでいるだけなのかも……
でも、エイミーちゃん約束を破るような性格じゃないよな
少しの付き合いだけど、それだけは分かる
「誘拐だとしたらゴブゴブ団の出番だな!」
「ヴォルフ……喜んでないよな?」
「当たり前だろ
この前の事件で懲りてるよ
でも、エイミーとウィルが消えたんだぜ
放っておけないだろう?」
「確かに……放ってはおけないけど」
「ゴブゴブ団を招集する」
「今日はアインとアルは来れないよ」
アインは別の孤児院に訪問しているし
アルも今日はオリオン様と王立図書館に行っている
「アルがいないのは痛いけど
俺たちだけでも何とかしないと!」
なんか……今回はなんとなーくヤバそうな気配がしている
どうも、影がざわついている気がするのだ
集まったのはヴォルフ、テオ、メオと私だけだった
「ルノとタオは今回は危ないから留守番組だ」
「丁度あいつらお昼寝してるしな」
「起きたら泣きそうだけどな」
「で、○△□それ誰だよ」
私の背後に立つ、アンとセバスチャンを指してヴォルフが言う
「うちのメイドのアンと執事のセバスチャンだ」
「アンシェリーと申します
いつもうちのお嬢様がご迷惑をお掛けしています」
「セバスティアンと申します
お嬢様のお目付役を務めております」
「なんか今回はヤバそうな気配がするから呼んでおいた」
……クロが舌舐めずりしてる気配がするんだよ!
「ヴォルフ、誘拐なら……俺達だけじゃなくて大人が居てくれた方がいいぜ」
メオが意外に冷静だ
「そうだな……俺たちだけじゃ○△□が暴走した時に止められないもんな」
オイ、私が暴走する前提か!?
とにかくゴブゴブ団と街で情報をあつめることになった
ヴォルフとテオとメオには一応加護縫いのハンカチを渡しておいた
今回は厄除けの加護縫いだ
「それじゃ、孤児院で落ち合おうな!」
ヴォルフ達と別れてアンとセバスチャンと私だけになる
「お嬢様……」
「アンとセバスチャンも情報を集めてくれ」
なんか嫌な予感がするんだよな
「お嬢様は……」
「今回は無茶はしない
約束する」
背筋がゾクゾクするっていうか、出来れば関わりたくないっていうか……
「約束ですよ」
セバスチャンとアンが街中に消える
さて、私も行くか
街中で子どもが消える噂について聞き込んだ
一つ、消える子どもは私ぐらいからアンぐらいまでの子どもで小さすぎる子どもは消えない
一つ、消えた子どもはふらっと帰ってくることもあるらしい
ただし、ぼーっとすることが増えたらしい
帰ってくることもあるというか殆ど帰ってくるので噂だけですんでいるみたいだ
消えた子どもに話を聞きたいところだが
そこまで聞くと怪しまれた……失敗
とりあえず情報を仕入れたので孤児院に帰るとヴォルフとアン、セバスチャンだけだった
「テオとメオは?」
「まだなんじゃないか?」
……暫く待ったがテオもメオも帰ってはこなかった
とりあえず街で聞き込んだ情報を伝える
セバスチャンが掴んだ情報は
『ヒューストン家の馬車が森の中に入って行くのが目撃されていた』ということだった
アンが掴んだ情報は街で流れている噂についてだった
『最近、森の中で子どもを食べる魔女がいるらしい』という噂だった
ヴォルフは消えて戻って来た子どもに会ったそうだ
でも、その子どもは会話にならず、ずーっと外を見ていたらしい
「あいつとも、何度か遊んだことあるけどさ
あんなぼーっとしてる奴じゃなかったんだよ
絶対おかしい!」
そんな中、テオとメオが帰って来た
「テオ!メオ!どうだった?」
「………………」
「………………」
ヴォルフが尋ねてもテオもメオも答えない
それどころか表情ひとつ変えない
まるで人形みたいだ
『人形みたいじゃなくて人形だよ』
クロが影の中から囁く
人形って……?
テオが口を開いた
「……エイミー……も……家に……帰った」
「おい!何かわかったのかテオ!」
ヴォルフがテオに摑みかかる
「………………」
「おい、なんとか言えよ!オイ!いい加減にしろお前!」
ヴォルフがテオを殴る
ゴロン!
「!!」
テオの首が転がった
「ッヒィ!!」
思わず、口を抑える
でも、テオの首からは血が一滴も出ていない
それどころか
「…………」
「…………」
メオがテオの首を拾うとテオの胴体にまた置くではないか!
『だから言ったでしょ
人形だって……』
……いや、こういうホラー系苦手なんだよ
気持ち悪い
『へぇー、いいこと聞いたな
コイツラは闇の力で動いている人形さ
ヘタな人形だよね
こういう不恰好な人形作るのは雑魚だけど……どうする?』
どうするって?
……決まっている
クロ、ヴォルフを眠らせて!
『はーい』
「ヴォルフ、ごめん!」
「○△□、何を……」
倒れこんだヴォルフをセバスチャンに任せ
私はクロが具現化した闇の剣で偽テオと偽メオを突き刺す
「グギャギャ」
「ググギャ」
ガシャン!
ガシャン!
崩れ落ちたのは白い人間大の大きさの人形だった
……不気味……
「お嬢様、これは!?」
「何者かが子どもを攫って代わりに人形だったをよこしているようだ」
「では、エイミー様はまだ!」
「攫われたままだと……思う……というか
クロがそう言っている」
「そんな!」
「クロ……エイミーちゃん達が何処にいるか分かる?」
『コイツラの魔力は微力すぎて辿れないけど
○△□の魔力なら辿れるよ』
私の魔力?
『さっき渡してたでしょ
超強力な加護縫い付きのやつ』
ああ……そういえば渡した
『あれなら追えるよ』
「じゃあ、早速乗り込むぞ」
可愛いエイミーちゃんを攫った罪と気持ち悪い人形を見せた罪は重いんだよ!
「お嬢様、ここは1度屋敷に戻って準備を整えましょう」
「なんで!?」
「夜も更けてまいります
ここでお嬢様がいないということになれば奥様が心配なされますよ
幸いと言っていいのか分かりませんが
……ヒューストン家にもアレと同じ人形が帰っているのでしょう
まだエイミー様が行方不明とは思われておらず騒ぎにもなっておらぬはずです」
……母に心配をかけるのはマズイ
「分かった
1度屋敷に戻り次第、すぐ乗り込むぞ」
それからの行動は早かった
屋敷に戻り、体調不良を装いセバスチャンとアンに付き添いを頼んで
認識の魔法をかけ部屋で寝ているように偽装する
そして、いつものコスチュームに着替え
これまたいつもの気球に乗り込んだ
「クロ!私の魔力を追え!」
『あいよー!』
とりあえず、悪趣味な人形の持ち主はギッタンギッタンにしてやる!!




