罰ゲーム再び!
ヴォルフ達と別れ大公家に戻るとオリオン様が号泣していた
なんでも毎日散歩に誘ってくれるアルが来ないことが気になって
部屋まで押しかけたらしい、それでアルがいない!ということになって
屋敷中、使用人総出で探したそうだ
そんな中、私ともアインがいないことも判明して……となった時に
シスターから連絡があったらしい
服に住所って……気づかなかった
「それで、お嬢様のお話ですと闇の精霊と契約を交わされたとの話でしたが……」
「闇の精霊だって!?」
アルに抱きついて号泣していたオリオン様が
くわっとこっちに顔を向けた
……折角の美形が台無し……せめて、鼻水は拭いて欲しい……
「グス、闇の精霊と契約したって大丈夫なのかい?
闇の精霊は高位の精霊だと魔力も膨大に吸い取られるよ
闇の精霊と契約して廃人になったという例も聞くぐらいだ
何の取引をしたんだい?」
「何の取引?なんだろう?
私がバロウズを上に持ち上げて、下に下ろしても改心しないだろうなと思ってたら
闇の精霊が現れて名前つけてくれって言われて
名前つけたらなんか剣になって体操られて
気がついたらバロウズ刺してて……そうしたらバロウズが改心してた?」
『違うでしょ
ボクが食べたのはあいつの心の闇
ニンゲンが誰しも持っているものだよ』
「闇の妖精殿はなんと?」
通訳するの面倒
クロ、自分で喋ってよ
『ボクをカタチで縛ろうっての!?
ホント ニンゲンって自分勝手だよね』
右腕の手の甲から黒い靄のようなものが噴き出す
『それで何が聞きたいの?』
「初めまして闇の精霊殿、
あなたが○△□嬢とどういう契約をされたかが知りたいのです」
『はあ?なんでボクがお前如きニンゲンに教えないといけないの?
……でも、まあいいか
今日は気分がいいからね
ボクはニンゲンの心の闇を食べる
その代わりにこの○△□は定期的にボクのごはんを用意する
カンタンでしょ?』
定期的にごはんって例えば何を?
『何って心の闇が深そうなニンゲンをボクに与えてくれればいいって言ってるんだよ』
「……えー、それって食べられたらさっきみたいになっちゃうんでしょ?
なんか、それって正義の味方っぽいじゃん
なんかやだー」
私が目指してるのは○ロンジョ様なの!
「なんでだよ!○△□カッコいいじゃんか!」
「……じゃあ、アインにあげる」
『その子じゃ契約した途端に廃人コースだね』
「っひい!」
『ちなみに与えてくれないとキミのこと食べちゃうからね」
…………
「○△□嬢、今度精霊と契約する際はもっと慎重にならないと
いつか後悔するよ」
「オリオン様!もうしてます!」
ネコミミやら心の闇を食べさせないと食べられるとか罰ゲームばっかりだ
『ふぁあ、久しぶりにごはんを食べたら眠くなってきたなぁ
キミのカゲで眠ってるから
心の闇を持ったニンゲンを見つけたら呼んで
手の甲の紋章を触ってボクの名前を呼んだら出てくるから
……それじゃね』
そういうとクロは影の中に帰って行った
「…………」
「…………」
残ったのは気まずげな沈黙だけだ
「セバスチャン、この王都で後ろ暗いことを行なっていそうな人間を
リストアップしてくれ」
「○△□お嬢様!?」
「私は私が可愛い
セバスチャン、お前は私があんな闇に喰われてもいいと?」
「ですが!」
「父と母には内緒な!特に母には!
今、ただでさえ身重なのにこれ以上心配をかけたくない」
「○△□嬢、私は精霊との契約解除の方法を調べてみよう
私も精霊について研究してきた身だ
何か力になれるかもしれない」
オリオン様!あの最初のひ弱な印象から頼れるお兄さんな印象に!
「オレも父上に協力する
何か見つけるのは得意だから
それと剣の稽古も今まで以上にする
いつまでも○△□に守られてるだけじゃないからな」
アル!あの豚が人間に!
「……俺も1度父上にお会いしたい
王宮に帰るためじゃなくて、今日思ったんだ
王族として俺にも何かできることがあるんじゃないかって
俺、今までそんな風に考えたことなかった
俺のすることは全て正しいんだって思ってた
でも、お前らと会って……それは間違いだって……分かった
俺は王族として民の為に在りたい……父上が許してくれるなら
もう1度、王族としてお前らやルノやタオの力になりたいんだ」
どうした?どうした!?アイン
「○△□、なんで、額に手を当てる」
「いや、熱があるんじゃないかと思って……」
「アル、何故外を見る」
「いや、槍が降るんじゃないかなって……」
「お前らな!俺が真面目に話しているというのに!
一体何を考えてるんだ!?」
うんうん、アインはこうでないと
「お嬢様以外、皆様成長されたようですな」
いや、私も成長したよ……多分
こうしてそれぞれ帰路に経った
私とアインはフォンタナー家にアルは大公家に
「また遊びに来いよ」
「ああ、すぐ行くさ」
そう言ってアルとは別れた
屋敷に着くとアインは父の元に行き、大公家で話したことを思ったことを父に伝えた
父はそれを王様に伝え、アインもまた城に帰って行った
「……………………」
「……………………」
静かになった屋敷にポツンと1人でいる
「あら?どうしたの○△□ちゃん?」
「……………………」
「アルちゃんとアインちゃんが帰って行ってしまったから寂しくなったの?」
「……………………」
「うふふ、今日はお母様と一緒に寝ましょうか?」
「…………うん」
その翌日
「ロミオ!剣の修行をつけてくれ!」
「マリアンヌ!遊びに来たぞ!」
大公家に帰ったはずのアルと王宮に帰ったはずのアインがそこにいた
「言っただろう、すぐ遊びに行くって」
「俺はだな○△□が寂しがっていると思ってだな
……くしゅん!」
アインはイアンになって戻って来た
が、くしゃみをするとまたアインに戻った
「……時戻しの魔法の副作用だ
完全に戻れるまで時間がかかるらしい
くしゅ、さっきみたいに くしゃみが出たりしたら戻るんだ」
「あはははは」
「くははは」
「○△□!アル!笑うな!」
「それじゃ、暫くはアインのままだな」
「城ではアインはイアンの侍従見習いってことになってるからな」
「へえー」
そんな私達を母と父、セバスチャンとアンが微笑ましげに見ていたことなど
私達には知る由もなく、今日も何して遊ぶかで盛り上げっていた




