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目指せ!悪役令嬢物語!  作者: 真ん中
32/85

ネコミミ令嬢

子猫は幸いどこも怪我をしていなかった

母猫が近くにいるかなと思ったがいない

子猫自身、私の頭が気に入ったようで頭の上で丸まっている

……子猫が小さいのであって、私の頭が大きいわけではない

アインが羨ましそうににしているので

渡してやろうとすると子猫は生意気にも威嚇してきた

……そこは私の頭なんだよ!

子猫との格闘にアインは若干引いていたが、猫を渡すと


「ふわふわだぁ」


と、頬を染めて喜んでいた

ちなみに子猫は嫌がっていた

アインの手が離れるとまた頭の上に戻って来ていた


子猫が頭から離すとまたすぐ戻って来るので……もう置いたままにしておいた

木登りはもう出来ないし、剣の稽古も飽きたし

どうするかな?


ナーと子猫が鳴く


「早く親猫のところへ帰りなよ」


ナーナーと子猫が首を振る


「いや、知らんがな」


「○△□!お前猫と会話が出来るのか!?」


アインがキラキラした瞳でこっちを見て来るが

私に猫の言葉が分かるわけはない……が、面白そうだったので


「でっ出来るよ!」


と、答えて置いた


「凄いな!」


と、アインは本当に信じてしまった

……自分でしといてなんだが今更嘘とは言いにくい……


「○△□嬢?アインくんそこにいるのかい?」


オリオン様とアルだ!


「お茶をしようと思ってね

よかったら2人もどうだい?」


ほう!お茶ができるまでに仲良くなれたのか

良かった良かった!


「べっべつにあいつがしたいって言ったからで

オレがしたいと言ったわけじゃないからな!誤解すんなよ!」


アルが謎のツンデレ?を発症していたが

お茶といえばお菓子だ!お菓子と言われて私が釣られないわけはない!


庭にあるテラスでおやつをすることになった

相変わらず猫は頭に乗っている


「おや?○△□嬢?それは……」


「○△□、また変なの拾って来たのか?」


いや、私は帰そうとしたんだ……その度に頭皮に爪を立てられて

泣く泣く乗っけているというわけだと言うのに

なんだアル!その冷たい目は!


「やっぱり精霊だね」


子猫を覗き込んでいたオリオン様がそう言った


「え?何が?」


「頭に乗っている子猫みたいなものだよ」


「え?子猫なんじゃ」


子猫は子猫じゃなかったらしい


「言葉を話さなかったかい?」


「ナーナーとしか鳴きません」


「それじゃ、まだ生まれたばかりなのかな?」


「なあ、精霊って本当にいるのか?」


「これはいい質問だねアインくん

精霊というのはね……

そもそも我々が使っている属性魔法は精霊の力を借りているというのは分かるかな?

属性魔法は妖精に魔力を提供する代わりに妖精の力を借りる事なんだ

まあ……姿を現してくれるのは極僅かなんだけどね

精霊が成長する為には魔力がいる

その魔力を吸収する為に精霊は様々なものに憑くんだよ

その精霊は○△□嬢の魔力が気に入ったみたいだね」


「えーっと?つまりこの精霊は私の魔力を一方的に食べる為に

頭から離れないと?」


「うーん、精霊が憑くというのはとても貴重なことなんだよ

私もこの目で見たのは2人目かな

……1人目はアルフォンス、お前の母オフィーリアがそうだったんだよ

オフィーリアが育てる花にはよく精霊がやって来ていた

覚えていないかも知れないけれど幼いアルもよく精霊と一緒に遊んでいたんだよ」


「母上が……?」


「ああ、彼女は植物を育てるのがとても上手でね」


オリオン様はオフィーリア様を思い出したのかまた泣き出した

アルがハンカチを差し出す


「アルフォンス、ありがとう

オフィーリアにアルフォンスをお願いと言われていたのに私は何をしていたんだろうね

アルフォンスに寂しい思いをさせてしまって……」


「母上はオレを恨んでいたんじゃ……?」


「そんなことあるわけないじゃないか!ゴホゴホ!

……どうして、そんな風に思ったんだい?」


「……だって、オレがあの時、流行病にかからなければ

母上は死ななかった……死なずにすんだはずなのに……」


「アルフォンス、それは違うよ

オフィーリアは君が回復したの何より喜んでいた

オフィーリアが流行病にかかってしまうなど誰にも分からなかったんだ

アルフォンスのせいじゃない」


「でも!」


……シリアスな雰囲気である

お茶どころではない

アインも気まずげにモジモジしている

頭の上の子猫といえばふぁあと欠伸している

ちょっと空気読め!

グールル グーグル グーグラ

私のお腹の虫も空気を読むんだ!!


「そんな風に悩んでいたとは知らなかった

気づいてやれなくて、すまなかった」


オリオン様がアルを抱きしめる

オリオン様も泣いてるがアルも泣いている


「っちちうえ!」


仲直りできて良かったなと思う反面

いつになったらおやつになるんだろうと空気の読めないことを考えながら2人の様子を見ていた

メイドさんなんて2人見て涙目になってるよ

廊下に見えるのはマイヤーさん!

え?マイヤーさんも泣いてる!?無表情だけど泣いてる!?


「っグス、すまなかったね2人とも

精霊の話だったね

多分、その子は生まれたばかりだから魔力を必要としていて

○△□嬢の魔力に惹かれたんだろうね

○△□嬢が名前をつけてあげると○△□嬢を祝福してくれると思うよ」


「祝福とは?」


「その精霊によって違うものだけれど良いものであるのは間違いないよ」


良いものか……うん!なら名前をつけるか


「ネコ、うん、ネコにしよう!」


「シャー!」


痛い!頭皮に爪を立てるな!


「お!これは俺でも分かるぞ!嫌なんだな!」


喜ぶなアイン


「太郎、花子、田吾作、権助のどれかで」


「シャー!!シャー!!」


だから、爪を立てるなというのに!


「……○△□、お前本当にセンスないよな」


「なにおう!じゃあ、アルならどんな名前にするんだよ」


「テイルとかどうだ?尻尾って意味なんだけどお前尻尾が可愛いもんな」


「ナーナー」


なんで尻尾ならOKなんだよ!?それならネコでもいいじゃん!

じゃあ、アルのところへ行けよ


頭から引き剥がそうとするとまた爪を立てて抵抗される

ぐぬう、生意気な!


「おい!○△□可哀想だろう!?」


可哀想だろうなのはさっきから爪を立てられたりしている私の頭皮だ!

ハゲたらどうしてくれる!?


「まあまあ○△□嬢も落ち着いて、せっかくの出会いなんだから、ね?

おやつでも食べるといい」


椅子に座りなおしてお茶を楽しむ


「!?○△□!?」


アインがこっちを指差してくるではないか

指差してくんなっつーの!


「…………」


アルも肩を震わせて笑いを堪えている


一体何なんだ!?


ピョコン!ゆらゆら


「ゆらゆら?」


見ると尻尾が生えているではないか!?


「は?」


「○△□!?耳!頭!」


……嫌な予感がして触るとふわっふわの耳が生えている


「!?」


「うん、テイルの祝福は猫耳になることだったみたいだね」


それ祝福じゃないバツゲーム!


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