初めての企画
「なあ、○△□、お前最近なにコソコソしてるんだ?」
「あのこっそり作っていたおもちゃと関係があるのか?」
朝からアインとアルがやって来た
「昼からのお楽しみだ!楽しみにしとけ!」
あの花祭りの後からアインはアルと一緒にいるようになった
前までは避けてたのにどういう変化だか?
今日は準備が忙しい
厨房へ最終チェックだ!
「あオイ!○△□!」
「変な奴」
厨房は文字通り戦場だった
いつもと違うことをするのでチャーリー達も大忙しだ
「お嬢様!」
「準備はどうだ!?大丈夫そうか?」
祭りは準備の期間がとっても楽しい
ワクワクしてウキウキする!
「はい、何度もチェックしたから大丈夫ですよ」
「そうか!何か私にも手伝えることはないか?」
「……お嬢様はじっとしていただけると……」
「ん?何でもするぞ!」
カキ氷を削るのも、たこ焼きをひっくり返すのも得意だ!
「お嬢様、準備ができるまで部屋でお待ちください
……お嬢様があまり動かれますとアンシェリーや父が感づきますよ」
ジュリアスが私の首根っこを掴む
親子そろって私は猫じゃないぞ!
「それはダメだ!部屋に戻る!」
「そうなさってください」
部屋に戻るとアンとセバスチャンが待ち構えていた
「お嬢様、ここ何日か屋敷の様子がおかしいようですが何かお心当たりは?」
「ない!」
満面の笑みで答える
「……怪しい」
何と言われようとお楽しみだはこれからだからな!
準備が整うまでセバスチャンとアンを庭から引き離すために
仕様がないので部屋にで加護縫いの練習をしていた
本当には出店の設置とか手伝いたかったんだけどな
「お嬢様、今日はいつもに増して集中されておらぬようですが……」
「そっそんなことはなくってよ」
セバスチャンは鋭いからなぁ
もう既に全部バレてる気もするけど……
「お嬢様、準備が整いました」
ジュリアスが部屋まで呼びに来てくれた
「お嬢様、準備って?」
「ありがとうジュリアス!アン、セバスチャン行こう!」
アンとセバスチャンの手を取り庭へ走る
「まあ!これは!」
「ほう!」
「凄いな!」
私の望んだ光景がそこにあった
アンもセバスチャンも驚いている!
「庭で使用人も含めた会食会です。発案はお嬢様なんですよ」
ジュリアスがセバスチャンとアンに説明する
「そうだぞ!私が考えたんだ!今日は使用人とか主人とか関係なく
みんなで遊んで騒いで食べて飲んで盛り上がるんだ!」
「今度はこんなことを企んでいたんですか?」
「うん、楽しかった!
見てみて!こっちには輪投げやダーツといった景品が出るゲームに
あっちにはカキ氷やたこ焼、フランクフルトがあるんだ
ほら、アンもセバスチャンも食べてみて!」
「お嬢様!手を引っ張らないでください!」
庭には庭師のお爺ちゃんやメイドさん達に執事達も庭に出て来て料理を食べたり、ゲームをしたりしている
あ!ノーラとリンデもいる!
あれ?何人か騎士の人たちも来てる?
「うん?ああ、来たがっていたから呼んだんだ
パパの自慢の娘である○△□の優秀さを自慢したくてだな!」
お客さんが来たら使用人のみんなが萎縮しちゃうんじゃ……と思ったけれど
そうでもなかった!
みんな目の前の料理やゲームを楽しんでいる!
「オイ○△□、これお前が計画したのか?」
アインとアルがやってきた
「そうだよ」
「あの輪投げってどうやったら入るんだ!?」
「頑張れ!」
「オイ!」
アインは輪投げにハマったらしい
「みんな喜んでるな」
「うん」
「よかったな」
アルはフランクフルト片手に反対側にはたこ焼きの入れ物を抱えている
……また豚に戻るぞ
あ!母だ!
「○△□ちゃん!凄いわね
ロミオから聞いていたけれどビックリしたわ
ふふふっ、私もロミオが自慢していたカキゴオリ?を食べようかしら?」
「お母様、レモンシロップとイチゴシロップがあるよ
どっちがいい?」
「そうね、レモンにしようかしら?」
「マリアンヌが食べるなら俺が並んで来てやる!」
私が行こうとしたらアインが行った
相変わらず母を呼び捨てにているのは気に食わないけどアインも変わったなぁ
「おや?繁盛しているようだね」
「ゼリー婆!」
「今日はあたしも楽しませてもらっているよ」
「うん!楽しんで行ってね!」
アンもセバスチャンも楽しそうだ!
よし!そろそろだな!
「そろそろ本日のメインイベント、ビンゴゲームを開始したいと思います
皆様1人につき1枚ビンゴカードが配られると思いますのでお持ちください
ビンゴゲームとは私共が今からクジで数字を引いていくます
その数字に触れていただくと色が変わります
縦、横、斜めのどれか1列全て色が変わりましたら!ビンゴ!と叫んでください
それでは始めます!」
ビンゴ大会はそれは大盛況を収めた
ジュリアスの名司会ぶりのお陰か大きな混乱もなく終えることができた
強いて言うなら、1番最初にビンゴしたのは見たことのない人で
アインがその人物を見て
「父上!?」
と、言っていたことぐらいだ
アインの父上ってことは王様!?父か?父が連れて来たのか!?
「今日はお忍びで来たのでな」
なんてウィンクして笑っていた
チャーミングな王様である
今も父と輪投げ対決を白熱して行っている
ちょっと熱気に当てられすぎた……少し風に当たろう
「アルフォンス……」
「なんで今更!」
「聞いてくれ、アルフォンス」
「あんたと話すことなんかない!あんたはオレを捨てたんだ!」
「違っ!ゴホッゴホッゴホッ!」
「オレはアルフォンスじゃない
アル・フォンタナーだ
もう!オレに関わるな!!」
アルは走って行ってしまった
……取り残された幸薄そうなお兄さんと怒っていたアル
はっ!これが世にいう修羅場か!?
「ま、待って!アルフォンス ゴホッゴホッゴホッ!」
その場で蹲りだすお兄さん
流石に放っておくとマズイかなぁ
「お兄さん大丈夫?」
魔力でお兄さんの体を浮かして運ぶ
念の為、怪我人や急病人が出た時の為に救護班も用意しておいて良かった
救護班の簡易ベットに幸薄そうなお兄さんを寝かせる
「きみは……?」
「アルの家族、お兄さんは?」
「きみがロミオ兄さんの……私はアルフォンスの父だ」
「?アルの父はうちの父でしょ?」
何言ってるんだ?このお兄さん?
「いや、アルフォンスの父は私なんだ
こんな体なものでねアルフォンスをロミオ兄さんに預かってもらってたんだ」
……ん?つまりアルはこの幸薄そうなお兄さんの子どもで……?
父は預かっただけ?
「そういえば、アル捨てられたって言ってたっけ」
なんかアインの時にそんな事言ってた気がする
「捨ててなんかいない!ゴホッゴホッ!」
興奮したお兄さんが咳き込む
「水、飲みなよ」
水を手渡す
「毎週手紙を受け取っていたんだ
ロミオ兄さんとマリアンヌ姉さんが書いてくれていたんだ
アルフォンスがフォンタナー家でどんな風に過ごしているか
それを読むのが私の唯一の楽しみだったんだ
……今日はきみがお祭りを開くとロミオ兄さんが教えてくれた
体調も良かったんでアルフォンスに会いに来たんだが…………」
今度は泣き出す幸薄そうなお兄さん
……面倒な人だな……この人も
「そりゃ、アルはそんな事知らないもの
お兄さんからしたら毎週手紙で知ってたかもしれないけどアルは知らないもの
お兄さんから手紙も書かなかったんでしょ?
じゃあ、分かるわけないじゃない!
捨てられたかもって不安になってもしょうがないよ」
「私はどうすればいいんだ」
「え?まず健康になれば?
で、アルに会いに来て誤解を解く」
「そんな簡単に健康になれないよ
私は生まれつき病弱だし……」
「じゃあ、手紙でも書きなよ
……あのさ、お兄さん好き嫌い多くない?」
「え?好き嫌いかい……多い方かもしれないな」
「肉好きで野菜嫌いとか?」
「そうだね……野菜は苦手かな」
「散歩しないでしょ」
「しないね」
「日の当たらない部屋で寝てるでしょ」
「……何故、わかったんだい?」
「そりゃ、良くならないわ」
「え?今ので何がわかったんだい?」
野菜は食べない
運動はしない
日光にも当たらない
不健康にも程がある!
「お兄さん不健康な生活しすぎ……それじゃ良くなるものも良くならないよ」
「でも……私は……」
「分かった
アルと一緒にお兄さんの家に行く
で、お兄さんの生活を改めさせてもらいます」
「え?でも、そんなロミオ兄さんに聞かないと」
「1人じゃ、できないんでしょ!?
さっきから……でも……だってって!もう!あ!」
お兄さんと話してたら夜が更けて来た
そろそろお祭りが終わる時間だ
「もう行くからね!はい!決定!
んで、これから空見てて!とっても面白いものが見れるから!
それじゃね!」
今日の主役のアンとセバスチャンは……と
いた!
「アン!セバスチャン!ハッピーバースデー!!
これは私からのお祝いだよ」
空に向けていくつもの火魔法を放つ
火魔法は花の形に散って行く
様々な色に光りながら
前世でいう花火である
この日の為にジュリアスやゼリー婆に見てもらって練習したんだから!
火事にならないようにアフタフォローも万全です!
パァン!パァン!
「綺麗」
「火魔法にこんな使い方があったとは」
「アン、セバスチャン……喜んでくれた?」
2人に喜んで欲しくてやったことだけど……どうだったかな?
「お嬢様もちろんです、こんな綺麗なものをありがとうございます」
「お嬢様、私どものためにありがとうございました」
セバスチャンの目に薄っすら光っているものが見えた
「はっはっは!喜んでくれたか!
それならもっと飛ばそう!ソレ!」
パァン!パァン!パン!
「……お嬢様、その辺にしておきましょうか
皆、驚いておりますよ」
おー!王様も口をポカンと開けている!
ま、いっか!
こうして私が初めて企画したお祭りは無事成功を収めたのである
もちろん、片付けも手伝った
設置で手伝えなかった分、片付けは大活躍だった
重たいものは魔力で浮かせてから運ぶからなんでも運べたし
食べ物はほとんど残らなかったので捨てずに済んだし
ゲームの景品はまた次に回せばいいという話になった
うん、みんな楽しんでたし良かった良かった
あれ?何か忘れてる気がする?
あー!そうだそうだ!
「お父様!明日からアルの家に泊まりで遊びに行って来ます!」
あの幸薄そうなお兄さんのことすっかり忘れてたよ
「え?○△□ちゃん?」
「○△□!オレの家って!?」
「ああ!アルも一緒にね
勿論、アンとセバスチャンも一緒にです」
「オレは行くなんて行ってない!」
「おっ俺も行くぞ!」
「うんうん。○△□ちゃんもアルもアインも行って来なさい
しっかり、遊んで帰ってくるんだぞ!」
「はーい」
「ロミオまで!オレは行くなんて!」
「2人のことは俺に任せておけ」
と言う訳で明日からアルの家にお泊まりである




