B級グルメ
「うぅ、うがぁー!」
私は今悩んでいる
あの花祭りに行って以来、カキ氷やフランクフルト
綿あめやたこ焼き、焼きそば、イカ焼きが食べたいのだ!
厨房に行ってそれとなくこんなものが食べたいと相談に行ったのだが
とんでもない!と断られてしまった
B級グルメへの道は遠い……だが、諦めるものか!
「お嬢様、何をお始めになるのですか?」
厨房からボールを借りて中に水を入れて来た
「凍れ、凍れ、凍れ」
要はイメージだ
イメージさえできれば何とかできる
「っしゃ!凍った!」
これを皿にひっくり返してウインドで削る、削る削る
「お嬢様、いつの間に無詠唱魔法を!?」
分厚すぎてもいけない口の中で溶ける薄さでないと……
よし!こんなものだろう
薄く切った氷にこれまた厨房から借りて来たいちごジャムをかける
本当はシロップの方がよかったんだけど見つからなかったんだよね……
「さあ、アン食べてみろ!」
「え……?この氷をでございますか?」
「そうだ!これがカキ氷だ!」
一気にかけこんで頭がツーンとくるこの痛みカキ氷の醍醐味だな!
恐る恐るアンが氷を口に運ぶ
「……美味しい……です」
「だろう?なのにだ!厨房のチャーリーはダメだと言うんだ!
酷くないか!?」
「……それは今までお嬢様がチャーリーに無茶ばかり言ってきたからでしょう」
なんと!
「いつ私が無理を言った
私は好き嫌いもしない良い子だぞ」
「確かにお嬢様は好き嫌いはなさいませんが……
唐突に訳のわからない料理を食べたいと仰るじゃありませんか?」
食べたいと言ったのは前世の日本料理だったのだが
うーむ、そんな風にとられていたとは……
「お嬢様、厨房からボールとジャムが消えたとの報告がありましたが
まさかとは思いますが、勝手に持ってきてなどおりますまいな」
「おー!ジュリアス!丁度いいところに!
カキ氷だ!私の手料理だ!食べていくがいい」
「……お嬢様の?……失礼、私は仕事を思い出しました」
踵を返すジュリアスの足にへばりついて
「今回は大丈夫だって!アンも美味しかっただろう?」
「はい、美味しかったです」
「ほら!ジュリアスには特別にレモンジャムをかけてやろう
さっぱりして美味しいぞ」
「……氷にジャムをかけただけではないですか?」
「ちょっと違う!いいから食べてみろ!」
「……………………美味しい」
「だろう!これがカキ氷だ!よし!チャーリーにも食べさせてくる!」
チャーリーからもまあまあとの返事を貰った
シロップをかけるともっと美味しくなるというとシロップを出してくれた
うん、ジャムよりシロップだな
「後で、ボールとジャムをなおしておいてください
泥遊びになんて使わないでくださいよ」
「使わないよ!」
泥遊びには専用のおもちゃがあるし!
「なあなあチャーリー、次はフランクフルトが食べたい!」
「だから、何ですか?フランクフルトって?」
「ソーセージに串を刺して、切り目を入れて焼いてだな
ケチャップやマスタードをつけて食べる料理だ!」
「?ケチャップ?なんですソレは?」
そうか……ケチャップがないのか
「トマトソースに酢を加えたものなんだが……」
「酢ですか?」
「うん……多分」
知識はそう言っているけれど
実際に作ったことはないからなぁ……自信はない
「……ちょっと作ってみますから明日まで待ってください」
「分かった!」
「おやまあ、随分懐かしいものを食べてるねぇ!」
「ゼリー婆!」
「ゼリオン様」
母の診察に来ていたゼリー婆が厨房に顔を出している
「ゼリー婆も食べる?」
「ああ、頂こうかね。どうやって作ったんだい」
「ん?水を凍らせてウインドで削った。で、シロップをかけた」
「……それじゃあ、お前さんしかできないねぇ」
寂しそうにゼリー婆が呟く
私しかできない……それは……面倒だな
「カキ氷機が作れればいいのに?」
「じゃあ、試しに作ってみるかね」
「?」
その日のうちにゼリー婆に連れられて街の工房に来ていた
「ちょっと邪魔するよ」
「……なんだ、ゼリオン婆かよ
……そっちの、チビ助は?」
もじゃもじゃ髭のおっさんが現れた!
「今日はカキ氷機を作ってもらいに来たんだよ」
「……なんかそれ、前も言ってなかったか?」
「ほら、チビ助」
「ボールに水を入れてもらえますか?あ!飲める水で!」
「ん?ああ、いいが」
水の入ったボールを受け取ると
凍れ凍れ!凍ったらウインドで削る削る
「オイ、その年で無詠唱かよ!?」
「ゼリー婆、出来たよ」
シロップをかけて完成!と
「こんな風に氷を削れる機械を作っておくれ」
「ん?オイ!こりゃうめぇじゃねえか!?
要は氷をこんな風に削れりゃいいわけだな!任せとけ!」
「それ以外にもお願いしたいことが!」
「おっおう!」
たこ焼きの鉄板について説明する
絵も描いて来たのだが、余計わからなくなると却下された
「?要は穴ぼこの鉄板を作ればいいわけだな?」
「そう!穴は4cmくらいでよろしくお願いします」
これでたこ焼きの鉄板は手に入れた!
「おう!任せときな!」
あとはタコを手に入れるだけだ!
「お代はいつも通りつけとけばいいか?」
「ああ、頼むよ」
「チビ助、お代は出世払いだからね」
「了解です!ゼリー婆
さあ、タコをゲットしに行きましょう!」
ゼリー婆に市場に連れて行ってもらい、タコもゲットできた
なんかタコとイカはグロテスクだからあまり食べられていないらしい……
もったいない!
これ幸いと沢山買って帰った!
勿論腐らないように凍らせることも忘れない!食中毒怖い!
「……たこ焼きが出来たら呼ぶように」
「了解です!」
ビビッと敬礼する
「いやー、今日はゼリー婆のお陰でいいものがすっごく手に入ったよ。ありがとう」
「それで、それをどうするつもりなんだい?お前さんのことだ
何か考えがあるんだろう?」
「うん!うちでお祭りをしようと思うんだ!
みんなで楽しめるお祭りを!
使用人とかそんなの関係なくみんなで打ち上げ会をしたいんだよ!
で、騒いで遊べればいいな……と」
「……………………」
「ホントはセバスチャンとアンの誕生日がもうすぐなんだ
でも、自分は使用人だからって2人とも言うんだ
だからさ、使用人とか関係なく騒げる日を作りたいなって」
「そういうことかい
手伝えることがあったらいいな
手ぐらいなら貸してやるよ」
「ありがとう!ゼリー婆!」
こうして屋敷へ戻って行った
そして、父の元へ行って今回の企画について相談しに行った
父からは2つ返事でOKをもらえた
「ところで○△□ちゃん、ジュリアスに手料理を食べさせたそうだがパパには?」
と、父が欲しそうだったので作ってあげた
「これは!美味い!」
「あ!一気にかけこまないほうが!」
「グア!頭が!?」
遅かったか……
そんなこんなでカキ氷機とたこ焼きの鉄板が届いた
カキ氷機も素晴らしい出来だった
チャーリーと相談しながらたこ焼きを作る
タコを食べるなんて!と抵抗していたが
「まさか、私の手料理が食べられないと!?」
凄んで無理やり食べさせた
食わず嫌いダメ!
チャーリーといえば最初は真っ青な顔をしていたが噛むことに顔色が戻ってくる
「お嬢様、コレは本当にあのタコなのですか?」
頷くと
「あのタコが……トロトロとした食感の中に
あのタコのコリコリとした食感がアクセントになっていていくらでも食べられますな」
本当はソースがあるとよかったんだけど
今回は時間がないのでソースなしで
「これならトマトソースをかけても合うか?
いや、このたこ焼きに合うソースは……?」
なんだかチャーリーが考えてくれてるみたいなのでこれはこれでいいや
チャーリーといえばトマトケチャップも完成させてくれていた
ヒャホーイ!と早速、フランクフルトを作って食べた
美味しかった!!
お祭りは庭で行うことにした
その方が開放感があると思ったからだ
使用人みんなに楽しんでもらいたかったのだが
厨房のコックさんはフランクフルトやたこ焼き、カキ氷を作ってもらうことになった
炎魔法を使える人と氷魔法を使える人が思ったより少なかったのだ
申し訳ないと謝ると交代制にするので大丈夫ですよと言ってくれた
他にもゲームもいくつか考えた
輪投げにナイフ投げ、ビンゴゲームを用意した
こちらもメイドさん達が交代制で店番をしてくれることになった
輪投げの的もナイフ投げの的も魔力を使って削って作った
ちなみに景品はノーラとリンデに頼んで買って来てもらったので
私もどんなものがあるのか知らない
とりあえず体に害のないものとはお願いしたので大丈夫だと思う
さて、明日は祭り当日だ!




