第四部、終了時までのあらすじ。人物紹介。
第五部 山神編から読み始める方、
また第四部を振り返りたい方へ向けて、
第四部のあらすじと主要キャラクター紹介を掲載いたします。
第四部 流域編 終了時点
◆◆主要キャラクター紹介◆◆
(第四部アップデート版)
◆ 岩ノ山
異世界へ漂着した元力士。自分の超人的な筋力に対する戸惑いや肩の痛みを抱えつつも、冬の間に子供たちからこちらの世界の文字を習い始める。領都から届いたセドウィックの手紙を受け取り、かつて異界から来た者が「故郷へ帰った」とされる伝承を知るが、自ら「ここが家だ」と断言。山神村の泥臭い日常と家族とともに生きる道を選ぶ。
◆ オルガ
「山神の宿」の女将。風邪で倒れた際には子供たちに叱られつつも、持ち前の包容力と手料理で一同を支える。夜には岩ノ山と静かにキセルを交わし、領都からの便りや伝承に対して複雑な想いを抱きつつも、彼が村に残る決意を静かに見守る。
◆ リク
「山神の宿」に暮らす孤児の少年。背が伸びてミリアの背を越し、高所の皿を取るなど成長を見せる。岩ノ山とオルガが病に倒れた際は、大人たちに対して真っ直ぐに毅然とした態度をとり、宿の薪割りや日常の仕事を力強く支える「頼もしい家族」へと成長する。
◆ ミリア
オルガのもとに身を寄せる戦災孤児の少女。無理をする岩ノ山とオルガに対し「自分を大事にして!!」と涙ながらにぶつかり、大人二人を改心させる。大鍋のシチューで宿を温め、岩ノ山へ根気強く文字を教える「小さな先生」としても活躍する。
◆ ココ
オルガの娘。病み上がりの岩ノ山に力いっぱい抱き上げてもらい歓声をあげる。手作りのすごろくで皆と遊ぶ冬のムードメーカーであり、領都からの便りに「帰っちゃうの?」と不安を募らせるが、岩ノ山の温かい言葉に救われる。
◆ ヤール婆
山神村の村長の古老。倒れた大人たちを案じつつ、頼り切りになっていた村人たちを厳しく諭す。岩ノ山が故郷へ戻る道があるのかを案じ、セドウィック側へ調査を依頼していた。
◆ ダン
山神村の村長代理。村の発展と組織化に奔走する一方、岩ノ山たちへの依存を反省し、村全体で支え合う体制を深めていく。
◆ グレン
エルフの補修屋。村の日常や若者たちの成長を静かに見守り、岩ノ山たちが倒れた際も村の力仕事を手伝う。
◆ メリー
羊角を生やしたガラドン種苗店の少女。冬の客人として村に馴染み、明るく酪農作業に励む。
◆ 若ドワーフ&小柄なエルフ
新たに村へと移住してきた若者たち。冬の間伐作業を通して種族の壁を乗り越え、補修屋へ道具を預けるなど着実に歩み寄りを深める。
◆ セドウィック・バレント
バレント領次期当主。グラキアとの講和条約を無事に成立させ、試作魔道具を通して山神村へ一通の手紙とココの描いた絵を届ける。
◆ エイラ・ベルグ
隣領ベルグからの行政官。ヤール婆の頼みを受け、異邦人や「山神・水神」にまつわる古い記録を調査し、過去に故郷へ還った者の存在を見つけ出す。
◆ ◆ 第四部「越冬編」(全6話)あらすじ ◆◆
【予期せぬ客人たちと膨らむ村】 (第1話〜第2話)
清瀬村の水車や上下ノコが直り、流域整備の成果が着実に芽吹き始めた山神村。そこへ春から来るはずだった移住者(メリーや黒熊屋の会計、ガラドン種苗店、エルフの若者たち)が、待ちきれずに押し寄せる。一気に膨らんだ村の食糧問題や騒動を経て、新旧の住民たちは歓迎会を通じて打ち解けていく。専門知識を持つ人々によって作業が分散され、岩ノ山は自分が一人で背負わなくても村が回り始めたことに寂しさと安堵を覚える。
【森を見る目と互いの役割】 (第2話〜第3話)
増えた住民の薪を確保するため、若いドワーフと小柄なエルフの少女が冬の森で間伐作業に携わる。スギ、ナラ、クヌギ、藤の蔓など、それぞれの性質と切り倒す意味を学ぶ中で、二人は互いの種族の役割を理解し歩み寄りを見せる。村に戻ったドワーフは戦斧を補修屋へ預け、確かな信頼関係を築き始めていた。
【内なる異変と遠ざける手】 (第3話)
村の点検が進む中、祠を訪れた岩ノ山は一本の大木を素手でへし折ってしまうが、右肩の鈍痛と「人知を超えていく自分の肉体」への恐怖に苛まれる。宿の前でココから抱っこをねだられるも、大木を折った手への怯えから「手が汚れているから」と手を後ろへ隠してしまう。代わりにココを抱き上げる成長したリクの姿を見つめながら、岩ノ山は静かな眩暈と見えない不安に力無く立ち尽くすのだった。
【家族の絆と温かな叱責】 (第4話)
吹雪の前、岩ノ山とオルガが同時に熱で倒れてしまう。二人を助けようと村人が集まるが、ミリアは「みんな二人に頼りすぎだ」と溢れ出た想いを口にし、ヤール婆の言葉とともに大人たちは自責の念を抱いて静かに引き揚げる。子供たちが二人を休ませようと健気に奮闘する中、無理をして起き上がろうとした大人二人に対し、ミリアは涙ながらに「自分を大事にして!!」と絶叫する。その切実な叫びに大人たちは素直にベッドへ戻り、翌朝、全快した岩ノ山は重みを感じながらココを力いっぱい高々と掲げ上げるのだった。
【吹雪の宿と刻まれる文字】 (第5話)
村を猛吹雪が覆い外仕事が止まる中、「山神の宿」ではいつもの穏やかな時間が流れる。領都のセドウィックから届いた手紙(山神の調査報告)は開けられないまま帳簿の脇に置かれる。ミリアの温かいシチューを囲み、ココの手作りすごろくで笑い合い、炭と板を使って子供たちを先生に文字を習い始める岩ノ山。自ら書いた力強い相撲字の「山」を子供たちに見せた後、岩ノ山はこの世界の文字を一つずつ覚え始めていく。夜、子供たちが眠りについた後、オルガとキセルを交わしながら静かに心を寄せ合うのだった。
【便りと選んだわが家】 (第6話)
領都ではセドウィックとエイラが古い記録を調べ、過去に異邦から来て人々を助け「故郷へ還った者」の伝承を見つけ出す。試作魔道具を通して届いた手紙とココの絵を囲み、宿の食堂で集まる五人。伝承を聞き「帰っちゃうの?」と不安で涙ぐむココに対し、岩ノ山はその大きな手を頭に乗せ「ここが家だよ」と静かに、そして優しく答える。かつてココが描き、自分が覚え始めた文字で「きょうも やまがみ たのしかった」と添えられた絵を読み上げた岩ノ山は、故郷への思いを整理し、山神村の家族とともに生きていく決意を胸に、雪解けのそよ風の中へと歩み出していくのだった。




