第三部 流域編、終了時までのあらすじ。人物紹介。
第四部 越冬編から読み始める方、
また第三部 流域編を振り返りたい方へ向けて、
第三部 流域編のあらすじと主要キャラクター紹介を掲載いたします。
第三部 流域編 終了時点
◆◆主要キャラクター紹介◆◆
◆ 岩ノ山
異世界へ漂着した元力士。 将軍護送の絶対的な護衛として同行。第10話では将軍に迫る刺客の襲撃に対し、一時的に人知を超えた力を発現。剛刀を粉砕する圧巻のぶちかましで橋頭を死守した。
自身の持つ人間離れした力への戸惑いは深まりつつも、仲間を守るためにその振るうべき腕を振るう。
なお、手が空けば相変わらず荷運びばかりしている。
◆ セドウィック・バレント
バレント領次期当主。事業を起こすより、回す難しさを知り、周りの人々に任せることを学ぶ。
山神村を経由する護送作戦の総指揮を執る。「敵を倒す必要はない、渡河が最優先」と徹底した任務思考で混成部隊を率い、乱戦の最前線で刀を抜いて橋頭を守り抜いた。
◆ エイラ・ベルグ
ベルグ領の代表行政官。ベルグ港での新船建造や整備を指揮しつつ、グラキアの将軍を連れて自ら最前線へ。かつての敵国と手を取り合う覚悟を持ち、国境線で整列するグラキア兵たちへ静かに返礼を捧げた。
◆ グラキアの将軍
旧敵国グラキアの敗軍の将。自国に戻れば糾弾されるリスクを承知で民と未来のために責任を引き受ける。無骨だが礼を重んじる。毛ウサギの扱いを知り、村の赤ん坊の笑顔に表情を緩めるなど、一人の人間としての温かみを持つ。
◆ オルガ
「山神の宿」の女将。かつての敵国の将軍に料理を運び、「憎いよ。でもあの将軍が憎いのかは分からない」と等身大の葛藤を抱えながらも、温かい食卓で一行を包む。
◆ グレン
エルフの補修屋。ドワーフたちと共に断崖に仮設の木橋を完成させ、第10話の防衛戦では背の弓を携えて山砦前で護送隊を迎え撃った。
◆ ミリア
オルガのもとに身を寄せる戦災孤児。将軍が慣れた手つきで毛ウサギを愛でる姿を目撃し、「敵の国にも自分たちと同じように動物を可愛がる人がいた」ことを知り、静かな意識の変化を迎える。
◆ リク
「山神の宿」に暮らす少年。岩ノ山と共に領都や流域を巡り、持ち前の観察力と行動力で、村に役立つものを次々と見つけてきた。補修屋グレンにはドワーフ鋼のノミを、清瀬村では上下ノコを見つけ、眠っていた技術や資源を動かすきっかけを作った。ミリアと共に薬草栽培にも取り組んでいる。 領都への交易を経て、視野がさらに広がりつつある。
◆ ドワーフの親方&職人たち
難民キャンプからやってきた石工・大工たち。春の本工事を前に見事な仮設木橋を架け上げ、襲撃時も山砦の前で守備兵と共に現場を守り切った。山神村の空き家に住み始めている。
◇◆◇◆
第三部「流域編」あらすじ
【小さな成長と動き出す水脈】
(第1話〜第4話)
オルガの娘ココのお手伝い奮闘と小さな成長。不眠不休で記録を調べ上げたセドウィックによる「流域整備計画」の立案。清瀬村の古木場の再生や壊れた製材機「上下ノコ」の発見。黒熊屋ら専門家たちとの役割分担(領域)の明確化を経て、一本の川を巡る巨大な計画が本格的に動き始める。
◇
【異種族との絆と深まる違和感】
(第5話〜第7話)
深山のエルフの集落を訪れた岩ノ山は、手入れされた森と道具を通じて交流を深め、春の植林協力を約束させる。
しかし川の浚渫作業中、巨石をあっさりと動かしてしまったことで、自身に宿る「圧倒的すぎる力と手応えのなさ」に不気味な違和感を覚える。
一方、領都ではセドウィックと黒熊屋が「流域債」や各組織の領分を整理し、折れた石橋の現場では岩ノ山・グレン・難民ドワーフたちが結集して仮設木橋の建設をスタートさせる。
◇
【講和への船出と「生活」への降下】
(第8話〜第9話)
エイラは故郷ベルグ領で造船・港湾拡張を進めつつ、終戦条件である「グラキアの将軍」の移送を開始する。
岩ノ山の手で山神村へと警護された将軍一行。村には終戦反対派の影とピリついた緊張が走るが、宿の女将オルガの葛藤、仕立て屋のエッダ婆さんによるマントの補修、ミリアと毛ウサギの触れ合い、そして赤ん坊の笑顔を通じて、国家間の政治であった「講和」が、村人たちの「敵ではなく人を見る生活」へと静かに降りていく。
◇
【仮設橋の攻防と国境の礼】
(第10話)
初雪が舞う山道で、終戦反対派の襲撃が護送隊を襲う。セドウィックの指示のもと「将軍を渡河させる」という唯一の勝利条件に向け、岩ノ山は山神号で敵陣を押し開く。
山砦前で乱戦となる中、将軍を狙う白装束の剛刀遣いに対し、岩ノ山の人知を超えた力が漏出。圧倒的な力で剛刀ごと敵を砕き飛ばす。
将軍が仮設橋を渡り切った先では、グラキア兵たちが「停戦を守るため、国境線を絶対に越えない」という強固な意思を持ち直立不動で待っていた。
無言の敬礼と返礼が交わされ、講和の一団は雪の彼方へ去っていく。静まり返った谷には、ドワーフとエルフが架けた一本の仮設橋だけが佇んでいた。




