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人機のアストライア  作者: 橘 雪
EP6 『オペレーションシージアース』

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97/127

97: EP6-4 オペレーションシージアース: スピアヘッド、突貫

システム、オールグリーン。

サーバーノード、バックアップ含め全稼働。


...ブラック君、アバター計画の...なんだって?

...分かった、可能な限り急いでくれ、嫌な予感がする...

CAU海軍統合艦隊/シルバースピア艦隊

オペレーションシージアース

1日目

西暦3020年12月5日[STC]

協定宇宙時(STC)14:02

地球の衛星、月、ルナ・ゲートウェイ・ステーション上空、艦隊交戦宙域



──Side: 三人称視点



「艦隊長、進路前方、敵大型艦載機母艦クラスを確認しました。」

「...通信科、スピアヘッド全艦へ通達! 第一目標は艦隊前方の敵大型母艦!」

「通信科了解!」


敵艦隊までの距離は僅かに100キロないほど

一度起動された推進器はその全力を持って船を加速させる


『アマテラスより全ユニットへ。 アマテラスはこれよりムラクモの発射態勢へ移行する。 目標、敵陣正面、艦載機母艦。』


旗艦たるアマテラスからのデータリンクが全艦に通知され、敵目標や推測される危険範囲が表示される

750メートルという狂った口径から射出されるレーザーによる危険範囲は考えずとも分かることではあるが、あまりにも広大だ


「こちらも可能な限り艦載機...制宙戦闘機は揃えた。 ESFはどうだ? いくら疲弊したとはいえ、あちらには長年の実績もある。 ...技術力か、経験か。」

『レン、私だ。』

「...エル、どうした?」


カエデの座る席の通信モニターにシオンハートからの通信が入る


『こちらは全て滞りなく、出撃準備が完了している。 後はそちらの指示を待つだけだ。』

「了解、これから敵艦載機母艦を中心とした敵艦隊に接敵する。 それを待って、出撃してくれ。」

『了解だ、レン。 また連絡する。』


モニタが暗転する


直後、カエデの乗るアルビオン級の横を敵の砲弾がすり抜けていく


「...至近弾! 損害確認!」

「現時点までに各ブロックより報告なし。 外れたものと推測。」

「油断しているつもりはないが、やはり侮れないな。 既に敵の射程圏内、こちらも同じことだが...」


事実、既に艦隊は敵艦隊との砲戦を開始している

スピアヘッド、セイバー第一艦隊は距離を20キロほどまで詰めてからの機動戦闘を得意としているものの、別に長距離砲撃が全くできないというわけでもなく、敵との至近距離に入るまでも当然、攻撃は続けられている


「艦隊長、第三艦隊、エリアルより通信です。」

「モニタに繋げ。」

「回します。」


通信モニタに映像が映る

通信相手はというと、CAU海軍第三艦隊に所属する新型艦、CAU初の制宙戦闘機母艦、エイブラム級の1つ、エリアルのブリッヂだ


『スピアヘッド、エリアルだ。』

「エリアル、どうした?」


既に戦闘が始まっていることもあり、挨拶も程々、あるいはさておいて会話が始まる


『アマテラスCICより指令が来た、こちらはそちらの支援に着く。』

「了解した、エリアル。 現在スピアヘッド各艦はこれを目標としている、データを送る。」

『確認する...』


画面の向こう、エリアルの艦長が目線を下げ、データに目を通す


『面白い、史上初の母艦同士での戦闘機の投げつけ合いになりそうだな。』

「そうかもしれないな。 既にこちらは敵艦隊へと距離を詰めている。 追いつけるか?」

『もちろんだ、すぐに艦隊ごと向かう。』


その言葉と同時に、カエデの手元にエリアルの艦隊のデータが送られてくる

見るに、エリアルを旗艦とし、ガラテア級やデスピナ級といった新型艦も盛り込んだ上で構成された艦隊のようだ


「...こういうのをなんていうんだったか... まぁいいか。 ともかく、エリアル、助力に感謝する。」

『お互い様だ、スピアヘッド。 ...シルバースピアと肩を並べられること、光栄に思う。 何かあればまた連絡する、エリアル、アウト。』


エリアルの艦長がそう言い残し、通信が終了する


「CAU史上初の...あぁそうだ、空母打撃艦隊、か。」


通信が終了してからほんの一瞬の後、カエデはそう呟く


「戦術科より艦隊長、まもなく前衛が交戦距離に入ります。」

「了解だ、手筈通り始めるぞ。」


そこでカエデがまた別の相手との通信を開く

すぐに繋がった通信に映った相手はというと、よく見慣れた同僚、ウィルクスだ


『どうした?』

「ここまでの支援、感謝するって話だ。」

『ああ、それぐらいならお安い御用だ。 というかそれが役割だからな... そうだ、もう少し後になるが、ルイナのアルティアをFA仕様に換装し出撃させる。 もし支援が必要なら呼んでくれ。』

「...またアレを使うのか...」


ウィルクスの発言に、カエデが人目もはばからずにげんなりとした表情をする


『シーラの奴も言っていたからな、無制限だ、と。』

「はぁ... まぁ、かけた予算分の性能があるから... うーん。」

『今は気にしないでいいだろう、カエデ。』

「それもそうだ。 よし、こちらはもう本格的に交戦に入る。 以降もよろしく頼む、ウィルクス。」

『もちろん、任されたさ。』


げんなりとしていた表情と一息にキッと正したカエデに対し、ウィルクスもいつも通りに飄々と答え、通信が終了する


そして、姿勢を正し、前を向き、ただ一言


「いい加減、終わらせよう。」


そう呟いた

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