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この異世界が『格闘ゲーム』すぎるので荒らしをガン処理する―《まほうしょうじょ》は『魔法使い』―  作者: 待雪 妥当
第4章 迷い子たち

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29/51

第29話 おれこわいよ

4章は1話投稿とお伝えしましたが、

本日は22時に、続けて投稿します。

「なんでやねん!!」


 たぶん開幕二回目のなんでやねん。


 でも、言わせて欲しい。


 おれは《まほうしょうじょ》としてここにいる。


 それから一週間が経過していたのだが――


 《まほうしょうじょ》として認められ、首輪(カラー)は透明になって色がついてないのでちゃんとしたランクがわからないのは困るが、それでもいちおう敵ではなく味方として認識してもらえた。


 それはいい。おれもやっとここで生活できると思うとひとあんしんだ。


 でもね、


「なんで檻の中やねん!!!!」


 関西弁! 言わずにはいられないッ!!


 だってさ、こういうのってこう……あるでしょ?


 ちゃんとした部屋用意してくれると思いますよね??


 ――あ~……すまんトリノ、まさかおまえが私たちの味方になるとは思ってなかった。だから部屋を用意してない。とりあえずそのまま檻の中へ戻ってくれ。


 ってフルカノンのパイセンに言われた。


 パイセン?


 おれはさ、あんたのこと良い人だって評価してたんやで? なんでなん??


 おれなんかわるいことした???? 味方にすることちゃうで……。


「…………………………………………………………ぐすんっ」


 中身はきっしょいデブのおっさんだけど、身体は幼女なので漏れ出た泣き声は可愛らしかった。


 まぁ、ベットは持ってきてくれたので――ぐっすり眠れたけど。


 ってかベット持ってきてくれるなら部屋に連れて行ってくれ。


 でもまぁ……ちゃんとしたベットとフカフカの布団もらえただけでありがたい。いや部屋は?


「はぁ……もう、ちょっとだけ寝とくか――」


 そもそも《まほうしょうじょ》として認められたとはいえ何をすればいいのかはわからない。パイセンがやって欲しいことは直接声を掛けに来てくれるっていうから……それまでは大人しくしとけって。


「もうこのまま一生寝とこかな」


 働かなくていい――なんと素晴らしいことか。


 異世界に来てまでまだ働かされるのかおれは……?


 でも、別にな……元いた世界での労働と比べたら遥かに気楽ではある。なにせ格ゲーの知識のおかげでなんとかできるのだから。


「ふふ、とりあえず今日もずっと寝ておこう」


 この一週間、寝て……食べて……練習(トレモ)して、うん? そりゃトレモはね。しないと死ぬからね? 格ゲーマーはトレモしないと死ぬ病気にかかってるんだよ? 本当だよ。


 おかげで()()()()を見つけたし、コンボも発掘した。


 でもおれはどうもパイセンを倒したやべぇヤツという評価を受けており、あれから対戦は一度もできていないので正直しんどい。


 森にでもいって《荒使(あらし)》でも処理って来ようか……独りでいったら絶対怒られるよなぁ――いや、そもそも場所がわからん。


「はぁ……パイセンには放置されてるし、おれどうなっちゃうの――――」


 ぽよん。


「はい?」


 手を伸ばした布団の中でなんかやけに柔らかいなにか。


「……やん」


「…………」


 もうやだ。


 おれは布団をゆっくりとめくり上げると、


「おはよ、トリノちゃん」


「おれこわいよ」


 なんで布団の中にソアレがいるんだよ。


 ……しかも裸で。


 いや、おれも裸なんだけど――


 別に裸族ってわけではない。《まほうしょうじょ》の衣装はなんかこう《まほう》で作られているらしくて、常に着ていても問題ないのだが……特に人前に出ることもなければ衣装のオンとオフで切り替えれるのだ。


 すごいけど、着るか全裸かの完全二択しかねぇのかよ。いやな中下段だ……そんなこんなでおれはずっと衣装を着たまま生活していたのだが、寝るときだけはオフにしているのである。


 檻の中でプライベートもへったくれもないが、寝るときぐらいスッキリ眠りたい。だからもう見られてもいいやって衣装をオフにして寝ていたのだけど……。


「……こわい」


 もう、やだこの子……なんでソアレも裸でおれの寝てる布団の中にいるの?

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