11話! キャンプに行くです!【そのに】
「みんな、バーベキューできたわよぉ〜」
「おおっ!腹減ったぁ!!杏行こうぜ!」
「待つです秋ちゃん、雫ちゃんと薫子ちゃんを呼んでくるです〜」
「んじゃ先行ってるぞ」
「はいです〜!」
「お待たせです!では早速、キャンプといえばっ!?のビービーキューを楽しむです!」
「なんだそれ?ビービーキューって…BBQか…ダサいな…」
「気にしないでいいです、ビービーキューはビービーキューです」
「そうか…」
「うわぁ、大きなお肉!こんなの初めて見る〜」
「Tボーンですっ!」
「Tボーン?」
「牛肉の骨付きステーキのことです!真ん中にT字型の骨があって、左右に2種類のお肉がついているです!大きいのがサーロインで、小さいのがテンダーロインなのです!ちなみにテンダーロインが大きいのがポーターハウスステーキと呼ばれたりするです!」
「あ、ありがとう杏ちゃん…」
(テンダーロインってなんだろう…)
「あら、都会育ちの薫子にしてみたら、珍しくもないんじゃないの?」
「そんなことないよ、キャンプも初めてなんだよ私」
「杏たちは毎年ここにくるです!来年もまた一緒にくるです薫子ちゃん」
「うん!絶対にくる!」
「ほい、焼けたぞガキンチョども」
「柚ねぇもガキンチョです。ひょっとしたら…ひょっとしなくても杏たちよりガキンチョです」
「んなわけねぇよ、近頃ちまたで噂の柚様をなんだと思ってる?」
「どうしようもないクズ女だと思っているです」
「…可憐でスタイル良くて、輝く笑顔が素敵と大人気の柚様に対してよく言えたな!私の妹であることを感謝しろ」
「大雑把でぺったんこでジト目なクズ女の間違いです…杏の姉として不合格です…」
「何おぉ!」
「こら柚!大人しく食べなさい!」
「はい…」
「果音姉ちゃん!もっと言ってやるです!」
「あははは、柚姉ちゃんは果音姉ちゃんに弱いよなぁ!」
「うるせぇ秋!とっとと食って寝ろ!」
「誰が寝るかよ、食ったら遊ぶに決まってるだろ!」
「でもあんた、食べ終わったらもう川には入れないわよ」
「うん、危ないよ」
「雫もかおりんも忘れているのか!?夏!キャンプ!といえば花火じゃないかっ!」
「あ!花火するの!?」
「そうだよかおりん!たくさん持ってきたから!」
「秋のことだから、てっきり肝試しとか言いだすかと思ったわ…」
「なんだ雫?肝試しやりてぇのか?一緒に夜道を進むか!?」
「進まないわよ!柚ねぇだけでやってきたらいいじゃない!」
「なんだ、怖いのか?やっぱまだまだ小学生だなぁ」
「怖いなんて一言も言ってないでしょ!?」
バチッ!
「痛っ…何すんだよ果音…」
「あんた偉そうに言ってるけど、小5の時にお化け屋敷で怖くて泣いて、スタッフの人に外まで連れてこられたの忘れたの?」
「……なんのことやら」
「あの時私も大変だったんだからね!泣いて座り込んだまま動かないあんたを連れて帰るの!」
「そ…その節はどうもお世話になりました…」
「ダメ女にダサ女が追加されたです…はあっ…果音姉ちゃんがお姉ちゃんだったらよかったです」
「あ!私もそれは思うな!果音姉ちゃんがお姉ちゃんだったらいいなって」
「あら、二人ともありがとう!お肉どんどん食べてね!焼いてあげる!」
「ありがとうです!やっぱり果音姉ちゃんは優しいです!誰かと違ってです…」
「あんだよ!みんなして!うっせぇうっせぇ!」
「そんな曲あったね…」
「あ、知ってるかおりん!よく聞いてマネした!」
「うっせえのは柚ねぇだけで十分です!ごちそうさまです!いっぱい食べたです!」
「私もお腹いっぱいだわ、ごちそうさま」
「よし!んじゃ花火しようぜ!」
「ちょっと早すぎじゃない?」
「いいんだよ、準備してたら暗くなるさ!」
「私、お片付け手伝ってくるね」
「かおりんは真面目だなぁ、そんなの年上組にやらしとけばいいんだよ!特に柚姉ちゃんに」
「あぁ!なんか言ったか秋っ!?」
「なんもないよ〜っ!」
「でも悪いから、お皿洗ってくるね」
「みんな秋とは違うのよ、薫子待って。私も一緒に行くわ」
「ありがとう雫ちゃん」
「……最近、秋ちゃんから柚ねぇと同じ匂いがするのは気のせいです?」
「えっ!?本当に?」
「本当です…」
「雫!かおりん!やっぱ私も手伝う!柚姉ちゃんと一緒はやだ!」
「あぁ!?なんだって秋?」
「うわぁ!いっぱいあるです!」
「打ち上げ花火は禁止だからな、全部手持ち花火!」
「あら、ロケット花火が四本だけ入ってるわよ」
「あ〜、やっちゃあダメだから持って帰るわ」
「……柚ねぇ、そこで口開けて立つです」
「何すんだ?…こうか?」
「みんな、誰がロケット花火を柚ねぇの口の中に直撃できるか勝負です!」
「ちょうど4本あるしな…」
「私は…やらないよ…」
「薫子ちゃんはまだ被害にあっていないからそんなこと言えるです…」
「なら、私が2本いただくわ…」
「じゃぁ私からするです…」
「おい…何を向けてる?」
「口を開けたまま動いちゃダメです!」
「馬鹿か!死ぬわっ!」
「日頃の恨みを今返させてもらうわ…」
「お前ら馬鹿なのかっ!そんなもん人に向けたらダメだってわかるだろっ!?」
「こら、杏ちゃんたち。さすがにダメよそれは」
「ぬぬぬ…果音姉ちゃんが言うなら仕方なくやめるです…」
「ちぇぇ、柚姉ちゃんを始末するチャンスだったのに」
「秋、ロケット花火がもし柚の口に入らずに山の中に飛んで、火事にでもなったら大変でしょ?」
「確かにそうだな…」
「だから…」
「だから?」
「手持ち花火を直接口の中に入れればいいのよ!」
「……さすが果音姉ちゃんです!そうするです!」
「おい!果音まで何言い出すんだよっ!?」
「ふっ、柚…この際だから、私も日頃のあんたへの恨みを晴らすことにするわ…」
「…何を言ってる?」
「みんな!一斉に飛びかかって柚ねぇを縛り上げるです!」
『おおおっ!!』
「やめろっ!くるな!」
「大人しく諦めて、花火に焼かれてしまうです!」
「そうよ!大人しくするがいいわっ!」
「あははは!柚姉ちゃん本気で逃げないと知らないぞ!」
「待ちなさい柚!」
(柚さん…どれだけみんなに恨みを持たれてるんだろ……みんなはやったらダメだよ!)




