一握りの
「それでは鑑定を開始します。ラルシア・フローラ、15歳。種族はヒューマン。現在のレベルは1です。HP15、MP120。攻撃力が3……3?いえ、間違い無いですね。続いて防御力が10。魔法攻撃力が6に、魔法防御力が12になります」
やめて……3を2回も言わないで……
完全にびっくりして2回言っちゃった奴だよね?アナスタンシアさん驚いた顔してたもん絶対にそうだよね!?
「攻撃力や体力が比較的に低めなので、序盤は無理のないクエスト受注を心掛けつつ、レベルを上げていくのがベストでしょう。
さて、鑑定を続けていきます。力……3。俊敏が18に、器用65、運が90になります。……それにしても、凄いですね。ここまで偏ったステータスの方は、ごく稀です」
「……ごく稀、ですか」
穴があるなら入りたい。許されるならばその穴の中で一年ほど眠りたい。
「はい。ですが、レベルアップによりステータスは簡単に引き上げることが出来るので、ご安心ください。そしてラルシアさんの場合運がとても強い様です。運も実力のうちと言いますので」
……もしかして私、いま慰められてます?
「……それでは、スキルの鑑定に移りましょう。ラルシアさんは〝花の癒し手〟と言う固有スキルを持っている様ですね。レア度はプラチナレアです。回復魔法を使用した際に回復量が大幅に上がり、MP使用量は通常の二分の一になると言うスキルですね。
次に、通常スキルです。特級光魔法の才能をお持ちの様ですね。こちらもレア度はプラチナです。回復魔法も光属性の魔法なので、ラルシアさんは大変優秀な回復特化型かもしれませんね」
アナスタンシアさんが、興味深そうにスキルを読み上げる。
きっと固有スキルが1つしか鑑定されなかったのは、花神の守護というスキルのおかげだろう。確かあれはレジェンドレアのスキルを隠蔽する力があったはず。鑑定できなくなるか、一つ下のレア度で表示される仕様だった。
「次に、特級ブリーダーのスキルをお持ちのようですね。こちらもプラチナレアになります。当ギルドでは3階がブリーダー専門の階になっておりますので、早めにそこでブリーダー登録をされてみては如何でしょうか。
正直に言いますと、ここまでプラチナレアスキルを持っている人はプティ・エンジュの中でも極僅かです。存分にその才能を活かすことが出来れば、冒険者として。もしくは、ブリーダーとして有名になることも出来るでしょう」
……いやいや、そんなまさか。
特級ブリーダーのスキルは、きっと伝説のブリーダーが花神の守護によって一つ下のレア度で表示されているんだろう。
本当はそれレジェンドレアなんですよって言ったら、どんな顔するんだろう……
私が求めるのは伝説じゃなくスローライフだから、絶対に言うつもりはないけどね。
「さて、お次は上級農業スキルと上級ガーデニングのスキルですね。こちらは農業者ギルドに登録されている様なので、説明は省かせて頂きます。次はMP自動回復(小)になります。こちらはブロンズレアですね。
MPを一定時間で小回復してくれるスキルになります。パッシブスキルですので、MPが減った時に自動で発動され、MPが全回復するまで続きます。最後に、おさんぽと言うコモンスキルもありますね。……お散歩が楽しくなる。と言うスキルの様です」
そのスキルには、一番触れないで欲しかった。
今までの高レア続きのスキルの印象を相殺するレベルで、意味のわからないスキルだと思う。
……ほら、アナスタンシアさんもなんでこのスキルなの?みたいな顔してる。
「これで鑑定は以上になります。お間違いはないでしょうか?」
「はい。間違いありません」
「畏まりました。それでは鑑定結果は冒険者ギルドで大切に保管させて頂きます。ギルドカードには、スキルレア度とランクが記載されます。スキルについては冒険者ギルドで役立ちそうなスキルのみを抜粋してレア度のみカードに記載されます。スキル内容がカードを通じてバレることはないので、ご安心ください」
そうか、カードにそう言うのも記載されるのかぁ。確かギルドカードは身分証明書の代わりにもなるし、ランク等が載っていた方が信用度が上がるのかも。
「それではカードの発行に移ります。恐らく1時間ほどかかりますので、1時間後にこちらまで受け取りに来てください」
「ありがとうございます。それでは、また後ほどお伺いします」
受付カウンターを離れると、ロビーの右側に階段が見える。
どうせなら、ブリーダー申請でもしてみようかな。広いお庭で野菜やお花を育てながら、ブリーダー生活。
うんうん、中々夢がある。可愛いモフモフさんと一緒に暮らせるかもしれないって考えただけで、幸せだ。




