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宝花の軌跡 〜目指せ、最強スローライフ〜  作者: 逢坂ひより
病に倒れて異世界転生!?
11/22

異世界ショッピング

 



「ラルシアさ〜ん!!お待たせしました〜!!」



 午前10時55分。今日はローズウッドさんに街を案内してもらうため、農業者ギルドの前に来ていた。



 私を見つけて慌てて走って来たローズウッドさん。制服姿と比べると、彼女の私服はシンプルで大人の女性らしさもあってなんだか意外。


 大きな胸は変に強調されることなく、白いブラウスの中へときちんと収められていた。



「ごめんなさい、楽しみで少し早めに着いてしまって」



「あら〜!!嬉しい事言ってくれますね?それでは今日は、このローズウッド。全力で案内させて貰いますよ〜!!」



 ローズウッドさんは、上機嫌に歩き出す。



「そういえば、どこか行きたい場所とかってありますか?行ってみたいお店とかあったら、なんでも聞いてくださいね〜!」



「あ!!それなら、雑貨屋や洋服屋に行ってみたいです!あとは、食材を買えるお店とかですかね」



 現在自宅にあるのは、必要最低限の家具と少ない数の洋服。農業などを考えると洋服はやっぱり多めに欲しいし、シンプルな部屋は少し味気ない。



「ふむふむ。なるほどなるほど〜。それなら、先にお洋服を見に行きましょうか!安くて可愛い服があるお店を知ってるので、そこを紹介しますね!」



「ありがとうございます!ローズウッドさんは、普段着はシンプルな物が多いんですか?」



「やだぁ!ローズウッドさんなんて、やめてくださいよ〜!サリサって呼んでください!サ!リ!サ!」



「あっ……と、ごめんなさい。サリサさん、で良いですか?」



「さんもいらないのに〜!ま、いっかぁ。こうやって二人で街に遊びに来ているんだから、私たちはもう既に友人ですよ〜!名字呼びだなんて、他人行儀で寂しいじゃないですかぁ」



 ぷぅっと頬を膨らませながら、サリサさんが拗ねた様な表情をする。



 私よりも年上なんだろうけど、全然年上に見えないのは、何故だろう。



「あ!!ほらほら、あそこです!!バーバラの洋服屋って書いてある、あの看板のお店ですよ〜!店主のバーバラさんがとっても気さくな方で、面白いんですよ〜」



 サリサさんが指をさした先には、一軒の洋服屋。バーバラ洋服屋と看板に書かれ、ドアにはOpenの札がかけられている。



 建物自体もそれなりに大きく清潔そうで、一目で繁盛しているのがわかる店構えだった。



「バーバラさ〜ん!!いますか〜?お友達連れて来ましたよ〜!!」



 サリサさんは元気よくドアを開け、カウンターの奥の方に呼びかける。



 店内はとても綺麗に商品がディスプレイされていて、シンプルな洋服からレースのついた可愛らしい洋服まで、たくさんの種類が取り揃えられている様だった。



「なんだい、サリサ!!店の中で大声出すんじゃないって、いつも言ってるだろうに!!おや、その子がお友達かい?見ない顔だけど、最近越して来たってわけかい?」



「お見事!!バーバラさん、さすがですねぇ?実は彼女最近越して来たばかりらしく、今日は街を案内してるんですよ〜!そこで、オススメの洋服屋としてこのお店を紹介したわけです!!どうです?えらいでしょう??」


 サリサさんはニヤニヤと笑いながら、バーバラさんにドヤ顔を披露している。


 一方バーバラさんは、恰幅の良い体をドンッと逸らし、胸を張っている。


「なるほどねぇ。どうせ、紹介したから安く売ってくれって魂胆だろう?全く、考えがお見通しだよ。仕方ない、引っ越し祝いだ!ちょっとまけさせてもらうから、好きなだけ買って行きな!」



「わ〜い!!さっすがバーバラさん、太っ腹ぁ〜!!やっぱり、そうこなくっちゃ!」



「お嬢ちゃん、挨拶が遅れたね。私はバーバラ。昔からここで洋服屋をやってる者さ。品揃えもここらじゃ結構良い方だから、ご贔屓にしてくれると嬉しいよ」



「あ、ありがとうございます!私、ラルシア・フローラって言います。先日引っ越して来たばかりで右も左もわからなくて……。今後とも、よろしくお願いします」



「あ〜!!堅い堅い!!!もっと肩の力を抜いた方がいいですよ〜。ね、バーバラさん!!」



「ああ、そうさ。この辺りの連中は砕けた奴が多いからね。貴族さんじゃない限り、ちょっとくらいゆるく行ったって怒りやしないよ」



 サリサさんが、バーバラさんの隣でうんうんと頷く。



「さて、それじゃあお喋りはこれくらいにして、お洋服でも見ましょうか!ラルシアさんは、どんなお洋服が好きなんですか?」



「う〜ん。シンプルな方が好きかもしれないです。シンプルの中に女性らしさの感じられる服……とか、いいなって思います」



「ああ!わかります〜!じゃあ、こんなのはどうですか?」



 サリサさんが手に取ったのは、白いワンピース。水色の細かな刺繍が施され、裾の部分には小さくレースがあしらわれている。



「この水色の刺繍、凄く可愛くないですか!?ラルシアさんの髪色にも合うし、絶対似合いますよ〜!今の時期だと肌寒いかもしれないから、上に羽織れるものとかがあるとバッチリですよね!」



 たしかに、サリサさんが手に取ったワンピースはシンプル且つ上品で、可愛らしいデザインの物だった。



「これ、凄く可愛いです!!控えめな上品さ、って言うんですかね?とにかく、素敵ですね。でもこれ、凄く高そうじゃないですか?」



「ふっふっふ。そう見えますよね?でもこれ、実は銀貨2枚で買えちゃうんですよ!!どうです、安くないですか!?」



 銀貨2枚……!!?

 確か、一般的な洋服の値段は銀貨3枚〜5枚だったはず。安っぽさもなく、こんなに丁寧な刺繍まで施されてるのに銀貨2枚だなんて……



「ち、ちょっと安すぎませんか!?」



「そこがこのお店の売りですからね〜。ほら、沢山買いたくなっちゃいません?」



 た、確かに……。

 安いから、思わず沢山買ってしまいそうになる。



 と言うか、サリサさんのセールストークに乗せられている部分も大いにあると思うんだけどね。



 それからしばらくの間買い物を堪能し、私は農作業用の服と外出用の服を3着ずつ選んだ。それにプラスして部屋着とパジャマを2着ずつと、靴下や下着などをまとめて購入した。



 合計銀貨19枚の出費になったけど、だいぶ安く収められたと思う。これは、バーバラさんとお店を紹介してくれたサリサさんに感謝しなきゃ。



 私達はバーバラの洋服屋を後にして、その後も街で雑貨などを見て回った。



 前の世界では、味わえなかったこと。



 私の憧れだったみんなの当たり前が、ここにはあった。女友達とお喋りしながら長時間のショッピングをしたり、露店でちょっとした買い食いをしたり。



 ──充実している。



 その言葉に、尽きた。




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