Chapter6-3
また、三週間過ぎちまったよ……-。すまない。
「ジェシカ………なんで、なんでここに?」
「ここにいるのは偶然でしたが、こんななりになられましてもこのジェシカ、お姉様の匂いには敏感でしてよ?」
質問に答えてない。それどころか、まずい状況だ。先ず、ジェシカはエストレア限定でどんなに変装してもすぐに見破る謎の能力を持っていた。本人曰く、愛の力だとのたまっているが。
だが、それよりもだ。よりによって彼女に見破られた上にこの公衆の場で自身の身の上を明かされたも同然の状態をどうにかしなくてはならないとエストレアの直感が過去最大に警鐘を鳴らしている。
というより、先ず突っ込みたいことがある。匂いってなんだ、匂いとは。
ジロリ、と睨むようにジェシカを見ると彼女は「あら、私ったら。お姉様、馬車の中にお入りくださいまし。」と言い、乗ってきた馬車へ誘導される。その前に買い物袋を回収しなくてはいけないのだが。そのことを伝えようと彼女に話しかけようとする。
「心配いりませんわ。既にカリーナが確保しておりますもの。」
「お嬢様、回収は終わりました。そちらの方の袋の中身は痛んでもいません。」
よくやったわ!とジェシカが言えば、カリーナと呼ばれた従者は頬を染めてありがとうございますと言う。
そも、マグスを除いて、オルステッド侯爵家の女は全体的にレズビアンの毛がある。
ジェシカとの出会いは、実に単純なこと。
あの日、ジェラルド王子とスーパームーンの下で語り合った驕った殿下をぶん殴った記憶の時。当時はまだ男爵位ではあったが、ブローチを取られそうになっていた子こそジェシカだった。
気絶した殿下を放ってブローチを拾うと当時のジェシカに手渡した。この時がジェシカにとっては天啓だったのだろう。
以来、何かと宮殿内で会うことが多かった。殆どストーカー紛いな行動だったが黙認していたが、宮殿内の個室に忍び込んで下着を取ろうとしたり、見るからにやばそうな淫香のする手作りのお菓子がいつの間にか置かれていたりと背中がゾクッとすることが相次いだが公爵という手前、黙認せざるを得なかったのだ。
そのためかクワイエット家とオルステッド家の交流が開始されそれぞれの得意分野にプラス要因として起用した。
シェートリンド王国の貴族は得意分野がある。それは、魔法の開発や発掘、医療、畜産、土壌改良etc………。多岐にわたり存在し、政治とは別で独自に取り組む事業と言った方がいい。それは国王より任命され、次代に継承していく。
エストレアのクワイエット家であれば軍事であり。目の前の彼女のオルステッド家は物質の研究だ。物から物へ変化する研究、錬金術といったほうがしっくりくるか。こう見えても、ジェシカは既に継承されており錬金の全てを手袋の下にある刻印に刻まれている。
以前聞いた話では、ジェシカは錬金術の過程で以下の簡易工程式を組み上げたという。
それは
・物質構築要素を魔力置き換え
・物質を空間ごと切り離し固定、入れ替える
・物質変換。例えば水をワインに、ワインを水にする
・物質定着、合体、融合。詠唱がいるが大規模な錬成を行える。
上にあげたものは、既に現当主であるマグスがその下地を完成させていてジェシカ自身はそれらを応用して僅か12歳で錬金術の秘奥とも言えるものを完成させたと言っていた。まだ、お披露目はできず残念ですというあたり一番に見せるのは陛下ではなく自分であるのがはっきりとわかる。
「ふう、やっと収めてきたよ。」
「あら、お父様。お父様、分かりまして?お姉様ですよ、お姉様!こんなところで見つかるだなんて、私思ってもいませんでした!」
不味い。そう判断したエストレアはすまない、と心の中で謝りつつ瞬時に魔眼を解放、マグスの認識を変更しておく。
こうすることで、真に心酔しているジェシカ以外はこの目の前にいる人物が行方不明になった令嬢であるとは思わないようにする。
「…………?ジェシー、何を言っているんだい?確かに似てはいるけれど別人ではないかな。何より、あのお方がシェアトに、ましてや冒険者になるはずがないだろう?」
「な、何をおっしゃってますの………お父様?」
わからない、というような顔をするジェシカ。周りを見て賛同するものを探すが既にカリーナという従女にも、御者に座る男にも、ジェシカ以外の人には認識をそらす処置を施した。
可哀想だが、エストレアという存在はまだ明かすわけにはいかない。ジェシカにも魔眼の術をかけようとしたが跳ね返されており効かないということがわかっている。
仕方ないな、そう呟くエストレアは潤んだ瞳でこちらに助け舟を求めるジェシカに耳元に口を寄せて呟く。ポン、と赤くしたジェシカはそのまま俯いてしまい言葉を話さなくなった。
「お姉様が、お姉様が、……………あ、あう、あう、あう……内緒、って、二人だけの……キュゥ」
どんな妄想を描いたのだろうか。真っ赤な顔をしてそのまま目を回してしまったようだ。慕われるのは悪い気はしないが今後においては慕われすぎるのも問題であろう。
エストレアはこの馬車内、というより大通り含むこの場一帯から立ち去る理由を得るべく魔眼を行使してよく似た別人だと認識させているから問題ないがどうにかして立ち去りたいと思っていた。体感では既に正午を過ぎている。このままではあの子達がお腹を空かせているに違いない。
「ふむ、君はなんだかそわそわしている。何か急ぎの用でもあったのかな?なんなら、送り届けようと思うのだが。」
急な申し出。理由を問われたので、冒険者であり、依頼として孤児院の務めをしていたと説明すると相槌を打っていたマグスが顔を御者席に向け何やら話している。
ジェシカはまだ目を回しておりしばらくは起きないだろう。父親であるマグスが何も言わないところを見るとジェシカの性癖?は知っているようで知らぬ顔をしているようだ。
「今、御者に話をつけてきたよ。このまま孤児院へ送っていこう。幸い、その孤児院は我が家も投資をした施設だ。視察がてらに乗せていこう、構わないかな?」
構わない、そう答えると彼はうなづき再度御者席に座る男に話しかける。すると、小さな衝撃が起きて窓から見える景色が動き始めた。
「娘から君がよく似ていると言われて、成る程よく似ているよ。本当に、あの方は何処にいらっしゃるのか。考えたくもないが、奴隷や魔物などに襲われてなどいなければいいのだが。」
付き合いがそれなりにある養父アーノルドの消沈した姿には心を痛まずにはいられない。付き合いを始めるまで関わりが薄かったが結婚した奥様方であるルーフィリアとの間に子を為さなかった故に養女として迎え入れたと聞いていた。血筋を大事にする貴族にあるまじき行為だがアーノルド自身一人っ子だったために他に継ぐべきものがおらずこれは特例だと周りの貴族たちも認めていた。
その溺愛ぶりは親愛を旨とするシェートリンド王国でもなかなかおらず何かあるたび飛び出そうとする彼を止めるアイアノス将軍とのやりとりは宮殿でもレオ、フローラの喧嘩並みに名物でもあった。
そんなにも似ていたのか。私は。そういう風にいうと大きくうなづいて肯定した。
とってつけた茶番な嘘であるが、エストレアが備え持つ『特殊な』魔眼は強力なため制御が困難である。
そう、見つめ返すだけで相手に恐怖のあまり体が凍結したかのように硬直させてしまう。祝誕会を襲った賊の最後は魔眼の停止凍結を受けたから。
認識を変えるために彼らに魅了をかけたがもし、魔眼の力が度を超えすぎたらどうなっていただろう。
恐ろしくなり、考えるのをやめた。
窓からの景色を眺め既に街を抜け孤児院へ向かっているようだ。まだ黄金色の穂ではないが小麦の畑が一面に見え、農業区にさしかかったようだ。
徒歩ではそれなりにかかる距離だが乗り物に乗ればあっという間だ。
マグスはまだ目を覚まさないジェシカの隣に座りきめ細かな金色の髪を手ですくうように撫でていると今更にジェシカが目を覚ましたようだ。
「う、うぅ〜ん。あら、ここは………馬車の中ですわね。はっ、お姉様はっ!!?夢のヴァージンロードを歩いていたはず………?」
第一にそれか。そう思わずにはいられない。きっとこの子の旦那に当たる人は苦労するだろうな、と彼女の未来を案じるエストレア。
『もうすぐ孤児院になります。旦那様もお客さんも準備お願いします。』
だが。その前に遅くなったことを皆に謝らないといけない。荷物を従者から受け取ると降りる準備を始めたのだった。
●●●
「遅い。」
眉を釣り上げ、腕を組んで眼下のエストレアを睨むアグニル。エストレアというと院長室の床に正座した状態だった。
「買い物を終わればすぐに帰ってきなさい、って言ったわよね?何処をほっつき歩いていたのかしら?」
「ごめんなさい。」
「全く、事情は貴方が連れてきた貴族様からある程度聞き取れたからお仕置きはここまでにしてあげるわ。人助けしたわけだし。しかも、その貴族様はここの投資者だっていうじゃない。叱るに叱れないわよ。」
そうなのだ。マグスを大黒柱とするオルステッド侯爵家は前にも言ったがこの孤児院に対して投資している。現在、マグス及びジェシカは院長と副院長らと一緒に施設を案内している。
急な申し出として出た視察に居合わせたアグニルはこめかみを抑え溜息を吐き、院長は目をぐるぐるさせていたがすぐに状況を飲み込みマグス達を連れていった。その後いい笑顔になったアグニルに耳を引っ張られてここに叩き込まれどれほどの時間かは知らないが説教を受けていた。
「でも!罰として夕食は貴方が作ること!それと年少の子達の歌のレッスンも貴方がやるのよ!」
随分と軽い罰……いや、それだけで済んだと思っておこう。ただ、はいと答えるのみだった。
さて、幼稚園、或いは保育園に通っていた時期に歌を歌った記憶があったはずだ。
ピアノを弾く先生に合わせて歌う。そんな記憶もあったと思う。どんなのを歌っていたか、もうおぼろげだが。
場所は施設内にある小ホール、既に子供達が待機していて自分たちしかいないのでキャイキャイと騒いでいる。エストレア、アグニル、施設の職員であるシスターが入ってきてもまだ騒いでいてシスターが手を鳴らして初めて静かになる。
「はい、よく出来ました。今日はお客さんがいらっしゃいます。お客さんに失礼がないようにしましょうね。」
はーい、元気に返事する子供達。
それを見た、同席しているマグスは満足げにうなづいている。ジェシカというとずっとエストレアを見ており他には眼中にないらしい。父親の急に出来た仕事に付き合わされているとはいえもっとこう、それらしく振舞ってほしい。
小ホールの窓際にポツンと置かれたオルガンは質素な装飾が施され年季も入って渋い美しさが目立つ。
今は置かれているかは不明だが学校に置かれている足踏み式のリードオルガンを一回り大きくした鍵盤を二つ増やし装飾のパイプも少し多いタイプ。教会などに置かれている大オルガンには程遠い。
試しに鍵盤の一つを鳴らしてみる。パイプに送られた空気が震えて音を紡ぎ出す。鳴らしたのは低音らしく沈むような音が出た。
「ちょっと試すからもう少し待っててくれないか?」
子供達に振り返りそう聞くとはーい、と元気に答えてくれる。
低音域から高音域、ドレミから始まって鍵盤を試す。
なんとなくだが掴めてきたので椅子に腰掛け流しで曲を奏でる。曲は『月光』あたりがいいと思われる。あれはピアノソナタだが一応、オルガンでも弾けないことはない。前世ではピアノのような鍵盤楽器も習っていた。これも、紅 諸葉としての経験が体を動かしている。
弾かれる曲に、幻想的な音が小ホールに響く。
シスターは驚いた顔をし、アグニルは意外そうな顔を向け、マグスはほう、といった顔をしてエストレアの所作を見ている。ジェシカに至ってはお察しである。あんな顔を表現できるわけがない。
この曲は本来ピアノで演奏するものである。曲名にもピアノソナタ第14番とあるのだから。
そも月光とはドイツの詩人レルシュタープの言葉がきっかけらしい。音楽評論家として大きな影響力を持っていたレルシュタープがこの曲の1楽章をきき、「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と例えたそうだ。この言葉が広まり、曲そのものが後世に月光と呼ばれるようになったとされ、さらに月光というネーミングを後押しした理由の一つに、ベートーベンのはかない恋物語があったかとか。
作曲当時ベートーベンが思いを寄せていた伯爵令嬢ジュリエッタ。この曲は、愛する彼女に贈ったとか。惹かれあった2人でしたが、境遇の差が生み出した壁は厚く、その恋はやがて終わりを迎え。切なく、はかない印象が月光になったという。ピアノであればそのような音が出るが、オルガンだと、さらに複雑味を帯びた澄んだ音として出る。
静かな湖面を思わせる光景に夜空に浮かぶ月の光を感じさせる曲に子供達もはやくも眠たそうになりそろそろ区切りをつけないといけない。
テンポが上がるサビに入る前にゆっくりと間隔をあけて静かに終えた。
ふう、と息を吐くとやれば出来たなと思う反面やらかしたと感じてしまった。
記憶では覚えていたことを出来たことに安堵し、そして、王宮抱えの演奏劇団並みの演奏を披露したことに心の中でやりすぎたと愚痴る。
この世界にはオルガンはある。数は少ないが金管楽器もある。が、モーツァルトのような天才もいなければベートベンのような指揮者や作曲する人はいない。
レラリアと呼ばれるフルートとハーモニカを合体したようなものが主体となっており吟遊詩人の歌う物語を元に数年かけて曲を作るのだ。
それを補佐するようにオルガンが奏でるが劇団の人には正直言って移動できない楽器なんて価値ないと思っているらしくこうして教会などに置かれているのが現状だ。
話が逸れたが、オルガンなんてものはこの世界では主役にはなれないはずなのにエストレアがオルガンソナタとして月光を弾いてしまいそれを貴族である彼らに冒険者であるはずのエストレアが弾く姿を見られたことが問題だった。
「見事だよ。即興かな、随分と心が落ち着く音色だった。君は何処かで誰かに師事してもらっていたのかな?」
「素敵ですわ、流石はお姉様!!」
パチパチパチ。拍手と共にマグスとジェシカは賞賛を送る。子供達も、シスターも、アグニルも果ては院長さえいつのまにか来ていて拍手していた。
「貴方、すごいのね。これからお願いしてもらおうかしら?」
「貴方そんなこともできたのね、すごいじゃない!」
「あ、いや、その………、」
どうしたらいいのか、わからずにしていると今度は子供達がそばに駆け寄り群がってくる。
「お姉ちゃんすごーーい!」
「すげー!」
「もっかい!もっかい聞かせて!」
「聞きたーーい!」
「私もやりたーい!」
「はいはい、エレンさんも困っているでしょう?まだお稽古の時間は終わっていないでしょう?」
シスターが見兼ねて助け舟を出してくれた。群がっていた子供達はシスターに諭されて渋々元の場所に戻っていく。
ありがとう、というと軽く会釈して後方に控えるべく戻っていった。
「ねえ、エレン?その弾いていた曲が試しだっていっていたわよね?なら、別にあるんでしょ?今日のレッスン用の。」
「ああ、一応考えてある。じゃあ、子供達を呼んでくれ。」
やってくる子供達は先の弾いていた曲の後ということもあり興味津々だ。それはほかのマグス然り、ジェシカ然り、院長然り、だ。
「ねえ、エレン。何を歌うのよ?」
「ああ、そうだな。『キラキラ星』だ。」
●●●
「今日もお疲れ様。エレンさんに意外な特技があったのね。」
「あ、ああ。それほどでもないさ。」
「何言ってんのよ、オルガンをあれだけの出来で弾いていて何謙遜してんのよ。不遇楽器にされているのにあんな曲が出来るなんて価値観変わったわ………。」
ここはアグニルとエストレアに割り当てられた部屋の中。レッスンと夕食を終え、子供達は寝に入っており、後は大人の時間だ。
部屋にポツンと置かれた簡素なテーブルに置かれたシナモンティーの香りが疲れを癒してくれる。
実は隣の部屋にはマグスとジェシカがおり、夕食を共にした後ジェシカの強い要望の元一晩泊まることになった。ジェシカの事だ、隙あらば夜這いなんてことをしでかすから安心できない。
「エレン、私は院長室に行ってくるわ。エレンはどうするの?」
「そうだな、湯桶とお湯を取りに行こうかと思う。少し疲れたからな。」
二人して部屋を後にする。が、この時鍵をせず、日用品などを一部置いていたことを後悔することになる。
それは出てからしばらくして戻った時だった。
木張りの桶に張られたお湯を抱えて部屋に戻ろうとしたエストレア。
部屋に着くなり、部屋が無造作に開けられおり何やら獣のような息遣いのようなものが。
侵入者と思ったがそのような存在が入るには場所的にありえない。桶を置き、足音を消して気配も消して下手人がいるであろう中へ入って行く。壁を背にして奥を確認すれば………
「すーはー、すーはー、すーはー。んーーーー!お姉様のスメルが詰まった下着、最高ですわ!!はあ、はぁ、はぁ……ダメです我慢ですのよジェシカ……あ、でも無理です!濡れて来てしまいました………。ふう、はぁ、はぁ、お姉様が口つけたティーカップ………い、良いですわよね、間接キスですもの、女は度胸ですわ我が家の家訓ですわ!!」
「ん、体が熱いですわ、お姉様の香りが漂うこの部屋にいるだけで……今なら誰もいませんし………。シチャっていいかしら………」
絶句、思考停止。エストレアはその光景に意識を失いそうになった。慕っていたことは知っていたし、多少ストーカーじみたことをしていたことも知っていた。が、これはないだろう。再開してからそんなに日が経ってないのにこんな光景を見せられて誰が得するのか。エストレアは得しない、絶対に。
そう戻りつつある思考を巡らせてどうするべきか考えているとジェシカはさらにエスカレートして行く。
半裸というか殆ど全裸に近い格好になってエストレアの洗濯したばかりの下着を頭に被り月夜をバックに踊り出す。慕いすぎたばかりの暴走、再開したばかりというのも拍車がかかっているだろう。
しかし、しかしだ。上に立つべき貴族の娘がこのような醜態を晒して良いものか、問うまでもあるまい。まして、出奔したクワイエット家と交流のある侯爵の家柄なのだからそれなりの振る舞いをして欲しいのだ。
もはや、傍観する必要はあるまい。流石にこれはない。彼女の名誉と父親のマグスの名誉のため、エストレアの貞操のために!エストレアは動く。低く体を落としてジェシカに肉薄していく。
彼女がこちらを視認する前にかなり手加減した手刀が彼女の延髄に叩き込まれジェシカは床に沈んだ。
毛布をかけてやり隣の部屋の扉を叩きマグスに回収してもらう。ジェシカの姿を見たマグスは悟った顔をしてすぐに苦笑するとありがとう、といい部屋に連れて行った。起きた後、はてさてどうなるのやら。取り敢えず、これで今夜は眠れそうだ。依頼はまだ続くだろう。
「さて、片付けるか。」
ジェシカが散らかしたものを急いで片付けて桶を入れてお湯に濡らした布を使い、体を拭くのだった。




