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魔導具の扱われ方

 魔導具を扱う商人としてリーブロ商会に近づくと決めたヴァーゴは、港湾都市ブルーカフスでの魔導具の扱われ方について調べた。

 商人ギルドに「レオ・ヴァンドール」という名前で登録し、ギルド内の受付や商人たちに顔を売るための挨拶をした。

 世間話も交えつつ、この街で魔導具がどの程度の売れ行きで、どのように使われているかも質問した。


 続いて、ギルドで紹介してもらった街の魔導具師たちにも挨拶へ向かった。

 自己紹介をし、魔導具がらみの話をし、それぞれの魔導具師の自慢や悩みなどを丁寧な口調と腰の低い態度で忍耐強く聞き込んだ。


 結果、ここブルーカフスでは魔導具の取り扱いはあるものの活況とまでは言えないことが判明した。

 そもそも魔導具は加工を施されたもの以外は魔力を持つ者にしか扱えないので需要が少ない。

 また、ブルーカフスは便利屋でもある冒険者が多く治安もいいため、魔法銃のような戦闘用の魔導具はまず出回らないとのことだ。

 街で流通しているものは加工されて通常より長く使えるランプや、硬い食材を少ない労力で切るために加工された刃物など、生活用品として使われるものが主流らしい。

 魔導具師によって加工された商品は値が張るため、庶民からするとかなりの高級品として扱われているようだ。


 そのため、魔導具に関する知識は工業都市ダンカランの外へほとんど出回っていないということもよく分かった。

 職人、とりわけ魔導具師は変わり者が多く、場所によっては重宝されるものの迫害を受けることもあり、ダンカランから外へ出ていくのは奇特な者に限られるらしい。

 赤錆の街テアーズでの魔導具師の需要はかなり特殊なケースだったと考えたほうがいい。


 以上のことから、ヴァーゴは魔導具に詳しい商人として顔を売っていく方針を固めた。

 取り扱う商品も金持ち向けのものに限定する。

 庶民より金持ちのほうがリーブロ商会との繋がりを持つ者と接触できる可能性が高まるからだ。

 やり方としては今までと似たようなものだった。

 歓楽都市エクサリドや商工都市ベールトルードで自分を売り込んだ経験が今回にも活かせる。


 ヴァーゴはこれまでの旅路で得たものの多さを噛みしめ、自嘲気味に笑った。

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