第5話「四天王と相違」
【登場神物紹介】
( ^ω^)【雷魔神】:四天王の一柱であり、リーダー的存在。旅行の楽しみはなんと言っても食事。観光地で名物を味わい、旅館で豪華料理に舌鼓を打ち、バスでお土産を食べ尽くす。
( 'A`)【土魔神】:四天王の一柱であり、ムードメーカー的存在。なんだかんだ、旅行はホテルの部屋で友人とわちゃわちゃやっているのが一番楽しい。
(゜、゜*)【炎魔神】:四天王の一柱であり、紅一点。旅行は綿密なるスケジュールを立て、観光やレジャーを思いっきり楽しみたい。曰く、旅行は計画を立てる時から始まっている。
( ・∀・)【水魔神】:四天王の一柱であり、ツッコミ的存在。旅館でゆったりとした時を過ごし、自然の中で癒やれることがなによりの幸せと感じる今日このごろ。
( ФωФ)【闇魔神】:四天王の一柱であり、ダークホース。旅館の部屋の窓際にあるスペースで、謎の木製パズルと戦ったあの日。
──魔王城!!世界を統べる魔王の居城では、魔王に仕える強力な魔神:通称「四天王」により、日夜世界の命運を決める会議が開かれている!!
( ^ω^)「社員旅行どこ行きたい?」
( 'A`)「社員旅行、もうそんな時期かぁ」
(゜、゜*)「え、なに。行き先私達が決めていいの?」
( ^ω^)「らしいよ」
(゜、゜*)「じゃあ、私、海で!リゾートビーチで遊び倒したいわ!」
( ・∀・)「え~……俺は山が良いな。ゆったり温泉にでも浸かってさ……」
(゜、゜*)「あン?温泉なんて毎日入ってるんだけど?」(←住所:火山)
( ・∀・)「海なんて広いだけで何も無ぇっつってんだよ」(←住所:海)
( 'A`)「なーんか火花散ってんな。価値観の相違ってやつか」
( ^ω^)「まぁ、山育ちと海育ちじゃあ、好みも違ってくるだろ。そこんとこいくと、土魔神は余裕そうだな」
( 'A`)「旅行先が地底になることなんてねぇからな。どうせ社員旅行なんて旅館での宴会がメインなんだし。そういうお前は?」
( ^ω^)「俺は油ギットギトのベーコンとデロンデロンの謎スクランブルエッグのある朝食バイキングが付いてる旅館ならどこでも良いや」
( 'A`)「ビジネスホテルにでも泊まってろよ」
(゜、゜*)「海よ海!!」
( ・∀・)「いいや山だね山!!」
(゜、゜*)「海!」
( ・∀・)「山!」
( ^ω^)「川!」
( ・∀・)(゜、゜*)「だぁってろ!!」
( ^ω^)「こっわ。おふざけなしのガチ討論じゃん」
( 'A`)「普段の俺達じゃあ考えられないな」
( ^ω^)「……あれ?じゃあ俺たち四天王はわざわざ魔王城に集まって一体何をしてんだ……?」
( ^ω^)「う、頭が……」
( 'A`)「深く考えるな。深淵が覗きに来るぞ」
( ・∀・)「お前ら!自分には関係ないって顔してるんじゃねぇぞ!?」
(゜、゜*)「そうよ!アンタ達は海と山どっちに行きたいのよ!?」
( ^ω^)「飛び火してきたぞ」
( 'A`)「いやホントにどっちでもいいんだけど」
(゜、゜*)「どっちでもいいなんて言う子はお留守番よ!」
( ・∀・)「進みたくば選べ!それしか道はない!」
( ^ω^)「コイツらこんな面倒くさい奴だったか?」
( 'A`)「真面目だからこそ日頃の疲れが相当溜まっているとみた」
( 'A`)「じゃあ分かった。俺は社員旅行なんて結局宴会だと思っているからな……旨い酒が飲める方に一票」
(゜、゜*)「勝った!昼間を常夏のビーチで遊んだ後、生温い夜の潮風靡くビアガーデンで飲むキンッキンのビールこそ至高ッ!!」
( ・∀・)「いいや違うね!温か~い露天風呂に浸かって心身を癒やした後、火照った体に流し込むビールこそ極楽ッ!!」
( ^ω^)「くぅ~!これはどちらも旨いに決まってらぁな!!」
( 'A`)「これは……迷うな。ビアガーデンも温泉も捨てがたい……」
( ・∀・)「……サウナ……」ボソッ
( 'A`)「……えっ?」
( ・∀・)「サウナ、あるよ」
( 'A`)「山に一票ッ!!」
( ・∀・)「っしゃおらぁ!!」
(゜、゜*)「なんでよ!サウナなんて海にもあるわよ!」
( 'A`)「あ、そうなの?それじゃあ……」
( ・∀・)「でも俺が推す旅館にはフィンランド式サウナがあるから……」
( 'A`)「……勝ったな」
( ・∀・)「あぁ」
(゜、゜*)「ぐっ!これじゃあ一対二……雷魔神は!?」
( ^ω^)「あ、俺は海で」
( ・∀・)「なにィ!?」
(゜、゜*)「っきゃオラァ!!」
( 'A`)「なんで?お前そんな海好きじゃねぇだろ」
( ^ω^)「俺ビアガーデンのモッソモソも焼きそばとか、長時間経ってカチカチになった揚げ物とか好きなんだよね」
( 'A`)「そうか。よかったな」
( ・∀・)「いや、海の幸は?そんなモノで満足できないだろ?」
(゜、゜*)「でも分かるわ。あのチープな味がビールに合うのよ」
( ^ω^)「然り」
( 'A`)「しかし、これでまたしても五分五分か……というより、俺達で話し合っても、大抵こうなるんだよな」
( ・∀・)「四天王だからね」
(゜、゜*)「待ちなさい……まだ闇魔神が残っているわ」
( ・∀・)「ッ!」
( 'A`)「そうか!四人では拮抗してしまう勝負も、五人ならば決着がつく!」
(゜、゜*)「その通り!四天王が五人なのは、今日この日の為だったと言って過言ではない!!」
( ^ω^)「過言だよ」
( ・∀・)「だが、その闇魔神は今どこに?」
( 'A`)「なんか労務部に用があるとか言ってたぞ」
( ^ω^)「なんだろ。同僚や上司に不満でもあんのかな」
( 'A`)「……ありそうだな」
( ・∀・)「日頃、疲れが相当溜まってそう」
(゜、゜*)「この話は止めにしましょう」
( ^ω^)「そうだね」
ドアガチャ
( ФωФ)「あ、すみません。お待たせしました~」
(゜、゜*)「海!?」
( ・∀・)「山!?」
( ФωФ)「え?……川?」
( ・∀・)(゜、゜*)「どっちがいい!?」
( ФωФ)「とりあえず何を聞いているのか説明が欲しいですね」
( 'A`)「社員旅行の行き先だと。海に行くか山に行くかで、その二人がモメてるんだ。それで多数決を取ったんだが、どうにも決まらなくてな」
( ^ω^)「闇魔神の一票に命運を託そうという訳だ」
(;ФωФ)「う……なんか知らない内に大役を任されている……」
(゜、゜*)「ちなみに、どっちでもいいって言ったら留守番ね」
( ФωФ)「え?じゃあ僕は留守番で良いです」
(゜、゜*)「……は?」
( ・∀・)「え?」
( ^ω^)「こ、これがジェネレーションギャップか……!!」
( 'A`)「知っているのか雷魔神」
( ^ω^)「価値観の相違ってやつだ」
本日の議題:社員旅行の行き先
結論:毎度のことながら先送り。
現状は海派二票・山派二票。闇魔神は棄権。




