第16話「四天王と価値観」
【登場神物紹介】
( ^ω^)【雷魔神】:四天王の一柱であり、リーダー的存在。生活の中で重要視しているのは、勿論『食べ物』。好き嫌いは無い。
( 'A`)【土魔神】:四天王の一柱であり、ムードメーカー的存在。休日は地元の友人達とバーベキュー。そんな感じの価値観。
(゜、゜*)【炎魔神】:四天王の一柱であり、紅一点。仕事と酒のサイクルをぶん回しながら生きてきたが、最近は別の道も探している。
( ・∀・)【水魔神】:四天王の一柱であり、ツッコミ的存在。自分が一番大事だと臆面もなく主張する。
( ФωФ)【闇魔神】:四天王の一柱であり、ダークホース。物事が円滑に進むことがなにより。
──魔王城!!世界を統べる魔王の居城では、魔王に仕える強力な魔神:通称「四天王」により、日夜世界の命運を決める会議が開かれている!!
(゜、゜*)「年末ってさぁ……実家帰る?」
( 'A`)「ん……あ~今年は勇者の件もあるから帰らないけど。なんで?」
(゜、゜*)「この歳になって実家に帰るとさ、『圧』ない?」
( 'A`)「『圧』って……」
( 'A`)「……結婚?」
(゜、゜*)「ん、まぁ」
( 'A`)「俺はそんな圧は感じないけど」
( ・∀・)「俺も無いなぁ」
(゜、゜*)「まだ私20代半ばよ?焦るにしちゃ早くない?」 ※20代…20万歳~29万歳
( 'A`)「親世代はそれくらいで結婚するのが普通だったらしいし。自分が結婚した年齢の娘が結婚してないんだから焦るよ」
(゜、゜*)「そんな凝り固まった親世代の常識なんて知らないわよ。現代はライフプランの多様化が進んでるんだから」
(゜、゜*)「価値観はWindows並の頻度で常に最新の状態にアップデートしておきなさいよ」
( 'A`)「サポートが切れてるんじゃねぇの?」
( ・∀・)「それ死んでるって言わない?」
( 'A`)「ほら、サポート切れでも動いてるシステムなんて世の中にごまんとあるだろ。それと同じだよ。親だって久しぶりに会う娘が気がかりで世話を焼きたいんだよ。価値観は合わないかもしれないけどさ。話くらい付き合ってやってもいいんじゃねぇの?」
( ・∀・)「まぁ親も親なりの優しさで心配してる訳だからね。こっちも少し親に優しくしてもいいんじゃない?」
(゜、゜*)「時代に取り残された者は生きた屍と同義。いっそ苦しまぬ内に介錯してあげることこそ優しさではないかしら?」
( ・∀・)「価値観をアップデートしろ」
( 'A`)「つーか炎魔神は毎日の如く酒飲んでるじゃん。彼氏とか居ないの?」
(゜、゜*)「ぁン?」
( ・∀・)「よせ土魔神。なにか地雷を踏みそうな予感がする」
( 'A`)「……四天王も多忙な仕事だからなぁ……なかなか時間も無いよなぁ」
( ・∀・)「二人はマッチングアプリ的なのってやってたりすんの?」
( ^ω^)「……」
( 'A`)「やってねぇな。仕組みがよく分からんし」
(゜、゜*)「なんか普通に使ってたら退会させられたわ」
( ・∀・)「何もしてないけど壊れたみたいに言うな」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「『きのこ・たけのこ、どっちが好き』みたいな議論はもう止めた方が良くない?」
(゜、゜*)「話の腰をへし折るの止めてくれない?」
( ^ω^)「目玉焼きにかける調味料とかさぁ。唐揚げレモンとかさぁ。今川焼き大判焼きの呼称とかさぁ。カップ麺の汁が東西で微妙に違うとかさぁ……」
( ^ω^)「どんだけ擦るんだよ。もうそれらの議論は食べ飽きてんだよこっちは」
( 'A`)「そんなもん暇な時の会話の種なんだから、気にするようなことねぇだろ」
( ^ω^)「違う違う。自分がする分には良いんだよ別に。問題は俺が書籍や画面越しにそれらを見る時だよ」
(゜、゜*)「最近はそんなに見ないと思うけど」
( ^ω^)「いいやあるね。この手の議論は既にそれ自体があるあるネタみたいなモンだからな。消えることはないのよ」
( ・∀・)「ふーん……」
( ・∀・)「ところで炎魔神は何で退会させられたの?」
(゜、゜*)「知らないわよ」
( 'A`)「退会させられた直前にもマッチング相手と会ってんだろ?多分、その相手が運営に苦情をいれたんだよ。何か心当たりとか無いか?」
(゜、゜*)「うーん……最後に会ったのは確か、酒好きっていう魔神だったわ、うん。ディナーを一緒にしたの」
( ・∀・)「いいじゃん。趣味合ってんじゃん」
(゜、゜*)「知らない内に朝になってて……右手には酒瓶が、左手には『勘弁して下さい』ってメモが握られていたわ」
( ・∀・)「テメェまた気ぃ失うまで飲んだのか」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「なぁ、もう止めないか。この話」
(゜、゜*)「え?雷魔神どうしたのよ急に」
( ・∀・)「今日はやけに大人しいな。いつもだったら土魔神と一緒に積極的に茶化しに来るのに」
( 'A`)「腹減ったのか?」
( ^ω^)「お腹が痛くなるんだよ。結婚の話を聞くと」
(゜、゜*)「なんで?アンタはそういうの特に興味なさそうなモンだけど」
( ・∀・)「……そういや雷魔神の家って、結構な名門だったな。だから話を逸らそうとしたのか」
( 'A`)「あ~、たしか親父さんも四天王だったっけ?」
( ^ω^)「そうだよ!言っとくけど、この中で一番『圧』感じてるの俺だからな!だって俺今実家住みだもん!」
( 'A`)「あぁ、魔王城から追い出されて実家に帰ったんだったなお前」
( ^ω^)「なぁにが帰省じゃ!俺は毎日、両親からのプレッシャーに圧されてんだぞ!」
(゜、゜*)「たしかに旧家だと、しがらみが多そうね」
( ・∀・)「そういう家ってやっぱりお見合いとかセッティングされたりすんの?」
( ^ω^)「それが無ぇんだよ!『今はそういう時代じゃないから』つって!でも圧力かけるなら、それ相応の事はすべきなんだよ!中途半端に価値観アップデートしてんじゃねぇぞクソ親父!」
( ^ω^)「そんで俺もマッチングの奴してんだけど、誰ともマッチングしないの!比喩じゃなくガチで!いいじゃねぇか炎魔神は、ディナーまで行けるんだから!俺は行けないの!毎日お袋の作った料理を食べれるの!いつもありがとうお袋!チクショウ今日もご飯が旨い!」
( ^ω^)「大体、俺なんかを好きになる女神なんて居ねぇよ!雷属性の四天王って肩書きだけで皆、なぜかイケメンを想像するんだ!バカ野郎、強さと属性と顔面には何の相関も無ぇよ!」
( ^ω^)「あー……」
( ^ω^)「この世の全てが憎い。醜い自分が憎い」
( 'A`)「おい水魔神、お前地雷踏んだみたいだぞ」
( ・∀・)「なに言ってんだ、最初から皆で踏んでたろ。俺は足を離しただけだ」
(゜、゜*)「爆発させてんじゃ無いわよ」
( 'A`)「炎魔神、どうだ近くに需要と供給がマッチした奴が居るが」
( ^ω^)「ッ!!」
(゜、゜*)「すみません」
( ^ω^)「あっ」
( ・∀・)「何も言ってないのに断られるって酷いな」
(゜、゜*)「悪いのは土魔神じゃない。私は間違った事が無いよう、予め断っておいただけよ。曖昧な返事でその気にさせるのも悪いじゃない。コレも優しさよ」
( 'A`)「ちなみに俺は何も考えずに発言した」
( ・∀・)「巨悪」
( ^ω^)「誰か僕を受容して下さい。誰か僕を救って下さい」
( 'A`)「なんか歌詞みたいだな」
(゜、゜*)「でも、私雷魔神のことは、心の中ではガンバレって応援するわ」
( ^ω^)「現実でも優しくしてよ」
<闇魔神が入室しました>
(;ФωФ)「すみません。遅れました」
( ^ω^)「闇魔神!コイツらまた僕をイジメるんだ!」
( ・∀・)「のび太みたい」
(;ФωФ)「へぇ?今日はなんですか?」
(゜、゜*)「イジメじゃないわよ。雷魔神が勝手に自爆しただけじゃない」
(;ФωФ)「じ……自爆したんですか?」
( ・∀・)「あぁ、違う違う。精神的な自爆だよ」
(;ФωФ)「それでも意味が分かりませんが……」
( ^ω^)「もう俺に優しくしてくれるのは闇魔神しか居ないんだ!」
(;ФωФ)「そんな優しくしましたっけ?」
( ^ω^)「ちゃんと俺の話を聞いてくれる所」
( ・∀・)「大事なことだね」
( 'A`)「ところで、闇魔神は実家帰ったりすんの?」
(;ФωФ)「えっ?実家?いや、帰りませんけど。何故それを今?」
( ^ω^)「ほら見ろコイツは俺の話なんて聞いちゃくれないんだ」
( 'A`)「聞く価値があったか?」
( ^ω^)「ある。価値観をアップデートしろ」
(゜、゜*)「いつの時代だって価値はゼロよ」
( ^ω^)「優しさが冷たい」
(;ФωФ)「あの……僕が来るまで、一体何の議論をされていたんですか?」
( ^ω^)「えっ?議論?」
( ФωФ)「……もしかして、また仕事とは関係ない話で盛り上がっていたとか?」
( ・∀・)( 'A`)(゜、゜*)「……」
( ^ω^)「いや、ちゃんとしてたよ議論」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「目玉焼きには醤油かソースか、とか」
本日の議題:目玉焼きにかける調味料について
結論:ソース(全会一致)




