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第十一話


牢屋の中で眠る猫人族の少女が、ミーにそっくりだった。

気付けば俺は、少女の頭を撫でていた。


ぼさぼさの黒い髪の毛を優しく撫でる。

その合間から生えている、二つの猫耳に触れてみる。

本物だ。

髪の毛とは違った黒くてもさもさな毛で覆われている猫耳。

俺の撫でている手に反応してか、時々ピコピコと動く。

こうしているとミーを思い出す。

ミーは耳の裏を指で撫でてあげると、気持ち良さそうに鳴いていた。


ミーとは撫で心地が違うが、とても懐かしく感じる。

ミーがもし人間だったらこんな感じなんだろうか・・・。


そんな事を考えながら撫で続けていると。


「あ・・・」


少女がゆっくりと目を開ける。

撫で心地が良くて少女が寝ているという事を忘れていた。

俺は慌てて撫でている手を離す。

少女はまだ寝惚けているのか、俺の顔をボーっと見つめている。

だが次の瞬間、少女は俺が目の前に居るのを認識したのか目を見開く。


「ひっ・・・」


そして、飛び起きて一瞬で俺から距離をとった。

少女は牢屋の奥の壁を背にしながら、怯えた目で俺を見ている。

心がズキリと痛む。

こうなることは分かっていたが。

だが、想像以上にくる物があった。

キ、キツイ・・・。

俺はショックで、少女の頭から手を離した体制のまま呆然としていた。

少女の視線が俺の手に向く。


「ひっ!」


少女はそれを見た瞬間、蹲ってガクガクと震えだした。

そして、ゼジルの記憶を思い出す。

少女についている首輪。

あれはつけている人を拷問する事ができる道具だ。

ゼジルはあれを使って奴隷達を痛めつけていた。


別に俺は首輪の機能を使ってないが、やった事はゼジルとほぼ同じだ。


未だに隅っこで震えている少女を見ていられず、俺は空になった袋を持って逃げるように牢屋を後にした。


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