魔王暗殺 2
「・・・えっ?」
マリーさんの放った一言は、まさにマシロのメテオ並みの威力だった。
「ああ、なるほど。マリちゃん頭いいねー。」
「いやいや、ちょっと待ってください。どうしてそうなるんですか!
それだったら、僕の考えていた作戦と大差ないじゃないですか。」
「ピエロは甘いなー。
結婚というのは『政略結婚』っていうのもあって、敵対していた者同士が和睦や臣従のためにすることもあるんだよ。
だからこの場合、『ピエロがマリちゃんを無理矢理お嫁さんにして魔王が人間大陸も征服をもくろんでいる』なんてことになれば様子を見るでしょ。」
「たしかに、言われてみればそうですけど・・・無理ありませんか?」
「ん?どこら辺が?」
「いや、昨日今日あったばかりの僕を好きになれというのはマリーさんも厳しいじゃないですか。」
「あ、いえ・・・。私なら大丈夫ですよ。
私、マシロさんもアリスちゃんのことも好きです。魔王様のことも・・・すき、ですから・・・。」
「ええぇっ!?」
「好きなら話が早い。好きじゃなくても私のいた世界では、顔も知らない相手と結婚するとかもあったから問題ないよ。」
「マシロお嬢様もマリー様も頭がいいですね。
坊ちゃまも、こんなお美しいマリー様を放っておいたら誰かにさらわれてしまいますよ。」
「ヒツジ大丈夫だよ。すでに、さらってきたようなものだからここにいるんだから・・・。」
やはり、マシロはどこかぶっ飛んでいる。
勉強はあまり得意ではないが、ずる賢い頭の切れるタイプだろう。
周りにこういう人間がいると迷惑極まりない。マシロが来てから散々振り回されている。
マシロはのあだ名は『マシロサイクロン』で決定だ。
城を案内がてら回って、アリスの部屋にも来た。
部屋に入れてもらいアリスにも話した。
だが、先ほどから相変わらずの不機嫌のままのようで夕飯まで寝かせてほしいと言っていた。
「女心がわからないのはきついわー。」
とマシロが僕に言っていたが、僕は男だから女の子の気持ちはわからない。
城の案内もだいたい終わったが、夕食にはまだ早い時間も中途半端なので僕の部屋で三人で世間話をすることにした。
マシロのことをもう少し掘り下げて話をしたり、魔族の説明、紙に書いて人物の説明。
「なんか私の時と違ってピエロ優しいねー。」
嫉妬しているのか冷やかしているのか。
まあ、マシロのことだから後者であろう。冷やかして苛めて喜ぶタイプ。
あとマリーさんから聞いたのは付き人の二人が『アイ』と『マイ』という姉妹らしい。腹違いの姉で昔から優しくしてくれるいい姉だということ。
『アイ』が姉で、泣いて額から血を流したほうが妹の『マイ』。
この姉妹にはマリーさんのことを頼まれている。外の世界も見せてほしいと言われたが、実際どうすればいいか僕自身わからない。
彼女にどこか見たいものや行きたい場所を尋ねたら、
「ここがどういうところか、どこに何があるか全くわからないんです・・・。」
マリーさんの言うのも無理はない。生まれてから一回も城から出ていなければそうなってしまうであろう。
僕も昔は似たようなもので、世間知らずの引き籠りだったのだから




