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私の知らない世界のページ  1

 自分の寝慣れたベットに比べると、スプリングがない分固く少々劣る。

 しかし布団はこちらのほうが断然いい。羽毛だろうか?柔らかく軽く身体を適度に覆ってくれる。


 夕飯はおいしかった。

 味付けは和食ではないが馴染みやすく、しょっぱくもなく濃くもなく。

 魔王城の夕食というぐらいだから、長いテーブルにドーンッとデカい肉が丸焼きで出てきて、魔王と私が二人っきりで食べるのを内心想像していた。

 デカい肉もあったし長いテーブルだったが、仕えている部下たちと一緒の食事で魔王も部下も笑顔の絶えない夕食だった。

 よくあるファンタジーの小説やアニメの魔王と違って、この世界の魔王は変わっている。身体は大きくなく威圧感も恐怖も感じない。大人しく温厚で、部下に対してもなかなか優しい・・・というか頼りない感じである。

 まあ、いじり甲斐はあるけど。


私自身、異世界に飛ばされて正直びっくりしている。

 まさか床に書いた魔法陣が、召喚するのではなく転移だったとは思いもしなかった。

 たしかに私は、ネットに書いてあった魔方陣から少々自己流にアレンジした。オリジナルと言ったところだろう。

 だけど、この世界に飛ばされて、あの『謁見の間』という部屋の床に書かれていた魔方陣もほとんど同じものだった。文字と大きさが違ったが、縮尺した形だけを見たら全く同じである。

この世界で最初に見つけてくれたのが、ピエロじゃなかったらもしかしたら私は殺されてもおかしくなかったかもしれない。

この世界は、昔あった大戦でピエロの父・前魔王は人間の勇者に倒された。その際に、魔族はこの魔大陸に追いやられ人間の大陸に来させないようにされた。

 魔族の中には、人間を嫌ったり恨んだりしているものも少なくはないらしい。

魔大陸の中心都市にあたる『魔都ピエルモ』。魔族の集まる都市の魔王城に転移してしまった私。そう考えるとピエロには感謝している。・・・けどそれを言ったらあいつは調子に乗りそうだからやめておこう。


 ピエロが連れてきた、執事でもあり近衛兵長でもある『ヒツジ・アドルフ』さん。

 ピエロが信頼すると言うだけあった。大戦でも活躍し、先代の魔王死後もピエロに右腕として仕えている。虐げられる結果っとなったにも拘らず、彼は人間に対して負の感情はなくむしろ友好的な魔族である。

夕食後に会った魔法長の『アリス』ちゃん。彼女はピエロと同い年らしい。

 来年成人ということ、、そして私も現在19歳で来年成人式を迎える。だからピエロもアリスちゃんも私も同い年ということだ。

 彼女はその歳にも拘らず、魔法長として魔法の指導や魔法の研究などをしているらしい。

 同い年には見えないほどしっかりしている。・・・というのは内面的なところで、外見も同い年には見えない。はっきり言って小学生である。

 金髪で長めで身長は私の肩ほどしかなく、華奢で胸はぺったんこ。これは幼女と言ったほうが正しい。

 妹のいなかった私は純粋気持ちで彼女が可愛いと思えた。

そんな幼女・・・彼女が魔法陣や転移魔法のことを調べ、私の世界に戻るためにいろいろしてくれるそうだ。

 だから、私も自分のことは自分で出来るようにするつもりだ。

 彼女に渡された本は私の世界で言う教科書のような物で、魔法についての説明などが書いてある。魔法の出し方、魔法とエネルギー、魔法の応用など。

私は自分で言うのもあれだが、勉強は苦手である。でも興味の持ったことはとことん突き詰める。

 魔法や魔法陣に興味持ったために恋愛などせずに学生生活という青春のほとんどを転移魔法の如く突っ走ってしまった。後悔はしていない。


この本によれば、『魔法とは精霊の力を借りて行う』と書かれている。

生きていくうえで、生物はいろいろな行動をしている。見たり聞いたり喋ったり、歩いて触って字を書いたり。その行動の延長線上に魔法というものがあるとされている。

手などの動作、魔法の詠唱、魔法陣の成形。そうして、精霊の力を呼び出し魔法を放つと。魔法には限界があり、その限界は使うものによって違うとされている。

魔法についてわかり易く書いてある。

 私もこの世界に来る前に、黒魔法だの白魔法だのやったけど全く駄目だった。第一、情報源がネットというのが間違いだったのかもしれない。

 

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