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誘拐された大魔王  1

 「はー。おいしかったー。」


 「満足いただけて光栄です。」


 食後、僕とマシロは魔女のことや魔法陣、転移魔法のことを聞くために魔法長のアリスの元へ向かっているところだった。

 アリスは女の子で僕と歳も近い。

 年齢の近い女の子は城にはあまりいなかったが、マシロが来たため二人は仲良くなれるはずだ。マシロだって男の僕に言いづらいこともあるだろうし。

当のマシロはというと、夕飯にとても満足しているようだった。


 「それにしても、ピエロがキノコ嫌いだなんて・・・ップ!」


「笑わないでください。・・・まったく。」


「でも、私のところで食べていた料理といくらか似ていたけど、違う部分もけっこうあったな。」


 「なるほど。僕も、人間の料理食べたことないので気になります。」


「でも、めんどくさいから私は作らないからね。」


「はいはい、わかりました。さてと、着きましたよ」


コンッコンッ


「アリス僕だよ。夜分ごめんね。

話がしたいんだけど・・・ちょっといいかな。」


「な、なによこんな時間に! 女の子の部屋にこんな時間に訪ねてくるなんて・・・そんなに大事な話なの?」


「うん。まだヒツジしか知らない重要なことなんだ。ダメかな?」


「・・・鍵、開いてるから入っていいよ。」


最近、魔法研究ということで自室にこもる時間が長くなっている。

 最後に顔を合わせたのも三日ほど前だ。あまり無理をさせないように言わなければ。

ガチャッ

彼女の言うとおり鍵は開いていた。

 久しぶりに入ったアリスの部屋は、本がたくさん増えているがとても可愛いらしい内装で何故だか甘くいい匂いがした。

出迎えてくれた彼女は、薄着の寝巻でちょっと・・・というかすごく背丈に似合わずセクシーな格好だ。


「ピエロ、またいやらしいこと考えてる。」


「何を言うんですか急に!そんなことないですよ。ただちょっと・・・。」


「だ、だだ誰なのよコイツ!こんな時間に訪ねてきて女連れってどういうことよ!」


「ま、まあとりあえず中入れてもらっていいかな?」


「フンッ!」


何故だかアリスは、マシロを見るなり急に不機嫌になった。

もしかしたら人間と疑っているのかもしれない。そしてアリスは人間が嫌いなのかも・・・。

そうすると、アリスにはマシロが人間であるということは伏せておかなくてはならない。

 秘密はなるべく共有したいところだが安全にいかないと。


「アリス、こちらの方はヤマダ マシロ。

そして、マシロ。この方が魔法長のアリスです。」


「初めまして。ヤマダ マシロです・・・。

お嬢さんはいくつかなー?」


マシロはおもむろにしゃがみ、アリスの頭を撫ではじめた。

彼女の身長は少々小さい。僕の身長が170cm・・・くらいだが、彼女の身長は肩ほどの高さしかない。150cmくらい・・・いや、それよりも低いだろうかだろうか。


「な、な何をするのよ!私はエルと同い年よ!」


「ん、エルって?」


「ああ、僕のことです。ピエーロ・エルドリア・ログフォンス・マケロニオ・フロモルカ・ジャグリック・タンポーポ・ルド・オンガラスタイア・ダモン。のセカンドネームからきています。ピエーロは魔王家代々のファーストネームですので。

僕もアリスも来年成人です。」


「へー。 私も、来年成人だからみんな同い年だ。」


「まったく、失礼な奴ね。」


「ごめんねー。アリスちゃん・・・小さくて可愛いねー!」


「ぎゃぁあゝ!!」

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