策
またまたバトルでございます
僕の力は、『不完全』な不死性。
殺されても殺されても、死んでは生き返り、死んでは生き返りを繰り返す。
僕には、常人の約3倍ほどの治癒力がある。けれど、所詮人間の3倍。大したものじゃあない。さらに、この力は、心臓にナイフが突き刺さったままだと死んで生き返ってというエンドレスループが発生する。............そのまま放置して置いたら、ゾンビとかになるんじゃないか?僕。まぁ、それもただの推測。やってみないと真実は分からない。だとしてもそんなリアル生き地獄なんてやりたく無いな。
そんな感じで、僕の力はあくまで『不完全』。欠点だらけの欠陥品だ。博士がいなかったら、僕は本当にゾンビ化していただろう......いなかったら、そもそもこの力さえも、持つことは無かったんだろうけど。
さて。
そんなわけで。
僕は一人寂しく、廃墟と化した小工場にいるわけだが。
「はぁぁぁぁあー」
策、というのはつまり、白石の誘拐工作である。
白石が寝た頃を見計らい、『死神』本部に白石を誘拐したという偽の電話を送る。そうすれば、次の刺客はすぐにここに来る。当然だが、白石は、ここにはいない。今頃、家でぐっすり眠っているだろう。
まぁ、こんなことをしたって、結局はただのその場しのぎ。いつかは、大元である『死神』自体を倒さなきゃいけないんだろうけど。今はまだ、その時ではない。
そうして、つらつらと考え事をしていると。
工場の入口で、ちょうど影で顔が見えないような位置に、誰かが、いた。
身長は、150cmから160cmほど。服装的に、少女だろうか。
「やっとお出ましか?遅かったな。待ちくたびれたぜ」
なんか死亡フラグめいた発言をしているのは気のせいだろうか。
「............」
少女は、答えない。
そして、無言のまま、こちらに近づいてきた。徐々に、少女の顔が見えてくる。
11歳くらいの体型に、金髪の、肩までのショートカット。白いワンピースに、整った顔立ちは、まるで、人形のようだった。
うあー。これは、殺しにくい。いくら『死神』だと分かっていても、殺すのを躊躇してしまいそうだ。
それでも。
それでも––––––殺すけど。
「言っておくけど、ここに白石はいないよ。あれは、お前らを誘き寄せるための餌だ。そして、これは罠。お前らなんかに、白石は渡さないよ」
そう言って、僕はナイフを構える。
多分、こいつも『人外』だ。雰囲気で分かる。それに、ここまで幼い年齢で『死神』に入るということは、相当の実力の持ち主だろう。
「さぁ。始めようか」
「............」
彼女は、喋らなかった。
「殺し合いを」
バァン、という声が聞こえた。
それと、ほぼ同時に。
僕の体は、後方に吹っ飛んだ。
そのまま、工場の壁に打ちつけられる。
「がっ、っはっ!?」
何が起こった?
何が、起こったんだ?
腹の上に、何か重たい感触があった。
「な、んだ、よ......これ」
「それはただの石だよ。お兄ちゃん」
これは、一体、誰の声だ?
目の前を見る。そこに、さっきの少女がいた。手を、銃の形にして、僕の方へ向けて。
「殺し合いなんて、できないよ。できるのは、一方的な、暴力。アリスは、そういうの好きじゃないんだけど......」
そう言って。
アリスという少女は、にっこり笑って。
「お兄ちゃんが弱いから、仕方ないよね」
そう言ったのだった。
次回、『万物の弾丸』!!
作者は中二病気味だった!!てか中二だった!!
お楽しみに!!




