潜入
新キャラです。
過去編終わるかな......?
なんで、僕は鈴芽を助けようとしているのだろう。
ここまで来て、僕は弱気になっていた。
目の前には、鈍く光る鉄の壁で覆われた、研究所。その、入り口があった。
意志があってこその力。
何より大事なのは、意志なのだ。
「よぉし......」
自分に、言い聞かせる。
誰かを助けるのに、理由なんていらない。
いや。
多分僕にとっては、鈴芽だったからこそだろう。
他人だったら、ここまではしない。
鈴芽だから。
似合わないのは分かっているつもりだ。心変わりもいいところだろう。
だけど、幼馴染の一人や二人助けられなくて、何ができる?
助けようとせずして、何ができる?
今からでも、間に合うはず。
言い聞かせ、思い聞かせ、念じ聞かせる。
恐怖を、打ち消すために。
研究所の入り口は、無人だった。不用心じゃないか? いくらなんでも。
さぁて。
扉に、手を付ける。鉄から伝わるひんやりとした感触が指先に伝わり、熱を奪っていく。
そのまま、手を押し出す。
ギィィィ、という音がして、扉が開き、建物の中が見える。
『侵入者だ!! 侵入者がいるぞ!!』
ギィィィ。
中からなんか聞こえてきたぞ。
扉を閉める。......なんか、ばれてないか? というか、ウェルカムじゃなかったのか?
もう一度、扉を開ける。
『侵入者だ!! 銃を構えろォォ!!』
ギィィィ。
またもや、扉の向こう側から声が聞こえた。
冷や汗が全身をつたう。鼓動も心なしか、速くなっているみたいだ。
「おーい、博士? 明らかに罠だよね、これ」
電柱にもたれかかって、遠い目をしていた博士に話しかける。
「そうみたいだね。うーん、罠を突破すれば、会えるんじゃないかな?」
無気力全開で博士は言う。
「死ねってことか!?」
「だぁーから、死なないって。何度も言っているだろう?」
「いやさ、死ぬのは一応置いといて、それでも、かなりの時間がかかるんじゃないか? こっちから行くと」
待ち伏せしている敵を、全員倒していかなければいけないんだから。
研究員が銃を構えるってのも、なかなか不思議だけど。
「まぁ、一回行ってみたら? そんな弱気じゃあ、誰も守れないぜ?」
「そりゃあ、そうだけどさ......」
「ほうら、善は急げ、急がば回らず、急行より特急、地下鉄より新幹線だ。がんばれー」
なんか、言いくるめられてる気がする。
だけど、言ってることは確かだ。
こんなとこで立ち止まってちゃあ、なにも進まない。
息を吸う。吐く。吸う。吐く。
鼓動を落ち着け、心を落ち着け、自信を保ち、勇気を持つ。
扉を、開ける。
先程とは打って変わって、何も聞こえなかった。その違いに、なにか、恐ろしいものの予兆を感じ取る。
目の前には、鉄に囲まれた道。その先に、なにやら開けたところがあるが、よく見えない。
足を踏み出し、前へ進む。どこにいるかなんて分からないけど、足踏みしてるよりは、前に進んでいた方が良い。
進む。
進む。
進む。
「なんだ? このにお......いッ!!」
開けたところは、螺旋階段に続いていた。下を見ても、どこまで続いているか分からない。
いや。今は、そんなことよりも。
「......ッ––––––ッ!!」
嗅覚がおかしくなるほどの、血の匂い。
そこら中に散らばっている、人。
ピクリとも動かず、階段に転がっている人間に対して、疑問を抱くべきだろう。
全員が、白衣を着てボロボロになっているってことは、研究員ってことで、間違いないだろう。
一人だけ。
一人だけ––––––違う奴が、いるけど。
「よぉ。お前も俺を、止めてぇのか? いや、お前が何と言おうと、俺は止まらねぇけどさ」
燃えるように赤い少年は、そう言った。
次回、『赤の悪魔』!!
いつになるかわからないけど、お楽しみに!!
勉強やりたくない!!




