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不完全少年の憂鬱  作者: 仲村薫
過去編
18/20

潜入

新キャラです。

過去編終わるかな......?

なんで、僕は鈴芽を助けようとしているのだろう。

ここまで来て、僕は弱気になっていた。

目の前には、鈍く光る鉄の壁で覆われた、研究所。その、入り口があった。

意志があってこその力。

何より大事なのは、意志なのだ。

「よぉし......」

自分に、言い聞かせる。

誰かを助けるのに、理由なんていらない。

いや。

多分僕にとっては、鈴芽だったからこそだろう。

他人だったら、ここまではしない。

鈴芽だから。

似合わないのは分かっているつもりだ。心変わりもいいところだろう。

だけど、幼馴染の一人や二人助けられなくて、何ができる?

助けようとせずして、何ができる?

今からでも、間に合うはず。

言い聞かせ、思い聞かせ、念じ聞かせる。

恐怖を、打ち消すために。

研究所の入り口は、無人だった。不用心じゃないか? いくらなんでも。

さぁて。

扉に、手を付ける。鉄から伝わるひんやりとした感触が指先に伝わり、熱を奪っていく。

そのまま、手を押し出す。

ギィィィ、という音がして、扉が開き、建物の中が見える。

『侵入者だ!! 侵入者がいるぞ!!』

ギィィィ。

中からなんか聞こえてきたぞ。

扉を閉める。......なんか、ばれてないか? というか、ウェルカムじゃなかったのか?

もう一度、扉を開ける。

『侵入者だ!! 銃を構えろォォ!!』

ギィィィ。

またもや、扉の向こう側から声が聞こえた。

冷や汗が全身をつたう。鼓動も心なしか、速くなっているみたいだ。

「おーい、博士? 明らかに罠だよね、これ」

電柱にもたれかかって、遠い目をしていた博士に話しかける。

「そうみたいだね。うーん、罠を突破すれば、会えるんじゃないかな?」

無気力全開で博士は言う。

「死ねってことか!?」

「だぁーから、死なないって。何度も言っているだろう?」

「いやさ、死ぬのは一応置いといて、それでも、かなりの時間がかかるんじゃないか? こっちから行くと」

待ち伏せしている敵を、全員倒していかなければいけないんだから。

研究員が銃を構えるってのも、なかなか不思議だけど。

「まぁ、一回行ってみたら? そんな弱気じゃあ、誰も守れないぜ?」

「そりゃあ、そうだけどさ......」

「ほうら、善は急げ、急がば回らず、急行より特急、地下鉄より新幹線だ。がんばれー」

なんか、言いくるめられてる気がする。

だけど、言ってることは確かだ。

こんなとこで立ち止まってちゃあ、なにも進まない。

息を吸う。吐く。吸う。吐く。

鼓動を落ち着け、心を落ち着け、自信を保ち、勇気を持つ。

扉を、開ける。

先程とは打って変わって、何も聞こえなかった。その違いに、なにか、恐ろしいものの予兆を感じ取る。

目の前には、鉄に囲まれた道。その先に、なにやら開けたところがあるが、よく見えない。

足を踏み出し、前へ進む。どこにいるかなんて分からないけど、足踏みしてるよりは、前に進んでいた方が良い。

進む。

進む。

進む。

「なんだ? このにお......いッ!!」

開けたところは、螺旋階段に続いていた。下を見ても、どこまで続いているか分からない。

いや。今は、そんなことよりも。

「......ッ––––––ッ!!」

嗅覚がおかしくなるほどの、血の匂い。

そこら中に散らばっている、人。

ピクリとも動かず、階段に転がっている人間に対して、疑問を抱くべきだろう。

全員が、白衣を着てボロボロになっているってことは、研究員ってことで、間違いないだろう。

一人だけ。

一人だけ––––––違う奴が、いるけど。

「よぉ。お前も俺を、止めてぇのか? いや、お前が何と言おうと、俺は止まらねぇけどさ」

燃えるように赤い少年は、そう言った。









次回、『赤の悪魔』!!

いつになるかわからないけど、お楽しみに!!

勉強やりたくない!!

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