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不完全少年の憂鬱  作者: 仲村薫
過去編
17/20

電話

勉強なんてしたくないー

*タイトル変更しました。すみません。

「潜伏場所は、ここの研究所。多分秦野君は、ここにいる」

地図の一点を人さし指で指しながら、博士が言う。

博士には、とりあえず僕の事情を話しておいた。鈴芽のことも、すべて。

博士の反応は、淡白だったけど。

「潜伏場所が分かったけど、問題は、どうやってここに攻め入るかだ」

相手だって、丸腰のわけじゃない。正面から堂々と入るのは、愚直だ。それに、入らせてもらえるかも、分からないし。

「いっそのこと、正面から攻めて行ったらどうだい? 相手も、さぞかし動揺するんじゃないか?」

「そんな一時的な動揺じゃあ、すぐにやられる......なにか、ないのか?」

「まぁ研究所の人たちも、侵入されようと思って建築したわけじゃあ、ないだろうしね。そう簡単には、見つからない」

それに僕は、研究所について何も知らない。今地図で見て初めて知ったんだから、当たり前だ。

「早くしないと......!!」

焦り。こんなところで、いつまで迷っているのか。時間は、刻一刻と進んでいる。

そんな時。

プルルルル、という、電話の鳴る音。

博士の携帯電話らしい。ポケットからガラケー(差別用語らしい。僕もガラケーだ)を取り出し、開く。

その瞬間。

博士の顔が、歪んだ。

恐怖を感じ、焦燥感にかられ、幸運に感謝し、現実から逃避しようとするような。

複雑な表情を、浮かべていた。

「もしもし。水野周太郎。なんのようだい? ......は? なんで、そんなことを......おい、ちょっと!」

そこで、博士は携帯電話を耳を離した。

「研究所で待っている、だってさ」

博士は、言葉の真意を考えながら、言った。

研究所......つまりは、鈴芽がいる場所。そこで、待っている? つまり、こちらの行動は、筒抜けってことか?

「電話の相手は?」

「『死神』の、誰かは分からないな」

非通知だったから、と呟く。その割には、驚いてたけど。

ただ、そう言う博士は、何かを隠しているような気がした。

「まぁ、相手がウェルカムなんだったら、こちらも正面から行っても、いいんじゃないかな?」

「罠がある可能性は無視出来ないけど......よし、そうしよう」

可能性の話をしたら、元も子もない。

よし。これで、最低限の条件は揃った。

「それじゃあ......行こう。『死神』のアジトへ」


結局は小分けになってしまいました。

次回、『潜入』!!

お楽しみに!!

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