電話
勉強なんてしたくないー
*タイトル変更しました。すみません。
「潜伏場所は、ここの研究所。多分秦野君は、ここにいる」
地図の一点を人さし指で指しながら、博士が言う。
博士には、とりあえず僕の事情を話しておいた。鈴芽のことも、すべて。
博士の反応は、淡白だったけど。
「潜伏場所が分かったけど、問題は、どうやってここに攻め入るかだ」
相手だって、丸腰のわけじゃない。正面から堂々と入るのは、愚直だ。それに、入らせてもらえるかも、分からないし。
「いっそのこと、正面から攻めて行ったらどうだい? 相手も、さぞかし動揺するんじゃないか?」
「そんな一時的な動揺じゃあ、すぐにやられる......なにか、ないのか?」
「まぁ研究所の人たちも、侵入されようと思って建築したわけじゃあ、ないだろうしね。そう簡単には、見つからない」
それに僕は、研究所について何も知らない。今地図で見て初めて知ったんだから、当たり前だ。
「早くしないと......!!」
焦り。こんなところで、いつまで迷っているのか。時間は、刻一刻と進んでいる。
そんな時。
プルルルル、という、電話の鳴る音。
博士の携帯電話らしい。ポケットからガラケー(差別用語らしい。僕もガラケーだ)を取り出し、開く。
その瞬間。
博士の顔が、歪んだ。
恐怖を感じ、焦燥感にかられ、幸運に感謝し、現実から逃避しようとするような。
複雑な表情を、浮かべていた。
「もしもし。水野周太郎。なんのようだい? ......は? なんで、そんなことを......おい、ちょっと!」
そこで、博士は携帯電話を耳を離した。
「研究所で待っている、だってさ」
博士は、言葉の真意を考えながら、言った。
研究所......つまりは、鈴芽がいる場所。そこで、待っている? つまり、こちらの行動は、筒抜けってことか?
「電話の相手は?」
「『死神』の、誰かは分からないな」
非通知だったから、と呟く。その割には、驚いてたけど。
ただ、そう言う博士は、何かを隠しているような気がした。
「まぁ、相手がウェルカムなんだったら、こちらも正面から行っても、いいんじゃないかな?」
「罠がある可能性は無視出来ないけど......よし、そうしよう」
可能性の話をしたら、元も子もない。
よし。これで、最低限の条件は揃った。
「それじゃあ......行こう。『死神』のアジトへ」
結局は小分けになってしまいました。
次回、『潜入』!!
お楽しみに!!




