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不完全少年の憂鬱  作者: 仲村薫
過去編
15/20

いや、その後が短かったら、頑張って四話に収めようとした意味がないでしょうに。

というわけで、多分六話くらいになるかと......

「私の名前は、水野周太郎。水野博士と呼んでくれ」

その男、水野博士は、確かにそう呼ぶに相応しい格好をしていた。

グレーのスーツの上から前の開いた白衣を着て、黒縁の眼鏡にもじゃもじゃの天然パーマは、確かに博士を思わせる............どちらかというと、研究者じゃないか?

そんなどうでもいいノリツッコミはさておき。

「力って、言うのは、どういう......?」

「そのまんまの意味だよ。ただまずは、君のその怪我を『直さ』なきゃね」

そう言って水野博士は、住宅街の塀に座り込んでいる僕のところへ近づき、銃弾で撃たれた腹の部分に手をかざす。

「な......にを」

「見てれば分かる」

水野博士の手が、僕の傷口に触れた。

「.......ってぇ!!......」

「少しの間だから、我慢してくれ」

すると。

水野博士の手がかざされた部分の傷口が、みるみる閉じていった。まるで、元の状態に戻ったように。

「これは......なんで」

信じられない。

最初は、そう思った。

人が手をかざしただけで、傷が治るはずがない。

異次元。異常。異様。異端。

「これは、私の力なんだ。『修復能力』。触れるだけで、大抵のことは直せる。直すだけで、治せはしないけど」

「でも............」

「信じられないか?でもそれは、自分を守ってるだけだ。ハリボテの常識で自分を固めて、壊れることを、壊されることを、恐れてる」

そう言って、水野博士は体のあちこちの殴られたあざを、直し始めた。

「殻を破れ。非常識を受け入れろ。じゃないと少年君は、いつまで経っても進めない。............さてと。修復も終わったことだし。本題に、行こうかな。

少年君は、力が欲しいのかい?」

力。鈴芽を助けるための、力。

鈴芽が助かるための、力。

それがあれば、鈴芽を助けられる。

「力が......欲しい」

そう言うと、博士は白衣の中に手を入れて、一つの試験管のようなものを、取り出した。真っ赤な、試験管を。

「中に入ってるのは、血だ。力を持つ者の、血。これを少年君の体内に入れれば、少年君は力を得る」

「そんなに、簡単なのか?」

「あぁ、簡単さ。さて、じゃあ、ここで二つ、忠告したいことがある。言っておくが、君は実験体だ。失敗する可能性もある。それについては、いいかい?」

「あぁ、大丈夫だ」

「そして、二つ目の忠告なんだが。この力は、多分、君が思っているようなものじゃない。

完全なる『不完全』だ。それでも、いいのか?」

「どんなに小さな力でも、無いよりはましだ」

そう告げる。

無力さは、痛いほど味わったから。

「鈴芽を、助けなきゃいけない」

あぁー。さっきから、そればっかだなぁ、僕。

「だから、僕に力をくれ」

でも。これが、僕の憧れる、主人公なんだ。

「分かった。じゃあ、飲んでくれ」

「飲むのか!?............いや、分かった。飲むよ」

まさか、直接飲むことになるとは思わなかった。

注射器とかを使うのかと。

試験管を受け取り、中の血を覗く。

綺麗で、透き通るような赤。

そしてそれを。

一気に、飲んだ。

鉄分のなんとも言えない味が、口いっぱいに広がる。

そうして。

僕はむきむきになったとか。

そういう変化はなかった。

「......?何の変化もないぞ?」

そう言うと。

「じゃあ、試してみるか」

そう言い、博士は拳銃を僕の心臓に突きつけ。

「ちょっと失礼」

撃った。




水野博士登場です!!

次回、『異能』!!

お楽しみに!!

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