絶対元の姿を取り戻してやる!
その日、魔王城はある噂が流行った。
右手に薬草を持ち、左手に鎌を持ってキライな魔物に
膝かっくんすると少女の悲鳴が起きるという。
これは魔物A君の身に実際に起きたことらしい。
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「きゃああああああ!!!」
ルルは悲鳴を上げた。
「ル、ルル様。お気を確かに…」
「超っ可愛い~!!!!」
「はっ?」
ルルは目の前にいる白い物体に抱きついた。
「や、やめろっルル!苦しぃ~!!」
「一体どうしたって言うのアル!なんでこんなに可愛いの!?」
「うっ…ぐぁっは…」
「おい、ルル。アルが死ぬぞ。」
「だってぇ~!!」
「エ、エイス。…たす…けてく…」
1m半はあろう大剣を背中に掛けている人物がルルを白い物体から引き離した。
「あ~んっ!」
「あ、ありがとうエイス。お前は命の恩人だよ」
「アル。いいから説明してくれ」
エイスと呼ばれた金髪黒目の男が少し苛立ったように言う。
「そうよ、なんでそんな可愛いらしい女の子の姿になったの?
まさかロリコンにでも目覚めた?」
「ロリコンはお前だろっ!!あんなに締めやがって!」
白いシーツがめくれた。
とても愛らしい少女が怒りながら立った。
透き通るような白い肌は以前と変わらずとも華奢で柔らかそうな体。
丸みを帯びた整った顔には可愛らしい瞳が潤んでいた。
魔王ことアルディオスは嘆いた。
「ああっ、もうなんでこんなことに」
首をしょげて俯いた。
「それはきっと呪いでしょう」
グレイルは掛けている眼鏡を光らせながら言った。
「かつて太古の昔、言うことを聞かず暴れまわっている人間を
足を切って押さえつけ邪神の神に祈りをささげその人間を呪い、
更にはその家族の体を引き裂き壁に張り付け罰を犯した人間に
見せつけその様子をその人間に聞かせ嘆き、震えたという…」
「ああ、分かった。結論を聞こう」
「…つまり黒い液体が陛下に染み付き陛下は少女の姿になってしまった。
そしてそれを解くためにはなんらかの特効薬が必要。」
「でもなんで少女の姿になったのかな?」
グレイルはため息をついた。
「それが分からないから困っているのですよ。まあ
それが呪いっていうわけですけどね」
アルディオスこと魔王が呻いた。
「この展開からいくと俺の体が弄ばれるエロ小説に発展しそうだ。
特に誰かさんが絡んでレズに…」
「なんで私を見るのよ!」
「確かにその体で魔王と名乗るのは危険だな。なにか良い方法は」
エイスが案を求める。
「魔王の遠い親戚っていうのはどうでしょう?」
「えっ…!」
「そうだね!それがいいわ!!どうせアルのことをよく知ってるのは
ちょうどこの事態を知っている私達だけなんだし」
「ちょっ…」
「魔王アルディオスに勧められ魔王城に来てみたが当の本人のアルが
いないため帰ってくるまでこの城にいるっていう設定で」
「まっ…」
「でもってアルのことを兄様って呼んでる!」
「いやっ…」
「名前は…」
グ・ル・エ「アルディナ!!」
「…はい」
こうして魔王アルディオスことアルディナは特効薬を
探すことにした。
「絶対元の姿を取り戻してやる!」
そうアルディナは決意した。
~今日の一言~ アルディオス
「最近誰かに見られてる気がするんだけど、
気のせいかな。めっちゃ怖い。
んっ…!?あああああああああ!!!!」




