ああああああああああああ!!!!!!!!!
「ぐぐっ」
どうやって置いたのか不思議なぐらい棚は高かった。
(後もう少し…!)
タスッ
「はぁ」
やっとのことで本を掴めた。
アルディオスはそのまま本を引っ張ろうとしたその時だった。
ガツンッ
「えっ?」
本を引っ張ろうとした勢いで隣にあったビンに当たった。
そしてビンは弧を描きながら棚からずれ… 落ちた。
パリーンッ
黒色の液体が入ったビンは地面に落ちた衝撃で割れた。
流れ出た黒い液体は黒い蒸気をあげながらアルディオスを覆った。
(ぶはっ!なんだこれ!?)
息も声も出せないほど、黒い煙はアルディオスを包んでいった。
「へっ陛下?」
メイドのリリアはこの状況にただただ困惑していた。
アルディオスはひたすらこの煙を払おうと試みたが、努力は空しく
体は煙によって押さえつけられてしまった。
なら魔法を使えばいいじゃないかとも考えたが、煙の中では
全てが無に等しく魔法を使う気力さえも吸い取られていった。
そして煙に弄ばれている中、アルディオスはあることに気づいた。
(なんだこの煙?俺の生気を奪い取るどころか体に染み込んできていないか?)
アルディオスの言うとおり、煙はじわじわと体に溶けていった。
(うわっ!気持ち悪ぃ!!なんなんだよこの煙!?)
アルディオスはひたすらこの煙から離れる方法を考えたが、しだいに
考えることさえも気だるくなってきた。
(あー…、だりぃ。俺…このまま……死ぬのか…な?…)
そう思い始めた時だった。
急に体が軽くなった。
そしてあの忌々しい煙も消え去ったじゃないか!?
アルディオスはすっかり自分の体がさっきよりはるかに軽くなったと思った。
「一体あの煙は…」
!?
(なんだ、今の声は。おれがしゃべった筈なのに俺の声じゃない?)
アルディオスは前にいるリリアに一体何が起こったかを聞こうとした時、
リリアがひどく怯えた様子で自分を見ているのに気づいた。
「リ、リリア?」
(また誰かの違う声)
アルディオスはまさかと思い自分の体を見た。
さっきから服がぶかぶかになったと思っていたけど、服がぶかぶかに
なったのではなく自分の体が小さくなっていた。
顔も触れてみると細かった輪郭が少し丸みを帯びた輪郭になっていた。
「あ…あぁ…」
今の声も誰かの声ではなく自分の口から出た声だと分かった。
それもわずかに甲高い少女らしき声。
そして最後に自分の一番大事なところに触れた。
触れた。けども触れてない。
何故なら、それさえも無くなっていたから。
「ああああああああああああ!!!!!!!!!」
魔王は今までにないほど死滅的な声で叫んだ。
広い魔王城でも、その叫び声は響いたらしい。
「へ、へへへ陛下!!!」
メイドもこれ以上ないほど驚いたらしい。
それもそうだ。あの魔王アルディオスが一瞬にして可愛いらしい
少女になったとなれば。
甲高い声がやっと治まったと思うと今度は潤んだ目でメイドを見つめた。
「一体どうしたと言うんだ!俺の体は…」
そして声を張り上げて言った。
「な、なんでこんな子供の体にっ!!」
そう言って魔王は失神した。
ついに。
てかやっとなっちゃいましたね。




