風に乗せて歌おう 12
その後の日々、夜明けはますます遅くなっていった。酒場の仕事は相変わらず同じだったが、少し違ったのは、サシスが妻と喧嘩してから、いっそう口が細かくなったことだ。
「喧嘩になるとよ、あいつはいつも言うんだ。昔はあれだけしてやったのにって。つまりだな、もしあいつが昔やったことを、今の喧嘩のための筹码にするってんなら、俺はこの先ずっと、あいつの親切ってやつに耐えられそうにないよ」
店主は時折り奥の部屋から顔を出しては、彼を叱りつけ、仕事に集中しろと言った。私はというと、卓を拭き、酒樽を運び、馬小屋の水を替えた。肩がだるくなることこそあったが、嫌だと思うことはなかった。かつては退屈に感じていた、この変わり映えのしない繰り返しが、今ではむしろ、運のいいことのように思える。
マーガレットは一日か二日おきに、酒場の前へ姿を現した。あるときは通りすがりで、戸口に立って挨拶だけして去っていく。またあるときは中に入ってしばらく腰を下ろし、隅の一番暗い卓の端で、あの伝票をめくっている。サシスが初めてこの客に酒を運んだとき、やけに何度も私のほうをちらちらと見たので、私は無視して、酒をただの水にすり替えた。それから何度もそんなことが続くと、彼も慣れてきて、マーガレットが入ってくるのを見ると私に顎をしゃくって、自分は勝手に裏の厨房で薪を割りに行ってしまうのだった。
頼まれる用事は、どんどんささやかになっていった。脚立を貸してほしいとか、本がぎっしり詰まった木箱を一緒に持ち上げてほしいとか、鍛冶屋に修理してもらった閂を受け取りに一緒に来てほしいとか。それらはたいてい、マーガレット一人でもできることばかりだった。箱を運ぶとき、私はできるだけ、向こうが先に地面に下ろすのを待つようにした。そしてマーガレットは、いつもきちんと地面についてから、ゆっくりと手を離した。
分厚い箱が物置部屋に埃を舞い上げる。それはまるで、人の心の内を量ろうとする者が、そのあとでそっと吐く、小さな溜息のようだった。
一度、隅のあの卓のそばに座っていて、私はカウンターの奥でグラスを拭いていた。店にはほとんど人がおらず、サシスはどこへ行ったのか姿が見えず、店主は奥の間で居眠りをしていて、鼾は戸板越しにもはっきり聞こえた。
マーガレットは突然口を開き、教会の裏庭にあるあの古い菩提樹が、もう葉を落とし始めて、地面が一面の落ち葉になったと言った。助祭に掃くように言われて、半刻ほど掃いたのだが、振り返るともうまた一枚の層ができていた、と。
そう話すとき、私のほうは見ずに、手にした酒杯を見つめていて、まるでその酒杯に話しかけているようだった。
「じゃあ、もう掃くのはやめろ。全部落ちきってから、まとめて掃けばいい」と私は言った。
マーガレットは少し考えてから言った。「でも、助祭様が機嫌を損ねてしまう」
「なら、二回だけ掃いて、あとは少し残しとくんだな。あまり綺麗にしすぎるな」
マーガレットは少し笑った。
「何よそれ、人に手抜きを教えるなんて」
「教えたんじゃない。ただ、ふと言ってみただけだ」
もう一度笑い、それからしばらくのあいだ、静かになった。
結局、帰るまで、コップの水は二口ほどしか減っていなかった。たぶん味がしないのだろう、洗い桶の水のように薄かった。
「クローズ」とマーガレットは言った。「じゃあ、また明日も来るね」
私は、ああ、と言った。
腰を上げて歩き出し、戸口のところで一度、振り返って私を見た。
翌日、マーガレットは修道服に着替えておらず、髪も編まずに、ただ無造作に後ろで束ねているだけだった。
ずっと早くから、私の家の外の道の辻に立って、私を待っていた。まるで、何か言いたいことがあるかのように。
「実家に戻るように言われたの」とマーガレットは言った。
声の調子はいつもと少しも変わらなかった。でも、私にはわかった。
実家に呼び戻されたのだと言い、例の教会での一件に、まだいくつか後始末が残っているからだと言った。ずいぶん早口だった。まるで自分とは無関係な伝票を読み上げるかのように。けれど、指先がときおり、服の裾を捻っている。
私は、一人で行くのかと尋ねた。マーガレットはしばらく黙り込んでから顔を上げ、私を見た。唇がわずかに動いて、また閉じられた。マーガレットはいつもこうだ。心のなかではもう口を開こうとしているのに、相手が先に断るのを待つことに、すっかり慣れてしまっている。
「一緒に行く」と私は言った。
マーガレットは断らなかった。ただ、明日の朝、あの人の住まいの外で待ち合わせようと、そう約束しただけだった。




