風に乗せて歌おう 5
それから何日ものあいだ、マーガレットはいつも私の通る道に姿を現した。かといって、ジェスのことをしつこく尋ねたりはしなかった。ただ時折り挨拶を交わしたり、他愛もない頼みごとを持ちかけたりするだけだ。いつしか私も、彼女が話しかけてくることに慣れていった。
一度だけ、彼女は不意にカレンの話を持ち出した。
「あの子のこと……」マーガレットはすぐに言い添えた。「あの、その、私も偶然、あなたたち二人が一緒に歩いているのを見かけて。何だか、あの場で声をかけるのはあまり良くない気がして、挨拶しなかったんです」
「そう」
「ご親戚なのかと思って、人に聞いてみたんですけど、違うって」
私は胸の内でかすかにどきりとした。もしや彼女が、こっそり私のことを探り回ったのか。だが、そんな疑いをそのまま口に出せば、気まずい沈黙に落ちるだけだ。だから私はただ当たり障りなく相槌を打った。
「そう」
「可愛らしい子ね。それに……クローズに似てる」
「そうか」
それが外見の話ではないことくらい、私にはわかっていた。けれど私はあえて、この淡い返事で、彼女が本当に言いたい核心を探ろうとした。
「見た目じゃなくて。なんていうか、二人ともあまり喋らないところかな」
「そうか……まあ、確かにそうかもしれないな」
マーガレットの声は急に細くなり、視線がふと横へ逸れた。
「あなた、周りの人たちとは上手くやっているように見えるのに……どうしてだろう。自分自身をひどく嫌っているような気がする」
その言葉を聞いた瞬間、私は仮面を剥ぎ取られたように感じ、思わず息を詰めた。てっきりサンデルの時のように、ぎくしゃくした空気に包まれると覚悟していた。けれど張り詰めていた神経に、強い感情の衝撃は訪れなかった。むしろ予期せぬ静けさだった……
彼女は私の沈黙に気づいたのか、慌てて付け足した。
「当てずっぽうよ。気にしないで」
私は顔を少しだけそらし、彼女の視線を避けた。
長い沈黙が続いた後、ようやく小さな声で応じた。
「そうか……」
その後二人は口を開かず、次の辻で別れた。ただ、先ほどの不用意な発言のせいか、彼女が何度も手を差し伸べかけては引っ込めた様子が、私の心に引っ掛かって離れなかった。




