954 今回もドミノ倒しのように
信用ならないのはなぜなのか。
まあ、アルベドのことだからうまくやるだろうとは思っている。彼の心配をするだけ杞憂というものだ。とはいえ、心配させてほしいという気持ちもある。彼がそれを望んでいる望んでいないにしろ、私は彼のことを気になっているのだから。
「あんまり、危ない橋渡らないで口酸っぱく言うようだけど、ヘウンデウン教のことは私たちがゆっくり調べていけばいいじゃない」
「ゆっくりっつったって、時間がない。それに、あっちが高速で物事回してるって言うなら、それを止めなきゃいけねえだろ?」
「それはそうだけど……」
もう折り返し地点まで来ている。この世界がどれほど続くか分からない。エトワール・ヴィアラッテアの目的は愛されることだけど、この世界で愛されつくしたら、今度また世界を戻して愛されるために……なんてやるかもしれないのだ。
それはまるでゲームみたいな……
(そうよ。ゲームみたいなもの。終わったらリセットするって……でも、ここは現実で一回やったらやり直せないのよ)
エトワール・ヴィアラッテアは巻き戻す気でいるのだろうか。
何度やっても彼女の中にあるむなしさなりなんなりは埋まらないと思うのだ。
それに気づいたとき、彼女はこの世界を壊すだろうか。今の時点では何もわからない。分からないほうがいいのかもしれないけれど、わかってあげたい気もするのだ。
「……時間がないのはわかってる。だって、リースの誕生日パーティーからとんとん拍子に話が……というか、ドミノ倒しになっていった気がする。嫌なことがすべて重なって重なって……その結果、たくさんの悲劇を生んだ。あの時は、トワイライトが闇落ちしてラスボスになったけど、結局混沌はそんなに悪い奴じゃなかったし。もちろん、彼……なのかな、存在していたらまずいって言うのも分かるから。混沌を食い止める必要はある」
「だが、その混沌の半分をあの女が持ってんだ。ほんと勘弁してほしいよな」
「……それもそう、だから、混沌の力を一つに集約できるようにしなくちゃいけないわけ。その方法がいまだ分かっていない。きっと、ラヴィも分かっていないだろうし、ヘウンデウン教もそこのところはわかっていないと思う。まあ、彼らにとって混沌が二つあるということは嬉しいことなのかもしれないけどね」
「まあ、そりゃあ信仰しているものが分裂して増えたら嬉しいだろ。俺たちにとっては最悪だがな」
アルベドはそう言ってハッと鼻で笑ったのだった。




