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119.セフィリアオンデス

なんで、異世界のものが、ワザワザ、この世界の時間を止めたのか。

別の可能性として・・・あぁ、助けとか一切関係なくて。この世界が壊れると、自分の世界に悪影響を与える、それで止めた。とか。


うん、これ、あるかもね。

世界というのは、それぞれ別に存在していると考えてるけど・・・。私が、こんな風に、この世界に来れてしまうように。第三世界の人間たちもここに来ちゃってたりするように。

世界と世界ってのは、思ってる以上に、しっかり、どこかで繋がっていたり、影響をあたえあうのかもしれない。


とすると・・・。

この世界が壊れたら、自分の世界も、破壊的な影響を受ける、とか・・・。

最悪の場合、世界の間で、破壊の影響の連鎖が起こる・・・とか?


・・・それはマズイじゃん!


いや、そうなるなら、必死で止めに行くね、私たちも。


んー、とすると ひょっとして、ていうかむしろ、止めてくれてアリガトウなぐらいの行動なのかもしれない。この第五世界の住人は怒ってるけどさ、私たち鉱石世界とか、他の世界は全て『ありがとう! 第五世界を止めてくれて!』ぐらいの事態なのかも、コレ。


なんて色々考えつつ、セフィリアオンデスは、隣、やや上空にいるトートセンクが、第三世界のキレイな声の主が自分の仲間の生まれ変わりだと知って静かに喜びに震えているのを、フィと見やった。


うーん微妙・・・。と、セフィリアオンデスは思った。


今まで長い間一人で残っていたところに、生まれ変わりという人に会えて、もう嬉しさなんてホントどんなんだろ、って思うほど嬉しいんだろうな、というのは、分かってやれる。

が。

トートセンクはさっぱり気付いてない。つまり、『自分の仲間は、すでに、別の世界で暮らし始めた、暮らしてる』って状況なのだ。


セフィリアオンデスは、ムムゥ、と考えた。

これ・・・時間、動かしちゃったら、なんか、マズクない?


トートセンクも、敵であるケルベディウロスも、『元に戻したい』と願っているのは同じなんだろう。


いやそもそも、実際、『時間を動かす』ってどーやんの? ってところはまだ良く分かってないが。

“アト様”が役に立つ、と、ケルベディウロスは言っていたが、具体的にはよく分かってないみたいだし。


これ・・・、ちゃんと考えた方が良いよね?


時間は止められた。そう、なのだけど。でも、時間は本当は、決して止まらず、動いていた。


セフィリアオンデスは、今自分がいる場所をスゥっと見回した。


白い場所。白い砂。白い砂の山。

崩れてしまった第五世界の住人の体の跡。

半分残る、未だ戦いの途中で止まった住人たちの体。


もし時間を動かしたら。戦いがただそのまま展開される。半分になっちゃったとは、いえ。


そう、それに。半分。残り半分、体が無くなってしまった人たちは、どうなるワケ?


そして。すでに、別の世界で暮らしている人たちは、どうなってしまうワケ?


***


セフィリアオンデスは口を開いた。


「私。セフィリアオンデス。たぶん、流れ的にはトートセンクが話した方が順番的に良いんだろうけど、多分まだムリ。なんで、次、私に話させて」


『なるほど、頼む』

ケルベディウロスが応える。


「うん、それじゃあ・・・」


どうすれば良い。

この場を有効に使わなくっちゃ。


話して 聞いて 道を探す。


せっかくこんなにたくさん、世界を超えて人が集まっているんだから。


***


『えーと』

と、青い光の向こう側の元気の良い女の人の声がした。


『何から話したら良いかな。えーと』


そして語られた。


セフィリアオンデスという女の人は、白い世界の人ではなくて、また別のところからやってきていた。

やってきたのは、助けを呼ぶ声が聞こえ続けたから。とにかく頑張って、白い世界に来る事が出来た。


セフィリアオンデスたちは、本来はアトたちが見た姿をしているわけじゃないらしくて、白い世界の体にあわせて現れているらしい。


セフィリアオンデスは、『自分ができること』を説明した。


トートセンクみたいに羽根はついてない。空なんか飛べない。

話せる。歌える。見える。聞こえる。走れる。跳ねる。覚える。考える。

本来の世界では、遠くのぼんやりしたものも掴んだりできる。

けどそれが白い世界ではできなくなっていて、その代わり、体と一緒に道具を持っている。

道具を使うと、遠くのものを掴んだりできる。

とはいえ、道具はまだ使い込んでいないからどこまでできるか分かってない。


何をしているか。

とにかくナントカしようと思って、たった一人残っていたトートセンク(背中に羽根のある人)に構い続けている。

お友達の『第五世界の鉱石の王』が助けてくれっていうから応えたい。助けたいって思ってる。


それから、

アトたちの世界のこともちょっと知っていて・・・なぜだか、クリスティンがものすごく好きだということも分かった。

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