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装備

結局俺はソロで探索することになった。社長は、「誰か気が合うやつがいたら組んでも良いからな」と言ってくれているが、パーティはやはり俺の性に合わない。

初めて一人で会社のダンジョンを潜る。自分のペースで進められるって素晴らしい。

そうこうしていると大きな扉が見えてくる。


「これは……ボス部屋とかいうやつか?」


重そうな扉だが押すと、ギギギと音を立てひとりでに開いていく。

中に入ると後ろの扉が完全に閉まる。部屋の中心には魔法陣のようなものがあり、そこから大型の熊のような巨体の魔物が現れる。


「ふうん、強そうだな」


こういう時【不動心】は役に立つ。いかなる時も心が落ち着き冷静を保てる。

いつも通りやるだけ。死角を突き、首を断ち切る。

このような戦闘を繰り返し、どんどん動きが人間離れしていくが、それを指摘するものはいない。


「あ、宝箱」


この鎌以来だ。実は結構珍しいものなのか。そんなことを考え宝箱を開く。


「これは……ローブか?」


真っ黒でフードのついたローブ。確かに装備なんてものはなく普段着で潜っていたが。

そういえばダンジョン産のアイテムには自動修繕機能が付くことが多いと聞くが、これもそうなのか?


「ダンジョンは気が利くな」


その場でローブを羽織り時間を確認する。もういい時間だ。ダンジョンを後にすることにしよう。


~査定~


「それでは魔石と素材、確認します。おや、一層のボスに挑んだんですね。お怪我はありませんでしたか?」

「ああ、怪我はない」


しばらくして査定の結果が出る。

探索者は取ってくる素材に応じて給料が上下するらしい。


「センさん、結果が出ました。こちらです。」

「……こんなに?」

「まあ今回はボスの魔石や素材もありましたしね。」

「そうか」


思ったより多い。これを毎日繰り返せば年収はすごいことになるのでは……?


「ああ、一つ言っておきますとこちらも買い取りの上限がありますので、際限なく換金できるわけではないですよ。まあそこまで持ってくる方なんてほぼいませんが」


とは言っても今日は余裕を持って帰ってきたし、もっと深いところに行くには実力も必要になる。怪我の恐れもあるし、相応の値段なのかもしれない。

ふと、そばに置いてある探索者向けのカタログが目に入る。

装備を新調するのも良いかもしれない。


「……」


今自分に足りていないもの。それは……



数日後、家に届いたのはなんの変哲もない鞄だった。

しかしこれはただの鞄ではない。見た目以上に物が入るのだ。

説明によると使っているうちに魔力を吸収して入る量が増えていく不思議な鞄らしい。

正直高かった。

だが教員時代の貯金がまだ残っている。

それにこれから稼げば良いだけだ。


鞄とローブ、それに大鎌を担ぎ、センはより積極的にダンジョンへ潜るようになる。

まるでダンジョンこそが自分の居場所だと言わんばかりに。


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