失踪
あれから数日、俺とレオ達は一緒にダンジョンへ潜った。
俺の感知能力は相変わらずだ。
「おお、お帰り、セン。レオとのパーティはどうだ?」
「……まあ」
「社長!どうだ、じゃないですよ……ホントに……」
正直一人に戻りたい。
レオ達はやれやれといった表情だ。
「センのやつ、状態異常耐性が弱すぎます。非探索者と同レベルです」
「罠によく掛かるね。戦闘力は高いんだけどねー」
「たまに鎌が当たりそうで怖い」
「うぅん、感覚が鈍くなっているのか、怪我が多い気がしますぅ……」
好き放題言われる。
まあ確かにいつもと感覚が違いすぎていらん被弾をしているが。
「そ、そんなにか……」
しかし、いやでも、と何か悩む社長。
「すまん、もう少し我慢してくれ。やはり一人で行動するリスクの方が高い」
「……社長が言うなら、まあ。やりますけど」
「とにかく!今日もお疲れ。査定だけ終わらせて帰ってもらって大丈夫だ」
「はい、お疲れ様です。あ、セン、明日は一般ダンジョンの方に行くから少し早めに集合したい」
「ん、わかった。」
明日の予定の確認をして今日は解散する。
しかしパーティでの行動は疲れるな。まあ俺が慣れていないだけなんだろうが。
ここ数日の探索で疲れが溜まっているのが分かる。
帰り道で一人、ため息をつく。
帰宅。
何か適当に作って食べようと思い、冷蔵庫を開ける。
ひんやりとした空気が顔にかかる。
「なにもないな……」
仕方がない。もう今日はコンビニでなにか買うか。明日、帰りに食材を買わなければ。
スマホをジャージのポケットに入れ、家を出る。
すっかり暗くなった夜道。人気の少ない閑静な住宅街を歩いていく。
ブブッ
ポケットのスマホが震える。
取り出して見ると、レオからだった。
新着『レオ:明日の集合時間について伝えるのを忘れていた。明日は……』
「……」
足を止め、スマホを開く。
意識がスマホに集中する。
「……ッ、なんだ?」
背後に気配を感じ、反射的に振り返る。
そこには白装束の見知らぬ男がいた。
男はにやりと笑い、叫ぶ。
「術式成功!」
魔力の反応がする。
「なんだ、う……!?」
直後ぐらりと視界が揺れ動く。身に覚えのある感覚。
同時に周囲から人が集まってくるのを感じる。
これは……睡眠系の状態異常か?
まずい。
気合で体を動かしていく。
襲い掛かる白装束の集団へ殴りかかる。
「無駄な抵抗はよせ、神の子よ」
「いったい、なにを……」
数人気絶させることには成功したが、体を動かすたびに頭に靄が掛かっていく。
ついに膝をついてしまう。
ああ、これは。かなりまずい。
失踪事件。そうか。こいつらが。
抵抗するも体から力が抜けていく。
白装束たちが近寄ってくる。
ふとミナの言葉を思い出す。
『センも高ランク探索者なんだし、気をつけてよね!』
まさか自分までもが標的になるとは思わなかった。
ゆっくりと、意識が沈む。




