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県大会①

地区予選から2週間後。無事Bランクにも上がり、体調も問題はない。

今日はいつも行っている最寄りの協会ではなく、県内で一番大きな探索者協会で行われる。


「よし、準備はいいか?」

「ん」

「ここを勝ち残れば全国だよ!」

「はあ、緊張で胃が……」

「私は皆さんの応援をさせていただきますねぇ」


俺たちは株式会社アークマテリアルの看板を背負っているんだ、と意気込んでいるレオ。

実際にこの大会でいいところまで行けば様々な企業の目に留まる。そのため企業ギルドに雇われている探索者は数多く出場しているらしい。

まあ負けても酒井社長はあまり気にしないかもしれないが。


地区予選と同じ要領で中へ通される。

控室には中継用のテレビが置いてあり、リアルタイムで試合を見ることができるようになっている。


「よーし、いってくる!」


初めに呼ばれたのはミナだった。

彼女は素早さを活かして敵を翻弄させ、ボウガンで敵の急所を貫くという戦闘スタイルだ。

ん、これ、俺と似た動きをしている。確かに彼女のスタイルと俺の動きは相性がいいかもしれないが。あいつ、真似したな。

相手の死角へと回り込み、順調に少しずつ体力を削り無事勝利する。

あ、両腕を上げて喜んでいる……


「なんか途中、センみたいな動きしていた」

「あいつセンの動きを面白いって言って動画見まくってたもんな」


知らないうちに何をしているかと思えば……


「ただいまー!勝ったぞー!」

「おう、見てたぜ」

「おかえり、よかったね」


ミナの勝利を祝っていると次の出場者が呼ばれる。


「次は僕か。まあ、当たって砕けろだね……」


腹部をさすりながら向かったのはノア。

レオの言うことには彼の魔法の威力は高いらしい。当たればほぼ確実に魔物を消し飛ばせるらしいが。

あ、これは運がわるいな。ノアの相手は速さを主軸とする双剣使いだ。


「うーん、これじゃあ詠唱できないね」

「ああ……お、でも魔法は発動してるぞ」


魔法は相手をかすりはしているが、致命傷を与えるほどではない。

普段ならレオが足止めをする所なのだろうが、これは一対一のタイマンだ。


「あちゃー、負けちゃったね」

「まあ後衛職だしな。十分戦えた方じゃないか?」


そのまま数に押し切られ、ノアは負けた。


「はあ、やっぱり駄目だったよ……」

「でもでも!相手の髪の毛焦がしてたじゃん!」

「前より詠唱速度上がったんじゃないか?」


戻ってきてどんよりとした空気を醸し出すノア。


「うん……速度は改良できたけどまだまだ足りなかったかな。それに命中率もあまり良くなかった……」


沈んでもなお分析を始める。根っからの研究者気質なのだろう。


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