休日
あれから体調も戻り、社長からの短いダンジョン禁止令も解かれた頃。
仕事の時以外はできるだけ桃でいることにしている。
何といってもセンだと自己管理をしようとしない。面倒くさがる。
同一人物だから私だってめんどくさいと思うけど、やらないわけにはいかないとも思えるから。
ブブッ
「?あ、ミナからだ」
『ね、今日暇?良かったら遊びに行かない?女子会しよ、女子会!』
ミナは桃をお呼びのようだ。
うん、特に予定もないし、行ってみよう。
「やっほー!来てくれたね!わー、私服もかわいーじゃん!」
「あ、モモさん。こんにちは。その後体調どうですかぁ?」
「こんにちは、元気だよ。誘ってくれてありがとう」
思った通り、ミナとルナがいた。
3人でショッピングモールをぶらぶらする。
教員の時は忙しくて買い物を楽しむ暇なんて無かったなあ。なんて思いながら洋服を見ていく。
「ねー、モモ。モモの時もあたしらに我慢なんてしなくていいんだからね?」
「そうですよぉ。遠慮は無しですからねぇ」
「うん、ありがと」
「あ、このワンピ可愛くない!?」
別に我慢も遠慮もしてるつもりはないけれど、無意識にセーブしているところはあるんだろうなあ。
「そうだ、近くにカラオケあるからさ、後で行こうよ!」
「わぁ、カラオケ、久しぶりですねぇ。ミナはよく行くんでしたっけ?」
「まー好きだし行く方ではあるかな!」
「カラオケ……あんまり歌える曲ないんだけど、いいね。行こうよ」
ウィンドウショッピングを楽しみ、食事を取る。
そして言っていた通りカラオケへ入店する。
「じゃああたし一番!」
「ぱちぱちぱち~」
私の歌える曲……最近の曲は生徒に教えてもらったものくらいしか分からないかな。
そうして考えているうちに私の番になった。
歌う曲は、有名なポップス。どんな時も自分を愛し、前を向く。そんな意味の込められた歌。
音楽の先生だったんだから音程は最低限取れるはず。落ち着いて、深呼吸……
~♪~♪~♪~
「うわあ、うまいじゃん、モモ!」
「それになんだか、心にきますねぇ」
続けて歌う。
「……はい、終わり」
「…ううっ、ずずっ……」
「あれ、涙が……」
そうだった、私の【響鳴】のせいで人よりイメージや感情を伝わりやすいんだった。
「モ“モ”っで歌、う“ま”い“ん”だね“……ずびっ」
「私、泣いてしまいましたぁ……とても感動しました」
「あ、えっと、ありがとう……」
その後も何度かそんな場面を繰り返し、今日の女子会はお開きになった。
「モモー!また3人で遊びに行こうね!」
「今日は楽しかったです。また会社で会いましょうねぇ」
「うん、一緒に遊べて良かった。また会社で」
帰り道。夜風が肌にあたる。
教員時代以来、こんな風に友人と遊んだのは久しぶりかもしれない。
たまにはこうして遊びに行くのも悪くない。次はもうちょっと歌のレパートリーを増やしていこう。




