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『ラノベでスッキリわかる!異世界ギルドの働き方が変わる5つの魔法 ~受付嬢アリサのギルド奮闘記~』  作者: ぽてと


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5/25

【アサーション】角を立てずに「NO」と言う技術 5/5

酒場での見事な解決劇から数日後。

 王都ギルド『暁の翼』のカウンターは、今日も多くの冒険者たちで賑わっていた。


「アリサちゃん、本当に助かったよ」

 山積みの書類を抱えたカイルが、ホッとした顔でアリサのデスクにやってきた。


「『紅蓮の刃』の連中、あれから他の指名依頼も上手に断るか、後輩パーティーに斡旋してくれるようになったんだ。おかげでギルドへのクレームもゼロになったし、何よりギルド内の仕事の巡りがすごく良くなったよ!」

「よかったです! ザックさんたち、根は素直で良い人たちですからね」


アリサは嬉しそうに微笑み、手元にある革張りのバインダーを開いた。

 そして、美しい銀色の羽ペンを走らせ、筆頭受付嬢としての新しい経験を『お仕事魔導書メモ』にしっかりと刻み込む。


【私のためのお仕事魔導書メモ


新シリーズ第1の魔法:アサーション(適切な自己主張)


嫌な仕事を断る時、相手を怒らせず、自分も我慢しないための「第三の道」。

角を立てずに「NO」を伝えるには、**『DESCデスク法』**を使う!


D(Describe・描写):相手の状況や客観的な事実だけを伝える。


E(Express・表現):相手を責めず、自分の気持ちや事情を伝える。


S(Specify・提案):ただ断るのではなく、相手のための「代替案」を出す。


C(Choose・選択):その提案で良いかどうか、最後に相手に選ばせる。


※注意:感情的になって「攻撃」しても、我慢して「受け身」になっても、結局チームの空気は悪くなる。対等な関係を恐れないこと!


「綺麗にまとまったわね」

 背後からスッと伸びてきた手が、アリサの手帳を覗き込んだ。シレーヌだ。


「シレーヌ先輩! はい、アサーションの魔法、すごく役に立っています。これでギルドの人間関係はバッチリです!」


「ふふっ。コミュニケーションの第一歩としては合格よ」

 シレーヌは優雅に微笑んだ後、ふと視線をギルドの入り口へと向けた。


「でも、人間関係の魔法は、相手が『話の通じる冒険者』ばかりとは限らないわ。特にあなたが『教えるマネジメント』に回った時、本当の試練が訪れるのよ」

「え……? 教える側、ですか?」


「ええ。今日からこのギルドに配属された、あなたの『初めての直属の後輩』よ」


シレーヌが指差した先には、ギルドの重い木扉を必死に押し開けようとしている、小柄な少女の姿があった。

 彼女は両手に抱えきれないほどの書類の束を持っており、足元がおぼつかない。


「あわわわっ! す、すみません、通してくださいっ……あっ!」


バサァァァンッ!!

 少女は何でもない平坦な床で派手に転び、持っていた大量のクエスト依頼書を、吹雪のようにギルド中に撒き散らしてしまった。


「ひぃぃっ! ごめんなさい! 今すぐ拾いますぅぅ!」

 涙目で床を這いつくばる少女を見て、アリサは思わず額に手を当てた。


「……彼女が、新人受付嬢のエマよ。今日からあなたが教育係として、彼女を一人前に育て上げなさい」

「わ、私が、あの子を……?」


「そうよ。自分でやった方が早いからといって、仕事を取り上げるのは禁止。……さあ、筆頭受付嬢のお手並み拝見といきましょうか」


シレーヌの楽しそうな声とは裏腹に、アリサの顔には冷や汗が流れていた。

 角を立てずに断る方法は覚えた。けれど、「仕事ができない後輩」をどうやって育てればいいのか、そんな魔法はまだ知らない。


「エマちゃん! 待って、私が手伝うから……あっ、その書類は裏返しにしちゃダメっ!」


筆頭受付嬢アリサの新たな奮闘の日々が、幕を開けたのだった。



【あとがき】


新シリーズ第1弾「アサーション編」、最後までお読みいただきありがとうございました!


仕事で「それ、今私がやらないとダメですか?」と思うような急な依頼や、理不尽な要求をされた時。真っ向から反発すると喧嘩になり、かといって全部引き受けていると自分が壊れてしまいますよね。

そんな時、この「DESC法」の型に当てはめて言葉を組み立てるだけで、不思議と相手を不快にさせずに「NO」を伝えることができます。大切なのは「代替案(提案)」をセットにすることです。これだけで、相手からの印象は「断られた」から「別の方法を考えてくれた」に変わります。


さて、次回は第2シリーズ!

仕事ができない後輩・エマの登場です。ついつい「あーもう、私がやった方が早い!」と仕事を取り上げてしまう病(プレイングマネージャーの罠)から、アリサはどうやって抜け出すのでしょうか。

「権限委譲」と「コーチング」の魔法をお届けします。お楽しみに!

新シリーズ第1弾「アサーション編」、最後までお読みいただきありがとうございました!


仕事で「それ、今私がやらないとダメですか?」と思うような急な依頼や、理不尽な要求をされた時。真っ向から反発すると喧嘩になり、かといって全部引き受けていると自分が壊れてしまいますよね。

そんな時、この「DESC法」の型に当てはめて言葉を組み立てるだけで、不思議と相手を不快にさせずに「NO」を伝えることができます。大切なのは「代替案(提案)」をセットにすることです。これだけで、相手からの印象は「断られた」から「別の方法を考えてくれた」に変わります。


さて、次回は第2シリーズ!

仕事ができない後輩・エマの登場です。ついつい「あーもう、私がやった方が早い!」と仕事を取り上げてしまう病(プレイングマネージャーの罠)から、アリサはどうやって抜け出すのでしょうか。

「権限委譲」と「コーチング」の魔法をお届けします。お楽しみに!

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